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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 20: Raheem DeVaughn, Vandell Andrew & The Colleagues「Love Euphoria」
新譜アルバム紹介Vol. 20です。
今回紹介するのは、DCのシンガーのRaheem DeVaughn、ルイジアナのサックス奏者のVandell Andrew、フロリダのプロデューサーのThe Colleaguesがリリースした「Love Euphoria」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1679309698827-RjBX3GDrXp.jpg)
Raheem DeVaughnはDC出身のシンガー、Vandell Andrewはルイジアナ出身のサックス奏者、The Colleaguesはフロリダを拠点に活動するプロデューサーのKarl Powellが中心となったプロジェクトです。
Raheem DeVaughnは2000年代前半、Vandell Andrewは2010年代半ば頃、The Colleaguesは2000年代後半に登場。Raheem DeVaughnとThe Colleaguesは、Raheem DeVaughnの2015年作「Love Sex Passion」収録の「Black Ice Cream」など4曲で組み、以降もお互いの作品でたびたび顔合わせしています。Vandell AndrewもRaheem DeVaughnの2019年作「The Love Reunion」収録の「Joyful Noise aka The Chill AF Mix」に参加。三組でのコラボ作の制作は今回が初となります。
Raheem DeVaughnはPrinceの影響下にあるスウィートでソウルフル、少しロックっぽいニュアンスも時折覗かせる歌声の持ち主です。ネオソウルを軸にしつつも、よりヒップホップ色の強いサウンドにも柔軟に乗ります。Vandell Andrewは基本的にはトラップなどの非ブーンバップ系ヒップホップの要素も取り入れた、スムースジャズ系のサックス奏者です。The Colleaguesはトラップやネオソウルなどを作るプロデューサーで、生演奏を落とし込むのを得意としています。
今作はRaheem DeVaughnが主役ではなく、歌とVandell Andrewのサックスが対等の関係にあるようなバランスの作品です。The Colleaguesのビートはトラップやスロウなハウス風味などもあり、上品でありつつネオソウルっぽく着地しないユニークな仕上がりになっています。ヒップホップでもあり、ソウルでもあり、ジャズでもある好作。
1. Love around the clock (feat. Goapele)
今作の中では比較的ネオソウル寄りの曲。
GoapeleとRaheem DeVaughnの美しい歌声の絡みをメインに、Vandell Andrewは控えめにプレイしています。優しいメロウな曲ですが、時折ヘヴィに聴かせるベースの鳴りに微かな毒気も。
2. Euphoria (Raheem DeVaughn remix)
原曲も後半に収録。
「Raheem DeVaughn remix」というタイトル通り、ここでは歌モノ成分が強めになっています。トラップビートを紳士的に染め上げた良曲。
3. Overthinking
Raheem DeVaughnはコーラスのみでの参加。
ふうわりとしたシンセに手数の多い808が絡む、トラップ路線の曲です。Vandell Andrewのサックスがメロディックラップのように乗っています。
細かく刻むハイハットが印象的なスムースジャズ。
ヴァースはVandell Andrewが担当し、Raheem DeVaughnがワクワクするような声でフックを歌い上げる佳曲です。全員の持ち味が見事に噛み合っています。
「Cupid's Arrows」と同じ構成の曲。
こちらはグッとメロウに振り切っています。穏やかなエレピや艶やかなベースが効いたビートに乗るサックスと歌声に涙。
6. Joyful Noise (The Colleagues remix)
Raheem DeVaughnとVandell Andrewによる曲のリミックス。
1970年代ソウルの質感をモダンに聴かせるような、暖かくスウィートな曲です。Raheem DeVaughnの歌はもちろん、Vandell Andrewのサックスも映えています。
7. Euphoria
2曲目の原曲。
Raheem DeVaughnは登場せず、Vandell Andrewのサックスがトラップビートに乗るインストです。リミックスと共通しつつもまた違った良さ。
さらに別バージョン。
こちらはRaheem DeVaughn不参加バージョンをベースにしつつ、さらにギターやドラムの生演奏が加わってバンド感が強まっています。とはいえヒップホップ以降のグルーヴなので、これまでの流れでも自然に楽しめるはず。
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