2022年おすすめ新譜アルバムVol. 90: Beyoncé「RENAISSANCE」
新譜アルバム紹介Vol. 90です。
今回紹介するのは、テキサスのシンガーのBeyoncéがリリースした「RENAISSANCE」です。
Beyoncéはテキサス出身のシンガーです。
R&Bグループ、Destiny's Childのメンバーとして1990年代前半に登場。グループではアルバムのリリースのほか、Lil' OやSilkk The Shockerなどの作品への客演などを行います。2003年にはソロでの1stアルバム「Dangerously in Love」をリリース。以降も2006年の「B'Day」や2011年の「4」、2016年の「Lemonade」など作品のリリースを重ねていきます。2018年にはThe Carters名義でJAY-Zとのタッグ作「EVERYTHING IS LOVE」をリリース。以降も2019年の映画「The Lion King」のサウンドトラックの制作や、同年のライブアルバム「Homecoming: The Live Album」のリリースなど精力的に活動しています。
力強くソウルフルで圧巻の歌ヂカラを持ったシンガーです。力をコントロールした繊細な歌い方や、キレのあるラップを聴かせることもあります。サウンド的には時代ごとのトレンドを汲んだものやオーガニックなソウル、ニューオーリンズバウンスなど。多彩なスタイルを取り入れつつも、強力な歌でまとめ上げるようなアーティストです。
今作はハウスやレゲトン、アトランタベースなどダンサブルなスタイルを大量に導入した快作に仕上がっています。しかし主役はあくまでも歌なので、やはりBeyoncéらしい作品です。
Tommy Wright III「Still Pimpin」のPrincess Lokoの声ネタを全編でサンプリングした曲。
メンフィス流儀のドロッとしたラップのループにデンボーを合わせ、上品なシンセを絡めたユニークなレゲトン風味の曲です。後半ではラップっぽいキレのある歌い方も披露。
2. COZY
太いベースが主導するファンキーな曲。
この曲もちょっとデンボーっぽいリズムを使っています。やや地味なビートですが、歌とラップを織り交ぜるBeyoncéには華があるのでちょうどいいバランス。
4. CUFF IT
Raphael Saadiqも関わった軽快なファンク。
ギターにNile Rodgers、パーカッションにSheila E.の名前もあります。生演奏のグルーヴィなサウンドと力を巧みにコントロールした歌の絡みが極上。
ダンスホールとハウスを横断するような曲。
タイトに音数が絞り込まれたビートで、Beyoncéのラップと歌が映えた好曲です。フックでのBEAMの脱力感のあるレゲエ風味フロウも絶妙。
Robin S.「Show Me Love」ネタのハウス路線。
Beyoncéのパワフルな歌に、Big Freedia「Explode」から取ってきたパワフルな声ネタがぶつかり合うアンセム感のある曲です。連呼フックにソングライティングを担当したThe-Dreamの色も。
7. CHURCH GIRL
ゴスペルとニューオーリンズバウンスをミックスしたような曲。
ソウルフルな歌声のサンプリングも目立ちますが、The Show Boys「Drag Rap」もきちんと使っています。フックでのラップはMagnolia Shorty「Monkey on tha D$ck」風。
SydやLeven Kaliがプロデュースに参加。
ベースでPatrick Paige II、バックヴォーカルでSabrina Claudioも関わっています。生演奏の優しいソウル良曲。
スペイシーで落ち着いたファンク路線。
跳ねるようなベースや小気味良いギター、重厚なシンセが効いた佳曲です。ゴスペルっぽくコーラスが追いかける構成もBeyoncéの歌と合っています。
Kilo Ali「America Has A Problem (Cocaine)」ネタのアトランタベース。
MIKE DEANが弾く重厚なシンセに軽快な808が絡む、シリアスでいて軽さもある曲です。アウトロでのシンセのソロがMIKE DEAN色濃厚。
ここから先は
¥ 100
購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです