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HekAとTripRoomについて

愛知のラッパー、HekAがリリースしたシングル「marble」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。

名古屋を拠点に活動するラッパーのHekAは10月5日(火)、シングル「marble」をリリースする。
HekAは名古屋の三人組クリエイティヴチーム、TripRoomに所属するラッパー。ラップだけではなく自身でビートメイク、ミックスやマスタリング等も行う多彩な顔を持つアーティストだ。2020年にはアルバム「Twisted」をリリースしているほか、今年8月にはシングル「Night Flight」を発表している。
今回リリースするシングル「marble」は、12月17日(金)にリリース予定のEP「S.M.O.G.」からの先行カットとなる一曲。ストリングスやピアノの音が印象的なビートで、「自分らしさと他者から受ける影響」をテーマに粘っこく歌うようにラップしたポップな曲に仕上がっている。ビートはSNSを介して繋がったという東京のビートメイカー、Bill Jake Beatsが制作。ミックス・マスタリングはHekA自身が行い、アートワークはTripRoomに所属するデザイナーのRyo Tokiyoshiが担当している。


プレスリリースでも触れましたが、HekAは三人組クリエイティヴチームのTripRoomで活動しています。HekA以外のTripRoomメンバーは、デザインと映像制作を行うRyo Tokiyoshiと、関東のコレクティヴのWATER DAWGSにも所属するビートメイカーのGenefの二人です。

Ryo Tokiyoshiは新潟に住んでいた時期があり、その縁からDJ TO-SHIROのアルバム「RE:CYCLE」のアートワークやにんじゃりGang Bang企画のデザインも担当しています。

TripRoomとしての作品は現時点では2019年のEP「2riproom」のみです。Genefは2020年にチルいインストヒップホップのEP「POCKET OF TIME」、HekAも同じく2020年にアルバム「Twisted」をリリースしています。

「Twisted」のサウンドは、ブーンバップ系譜のチルいものやダンスホール風味、Drakeあたりがやりそうな浮遊感のあるものなど。そこにHekAのリラックスしたラップやゆるい歌が心地良く乗る良作に仕上がっています。Chance the Rapperが出てきそうなピースフルな「myself」、エモーショナルなピアノとファットなドラムのブーンバップ「One Thing」、クラウドラップから毒気を抜いたような神々しい歌モノの「Unforgettable」と続く後半の流れは特に素晴らしいです。前半に配置されたクール&メロディアスな「KEMURI」も良曲。また、今回のシングル「marble」で組んだBill Jake Beatsの制作曲も二曲収録されています。Genefのビートはありませんが、アートワークはRyo Tokiyoshiが担当。全てを自分たちで完結させることもできる集団ですが、そこにこだわりすぎずに制作するTripRoomの特徴が出た作品だと思います。

また、HekAは今年に入ってからシングル「Night Flight」もリリースしています。

穏やかなコーラスにトラップ系のドラムを合わせたクールなビートで、歌心のあるラップを聴かせる良曲です。Ryo Tokiyoshiが制作したMVも発表されています。

Ryo Tokiyoshiは岐阜にある施設「スペース丸宮」を運営しており、スペース丸宮のスタジオを舞台にライブパフォーマンスをする企画「Meets a Room」も主催しています。第一弾としてアップされたHekAの回では、アルバム等には未収録の曲「晩夏」と「STAR」の二曲を披露。自然の中にある改修中の施設の雰囲気とHekAのゆるいスタイルが上手く嚙み合っており、見事なパフォーマンスを見せてくれます。

プレスリリースにも書きましたが、12月にはHekAのEP「S.M.O.G.」のリリースが予定されています。Genefの作品や「Meets a Room」の動きもあるようです。TripRoomにはこれからも要注目です。

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