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Foolsdayboy「Foolish Step」全曲解説とバイレファンキ導入の経緯

新潟のラッパーのFoolsdayboyがリリースしたミックステープ「Foolish Step」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。

新潟を拠点に活動するラッパーのFoolsdayboyは9月8日(金)、新作ミックステープ「Foolish Step」をリリースする。

Foolsdayboyは活動を始めた2020年に1stアルバムAwesome Foolsをリリースし、その後も2021年に発表した2枚のコラボEPや2022年の2nアルバムGift for Foolsなどハイペースで作品を発表してきたラッパー。また、2022年には同郷のラッパーのsagwonと共にレーベル「RUBiK」も立ち上げている。アグレッシヴな高速フロウを得意としつつ、リラックスしたフロウや歌うようなフロウも聴かせる柔軟なスタイルの持ち主だ。ビート選びについても柔軟な姿勢を見せており、トラップやブーンバップといった王道のスタイルだけではなく、2021年にリリースしたシングル「Talking」ではUKガラージ系のビートを採用している。

今回リリースするミックステープは、アルバム制作の息抜きで制作した曲を「アメリカ以外のビート」をテーマにコンパイルした作品。2ステップやUKドリルのほか、同郷の音楽ブロガーのアボかどの勧めで挑戦したというバイレファンキの曲も収録されている。ダンサブルでありつつも内省的なカラーも目立つ、クラブプレイからホームリスニングまで対応する作品に仕上がっている。

ビートは全てインターネットで購入したものを使用。客演にはsagwonが2曲で参加した。レコーディングは過去作品と同じくDJ KOL(STB Studio)が行ったが、ミックスは新潟でラッパーとしても活動するIk0aN、マスタリングは塩田浩(SALT FIELD MASTERING)が担当。アートワークは新潟のイラストレーターのfu34shiが制作した。


1. Craft Boss (Prod. by ALEXAYBEATS)
2. Foolish Step (Prod. by Anyvibe)
3. Wait for Moon (Prod. by Anyvibe)
4. Genkin (Prod. by Klein)
5. Umbrella (with sagwon) (Prod. by Anyvibe)
6. Still (Prod. by Yvng Finxssa)
7. Kubota (Prod. by yngflam)
8. Belly Roll (with sagwon) (Prod. by yngflam)


また、リリースページ用の紹介文も担当しました。

アルバム制作の息抜きで制作した曲を「アメリカ以外のビート」をテーマにコンパイルしたFoolsdayboy初のミックステープ。

これまでにもシングルで挑んできた2ステップやUKドリルのほか、初の試みとしてバイレファンキにも挑戦。アグレッシヴな高速フロウからメロディアスなアプローチまで聴かせる柔軟なラップが、これまでのアルバムやEPでのトラップやブーンバップとは異なるグルーヴで楽しめる。ダンサブルでありつつも内省的なカラーも備わっており、クラブプレイからホームリスニングまで様々なシチュエーションに寄り添う作品となっている。

客演には共にレーベル「RUBiK」で活動するラッパーのsagwonが2曲で参加。レコーディングは過去作品と同じくDJ KOL(STB Studio)が行い、ミックスは新潟でラッパーとしても活動するIk0aN、マスタリングは塩田浩(SALT FIELD MASTERING)が担当している。アートワークは新潟のイラストレーターのfu34shiが手掛けた。

プレスリリースでも書きましたが、今回バイレファンキに挑んでいるのは私の勧めです。今作にも収録されていますが、FoolsdayboyはUKドリル系の曲をいくつか制作していました。ある日私がUKラップとバイレファンキの接近例をまとめたプレイリストを発見し、UKドリルの乗せ方が応用できそうだと考えてFoolsdayboyに送ったのがきっかけです。

その後もBeatStarsでバイレファンキのタイプビートをいくつか探してFoolsdayboyに聴かせ、その中の一つを使ってできた曲が今作に収録された「Craft Boss」です。Foolsdayboyとはちょくちょく遊ぶのですが、普段から音楽の話をよくしているのが今回に繋がりました。こういった「遊びがクリエイティヴにも繋がる」ケースは他アーティストでもあるようで、少しお手伝いした佐野玲於(GENERATIONS)JP THE WAVYのインタビューでも近いことを話していました。

この記事ではそのほか、二人の出会いやコロナ禍初期の頃に思うように活動できなかったエピソードなどが語られています。皆さま是非。

Foolsdayboyはそんなコロナ禍初期の2020年に活動を始めたラッパーです。今作は「アルバム制作の息抜きで制作した」というラフな作品ながら、内容はラップ歴三年とは思えないほど充実しています。全曲解説します。


1. Craft Boss

先述したバイレファンキ路線。

滑らかなギターやポコポコしたパーカッションが効いたビートで、アグレッシヴなラップを聴かせる曲です。ラップとビートが上手く噛み合っています。


2. Foolish Step

軽快な2ステップ路線。

少し不穏な空気もあるビートに、声色を変化させながらラップを乗せていく曲です。ちょっとUKドリル経由っぽい匂いもします。


3. Wait for Moon

2ステップのビートを使ったエモーショナルな曲。

フックやコーラスではメロディアスなアプローチも聴かせる、柔軟なラップの魅力が堪能できる曲です。穏やかなギターを用いたビートとも好相性。


4. Genkin

メロウで哀愁漂う2ステップ。

UK系のビートならではのベースの鳴りやスペイシーなシンセも効いたビートで、詰め込み気味のラップを聴かせる曲です。メロディアス成分を控えたバランスが見事。


5. Umbrella (with sagwon)

寂しげなギターをループしたスムースな曲。

2ステップ系のビートですが、ダンサブルなだけではないタイプの曲です。フック以外でも歌うsagwonとの絡みも美味。


6. Still

エモーショナルなUKドリル。

美しいギターを使ったビートもメロディアスなラップも、かなりポップな印象です。そんな中でも詰め込むラップのスキルが際立っています。


7. Kubota

「Still」と近いノリのUKドリル系の曲。

穏やかなピアノと圧の強いベースが印象的なビートで、歌うようなアプローチも交えてラップする曲です。雪に関するラインには新潟らしさも。


8. Belly Roll (with sagwon)

sagwonがフックを歌うエモーショナル路線。

優しいギターが目立つUKドリル系の曲です。sagwonだけではなくFoolsdayboyも歌心のあるフロウを披露しています。

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