2022年おすすめ新譜アルバムVol. 46: Big K.R.I.T.「Digital Roses Don’t Die」
新譜アルバム紹介Vol. 46です。
今回紹介するのは、ミシシッピのラッパー兼プロデューサーのBig K.R.I.T.がリリースした「Digital Roses Don’t Die」です。
Big K.R.I.T.はミシシッピ出身のラッパー兼プロデューサーです。
これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。この後は2019年のEP「TDT」やアルバム「K.R.I.T. IZ HERE」などをリリースしているほか、Robert GlasperやLil Kekeなどの作品に参加しています。今年に入ってからは今作のほかにもGirl TalkとSmoke DZA、Wiz Khalifaとのコラボアルバム「Full Court Press」もリリースしています。
今作はこれまでと同様のオーガニックな路線を継続しつつ、さらにもう一歩ジャズやソウルに接近したような快作に仕上がっています。ヒップホップ以外の音楽が好きな方も是非。
3. Show U Right
生演奏を大きく導入した南部ヒップホップ流儀のファンク。
ベースやキーボード、トランペットが生き生きと躍動する良曲です。ファルセットも交えてメロディアスなラップも心地良く、ネクストレベルが感じられます。
4. Rhode Clean
UGKの路線を継承して進化させたような曲。
動きのあるギターやトランペットが光る、生演奏ならではの魅力が出た佳曲です。フックでの女声コーラスにも悶絶必至。
ラップというより歌寄りのアプローチで聴かせる曲。
ブルージーなギターが強烈な泥臭い曲です。後半のストリングスソロでオヤGの方はソファに泣き崩れると思います。
7. Just 4 You
「Cum Out To Play」から一転してキレキレのラップを聴かせる曲。
ドラムは現行トラップ的な手数の多い808を使ったものですが、ドラマティックなホーンの導入などやはりBig K.R.I.T.らしさはしっかりと出ています。歌フックも強力。
8. So Cool
Robert Glasperなどとも通じるメロウな曲。
エレピやトランペットが印象的なスムースなサウンドで、キレのあるラップや美しい歌を聴かせる好曲です。後半ではブルージーなギターを大きくフィーチャー。
10. Boring
ヒップホップの外にも飛び出すような軽快な曲。
生演奏のギターやベースを活かしたファンキーなスタイルで、歌とラップを自在に行き来するヴォーカルが楽しめます。ファンクに接近したようなアドリブの入れ方も絶妙。
11. Would It Matter
ソウルフルな歌モノと力強いラップが混在する曲。
序盤は歌寄りのアプローチにサックスやストリングスが絡む路線で、2ndヴァースで現行トラップ的な808が鳴りキレのあるラップを聴かせる作りに展開します。その切り替えが自然で素晴らしいです。
12. Generational - Weighed Down
生演奏と思しきバンドっぽいグルーヴの曲。
ギターやスクラッチ、ストリングスなどが絡む美しい曲です。途中でビートスイッチ的な急展開もあり、さらに優しい歌心を聴かせます。
15. Wet Lashes & Shot Glasses Feat. Rolynné
Big K.R.I.T.とTwysted Geniusによる共作。
序盤は生演奏らしきストリングスやベースが活きたソウルフルな路線ですが、2ndヴァースに入るとTwysted Geniusのタグと共にトラップ的に展開します。歌心とラッパーらしさのバランスが見事。
16. All The Time
Pファンクっぽい匂いがする粘っこい曲。
ねっとりとしたベースやブルージーなギターが効いたサウンドで、フックではヴォコーダーも交えてメロディアスに聴かせる良曲です。G好きの方は是非。
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