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VOLOJZA「其レハ鳴リ続ケル」全曲解説

千葉のラッパー兼ビートメイカーのVOLOJZAがリリースしたアルバム「其レハ鳴リ続ケル」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。

千葉を拠点に活動するラッパー兼ビートメイカーのVOLOJZAは11月17日(水)、新作ソロアルバム「其レハ鳴リ続ケル」をリリースした。
VOLOJZAはCHAPAHやKAICHOOなども所属するレーベル、VLUTENT RECORDSを主宰するラッパー兼ビートメイカー。オルタナティヴヒップホップグループ、Die, No Ties, Flyのメンバーとしても活動している。今年に入ってからも同グループでのEP「THE FLY」のほか、ソロでのインスト集「BLACKSUMMER」やシングル「AAAA-4」と精力的に作品をリリースしてきた。
全7曲入りの今回のアルバムは、「一話完結だが統一感のあるオムニバスドラマのような作品」を目指し全曲に客演を迎えて制作された作品だ。ビートは全てVOLOJZA自身が手掛け、ミックスとマスタリングはKABEYAMが担当。トラップやブーンバップといったヒップホップを軸に、テクノなども取り入れたカラフルでいて日常の侘び寂びも感じられるサウンドに仕上がっている。客演には先行シングル「君がいた夏」のヤング・キュンと「I LIKE YOU」のKID FRESINOのほか、QNやVLUTENT RECODSの面々が参加。ゆるいラップスタイルのVOLOJZAと多彩な個性の共演で、パーソナルだが他者に対して開かれた表現が楽しめる。


1. Never too late Feat. CHAPAH
2. いかれてるペース Feat. W.O & KAICHOO
3. 楽しくやる Feat. QN
4. ドユ意味? Feat. doq
5. 君がいた夏 Feat. ヤング・キュン
6. I LIKE YOU Feat. KID FRESINO
7. 其レハ鳴リ続ケル Feat. RHYDA, KMC & 没 a.k.a NGS


全曲解説します。


1. Never too late Feat. CHAPAH

ミニマルなループが効いたクールなブーンバップ。

淡々としたドラムもひんやりとした空気を作る中、リラックスしたラップを聴かせる良曲です。一人二役やるようなCHAPAHのヴァースも印象的。


2. いかれてるペース Feat. W.O & KAICHOO

ちょっとUKのビートミュージックみたいな匂いもするトラップ。

エレクトロニックなシンセとダーティな低音が強烈なビートで、個性の異なるマイクリレーが楽しめる佳曲です。連呼フックもキャッチー。


3. 楽しくやる Feat. QN

ややチープなピアノを使った涼しげな曲。

現行トラップ的な低音の鳴りや手数の多い808を使いつつも、あまりトラップに寄っていない印象です。QNのゆるいラップもばっちり。


4. ドユ意味? Feat. doq

ウニョウニョしたウワモノが印象的な曲。

磁力の強いループにドコドコとした太いドラムを合わせた、ブーンバップ寄りの曲です。doqの力強いラップもビートに映えています。


5. 君がいた夏 Feat. ヤング・キュン

VOLOJZAのビート集「BLACKSUMMER」収録のビートを使用。

スティールパンを使ったトロピカルな味わいのビートで、ゆるいVOLOJZAとのらりくらりとしたヤング・キュンの絡みが楽しめる好曲です。ヤング・キュンのヴァースがやはりインパクト大。


6. I LIKE YOU Feat. KID FRESINO

Three 6 Mafia風のハイハットが印象的なメロウ曲。

エレピやストリングスを用いた暖かい雰囲気のサウンドで、KID FRESINOと共にキレのあるラップを聴かせる良曲です。KID FRESINOヴァースでの某R&B名曲の引用にノックアウト必至。


7. 其レハ鳴リ続ケル Feat. RHYDA, KMC & 没 a.k.a NGS

VOLOJZAのシングル「AAAA-4」を再構築した曲。

ラップが乗らない時間も多い準インスト的な曲です。テクノっぽい野太いシンセと四つ打ちでじわじわと盛り上げてくれます。後半に聴けるラップも絶妙。

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