Le$ & Mr. Rogers「Settle 4 Le$ 3」全曲解説
テキサスのラッパー、Le$にメールインタビューしました。Rolling Stone JapanのWeb版に掲載されています。
テキサスの色が濃いソウルフルでメロウな音楽性のLe$は、私が15年近くに渡ってずっと追いかけているラッパーの一人です。昨年の年間ベストアルバムでも5位にアルバム「Bigger in Texas」を選び、2014年の年間ベストアルバムでは1位にミックステープ「Steak X Shrimp Vol. 1」を選んでいます。
今回のインタビューでは、そんな「Steak N Shrimp Vol. 1」のことや近年の制作パートナーのTavaras Jordan、テキサスのヒップホップシーンなどについて聞きました。Mr. Rogersとのタッグで昨年リリースした最新作「Settle 4 Le$ 3」のエピソードもあります。
そこで今回は「Settle 4 Le$ 3」を全曲解説します。
1. One of one
煌びやかなメロウ路線。
1980年代R&Bを思わせるシンセが心地良いビートで、ソウルフルなラップを聴かせる曲です。Mr. Rogersらしい味。
2. Find Out (feat. Killa Kyleon)
声ネタを配した直球Hタウンシット。
ビートはやはりメロウなものです。Le$とKilla Kyleonのキレキレの詰め込みフロウは圧巻。
ソウルフルな哀愁曲。
ドラム等の味付けは控えめで、ネタのチョップのみで聴かせるような作りです。現行ブーンバップ好きの方も是非。
4. Fast Life
スクラッチも交えた声ネタフックの曲。
オルガンとエレピ、軽めな808を用いたテキサス印のメロウです。リラックスしたLe$のラップにも古き良き魅力があります。
5. A I Headband
ソウルフルなネタ使いが光る曲。
南部マナーの808を使った哀愁漂うビートに、詰め込み気味のフロウとまったりとしたフロウを巧みに織り交ぜて乗る曲です。沁みます。
6. Ca$h Flo (feat. Slim Guerilla)
いかにもSlim Guerillaっぽい1990年代南部G風の曲。
ふうわりとしたシンセやファンキーなベースが印象的なメロウ路線です。フックでは声ネタをループ。
7. Mind Blank
妖しい落ち着いたファンク路線。
弾力のあるベースやヒョロヒョロとしたシンセが効いたビートで、テキサスマナーのGなラップが楽しめる曲です。スクリュー声も使用。
8. Ridin in Mr Rogers neighborhood 2k23
Le$は登場しないMr. Rogersのソロ曲。
妖しくメロウなビートでスクラッチを聴かせる曲です。Gラッパーの声ネタが次々と飛び出します。
9. Let Her Go (feat. Slim Thug)
1990年代テキサスGっぽいファンキーな曲。
ギターや例の高音シンセのループと808が目立つビートで、Slim Thugの太いラップと絡む曲です。Mike Jonesの名曲「Still Tippin」風のフロウも聴けます。
10. Chop
落ち着いた哀愁メロウ曲。
ソウルフルな歌声やシンセ、南部らしい808を用いた穏やかな曲です。ほんのりとスクリュー声も導入。
11. Boulevard
サックスを使った暖かい曲。
妖しくメロウなシンセと808のGセンス溢れるビートで、噛み締めるようなラップを聴かせる曲です。サックスとの掛け合い的なフックもばっちり。
12. Playas & Ps (feat. Premo Rice)
Suave House作品に入っていそうなスペイシー路線。
上品でメロウなエレピに悶絶必至です。Premo Riceの柔らかいラップと、フックでのメンフィスラッパーの声ネタも絶妙。
ファンキーなベースとクールなエレピが効いた曲。
短いインタールードですがLe$もしっかりとラップしています。例の高音シンセもうっすらと聞こえてくるので、G好きの方にはたまらないはず。
14. Round the world
エレピが心地良いスムースメロウ。
ハイハットの手数は少ないですが、808に南部のノリが香っています。例の高音シンセでオヤGの方はソファに泣き崩れるはず。
15. Wit it
穏やかなメロウ曲。
ストリングスやエレピ、808、例の高音シンセ…と、南部G好きの方が好きな要素が詰め込まれています。フックでのゆるい歌も極上。
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