見出し画像

DSXTX「NEW NAME BUT AS USUAL」全曲解説

東京のラッパー、DSXTXがリリースしたミックステープ「NEW NAME BUT AS USUAL」のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。

アメリカ南部のギャングスタ・ラップからの影響を打ち出したスタイルで注目を集めるラッパー、D-SETOがDSXTX(読み:ディーセト)に改名。新たな名義での初作品となるミックステープ「NEW NAME BUT AS USUAL」を3月26日(土)にリリースする。

現在は東京を拠点に活動するDSXTXは、2010年代から多くのリリースを重ねてきた国内屈指の多作なラッパー。昨年には岡山のビートメイカーのKVY DIXGO(現KAY DIEGO)とのタッグ作UNDERGROUND TAPE VOLUME 2やソロ作BRUTAL NIGHTMARE vol. 2などをリリースしている。昨年12月には018との連名でのシングルFLAT OUTを発表し、SpotifyやApple Musicの公式プレイリストにも多く収録され話題を呼んだ。

今回のミックステープ「NEW NAME BUT AS USUAL」は、タイトルにもあるようにこれまでD-SETO名義で発表してきたものと同じ空気が通った作品だ。プロデュースはKAY DIEGOが最多6曲を手掛け、不穏なバウンスや哀愁メロウ、Gファンクといったギャングスタ・ラップマナーのビートを提供。そのほか前作「BRUTAL NIGHTMARE vol. 2」などにも参加していたCRIMSXN、フォンク系プロデューサーのBuntaSparksがメンフィス的なビートを制作している。客演にはYvngboi Pとのタッグ作「F’s Uppp 2」が昨年話題を集めたFreekoyaBoiiiが参加。DSXTOは迫力あるフロウや淡々としたフロウなど多彩な引き出しを披露し、ラフな魅力を備えた作品に仕上げている。


1. Pure Ana (Prod. CRIMSXN x BuntaSparks)
2. Reaper (Prod. CRIMSXN)
3. KOEDAME (Prod. KAY DIEGO)
4. M10 JP FLOW FREESTYLE (Prod. KAY DIEGO)
5. チェックイン Feat. FreekoyaBoiii (Prod. KAY DIEGO)
6. kudara (Prod. KAY DIEGO)
7. yogiri (Prod. KAY DIEGO)
8. Slow Down pt. 3 (Prod. KAY DIEGO)
9. Haaah? (Prod. CRIMSXN)


また、今回はリリースページ用の紹介文も担当しました。

アメリカ南部のギャングスタ・ラップからの影響を打ち出したスタイルで注目を集めるラッパー、D-SETO改めDSXTX(読み:ディーセト)による新たな名義での初作品となるミックステープ。
「新しい名前だがいつもと同じ」というタイトル通り、これまでと同じくGセンスたっぷりのラフな魅力を備えた作品に仕上がっている。プロデュースにはこれまでの数々の名曲を共に生み出してきたKVY DIXGO改めKAY DIEGOのほか、前作「BRUTAL NIGHTMARE vol. 2」などにも参加していたCRIMSXN、フォンク系プロデューサーのBuntaSparksが参加。メンフィス系のダークな路線や哀愁メロウといったビートで、詰め込みフロウやルーズなフロウなど南部マナーのスタイルを用いるDSXTOのラップを彩っている。客演にはYvngboi Pとのタッグ作「F’s Uppp 2」が昨年話題を集めたFreekoyaBoiiiが参加。

こちら、「南部マナーのスタイルを用いるDSXTOの」と一ヶ所で名前がDSXTOになっていますが、正しくはDSXTXです。お詫びして訂正します。

全曲解説します。


1. Pure Ana

地を這うような低音が強烈なフォンク系の曲。G好きの方なら曲名でニヤリとするはず。

妖しいシンセや手数は多いですが控えめなドラムが絶妙なビートで、無骨なラップを聴かせる好曲です。ヴァース途中でのギアチェンジも印象的。


2. Reaper

メンフィスマナーの不穏な曲。

1990年代メンフィス的なウワモノを使いつつ、ドコドコと鳴る圧の強いキックが現代の空気を通しています。声ネタのチョイスもメンフィス的。


3. KOEDAME

KAY DIEGO制作のダークなファンク路線。

オルガンやブリブリのベースといった、テキサスGっぽい音を用いたダークな曲です。フックではスクリュー声も使用。


4. M10 JP FLOW FREESTYLE

2000年代Three 6 Mafiaっぽいダークなバウンス。

ストリングスやピアノ、ドラム…と全てがメンフィスっぽい好き者の方にはたまらない曲です。ラップ面でもJuicy JやProject Patを思わせるフロウを使用。


5. チェックイン Feat. FreekoyaBoiii

ベイっぽいジメジメとしたGファンク。

ブヨブヨとしたベースやフルートの音が効いたビートで、ラフなチンピラ感を醸し出すFreekoyaBoiiiと絡む良曲です。DSXTXのJeezyを思わせるフロウやアドリブも印象的。


6. kudara

ノスタルジックな雰囲気の哀愁曲。

どことなく日本っぽい雰囲気のあるギターやシンセ、歌声のサンプリングを使った切ない曲です。DSXTXのメンフィスマナーのフロウが見事に合っています。


7. yogiri

例の高音シンセをスロウに使ったテキサス風味の曲。

とろけるようなエレピも心地良いメロウなビートに、スクリュー声や詰め込みフロウとテキサス色強めなアプローチで乗る佳曲です。オヤGの方はソファに泣き崩れると思います。


8. Slow Down pt. 3

Do Or Dieがやりそうな妖しいメロウ。

フックではダラっとしたフロウを聴かせ、フックではキレのある詰め込みフロウを聴かせるDSXTXの多彩な引き出しが光る曲です。エレピやストリングスが効いたKAY DIEGOのビートもばっちり。


9. Haaah?

1990年代メンフィスっぽいローファイな曲。

例の高音シンセをカサカサに使った強烈なビートで、三連フロウを巧みに用いてメンフィス感たっぷりにラップを聴かせる好曲です。ヴァースは一つだけ、フックは声ネタによるものでラフな魅力が出ています。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです