見出し画像

Ramirez「FROM THA GUTTAH TO THA GRAVE」全曲解説

ベイのラッパー、Ramirezにメールインタビューしました。Rolling Stone JapanのWeb版に掲載されています。

インタビュー記事でも書きましたが、RamirezはThree 6 Mafia再評価の流れの中心に近いところにいながらも、地元であるベイの要素の導入にかなり積極的なところが面白いアーティストです。今回のインタビューでは主に地元の音楽についての話題を中心に、南部ヒップホップからの影響などについて聞きました。以前レビューを書いた2020年作「THE PLAYA$ MANUAL」の話題もあります。

そんなRamirezは先日、新たなミックステープ「FROM THA GUTTAH TO THA GRAVE」をリリースしていました。今回のインタビューでもこの作品について少し聞いています。そこで今回は同作の全曲です。


1. BEIGE BUTTER (feat. Le$)

Le$に合わせたようなテキサス風味のメロウ。

フックはPimp Cオマージュです。ソウルフルなネタ使いのビートで二人のラップが堪能できます。なお、Le$にも以前来日直前インタビューを行いました


2. REHABILITATION

ローファイなフォークっぽい曲。

全編ラップではなく歌を披露しており、ビートもドラムレスでヒップホップから逸脱するような曲です。プロデュースはRocci。


3. SLEEPIN WITH THE FISHES

メンフィスラップ路線。

妖しいピアノと圧の強いキック、声ネタフックが印象的なハードな曲です。ダウナーなラップもメンフィスっぽいスタイル。


4. AMPHISBAENA (feat. SXMPRA)

ベイとメンフィスの中間のような曲。

レイドバックしたウワモノと攻撃的な808が効いたビートで、SXMPRAと共に詰め込みフロウを聴かせる曲です。フックなしのシンプルな構成。


5. WARFARE

メンフィスっぽいダークな曲。

手数の多いドラムと沈み込むようなウワモノを使ったビートに、不気味なラップを乗せた曲です。ブリブリのベースにベイ風味があります。


6. STICK UP

ブーンバップ的な骨太ドラムが目立つ曲。

全体的にはDeath Row作品っぽいダークなムードで、きちんと西海岸マナーです。フックの声ネタはメンフィス風味。


7. GOODFELLAS (with SosMula)

冷たいピアノをループした曲。

軽めの808と太いベース、ストリングスを入れたバンギンです。SosMulaのパワフルなヴァースがインパクト大。


8. IN DA TRUNK

メンフィスラップ定番の声ネタを使用。

Metro Boominあたりが作りそうな冷徹でダークなトラップです。詰め込まずオンビートで不気味に乗せていくラップとも好相性。


9. REHABILITATION (the nirvana)

「REHABILITATION」のリミックス的な曲。

全編スロウダウンされており、ドロドロ感が増しています。チョップド&スクリュードというよりは、ヴェイパーウェイヴ~スロウド+リヴァーブ文脈の香り。

ここから先は

0字

¥ 100

購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです