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Les Misérables 戦うものの歌が聴こえるか

レミゼ。ご存じですか?
ヴィクトル・ユーゴーが書いた小説レ・ミゼラブル。

ミュージカルとしても有名です。昔、ミュージカルに全く興味なかった私が、ミュージカル大好き上司と話の流れからレミゼに連れていかれ?そこからどっぷりはまりました(ちなみに、私の神回は山口祐一郎さんと 岡田浩暉さんの回 )。他のミュージカルの演目も連れていっていただいたんですけど、レミゼしかはまりませんでした。
思春期のバリバリ反抗期の頃あまりの長編で途中何回か挫けそうになりながら読みきった話だったので、思い入れが他とは違ってあったと思うんですよね。初めてミュージカルをみたとき、民衆の歌で自分の中の思春期だった頃の熱い血が騒ぎ涙しました。

アメリカで制作された映画は、パリでフラ夫と共に見ました。個人的にはマリユス役のエディ レッドメインが、イメージ通りで嬉しかった記憶があります。で、私が見に行きたいと騒いだので渋々ついてきたフラ夫ですが、フランス人なのに読んだことがないと。日本人の私がフランス人に熱くレミゼを語り、「読んでないなんて、おまえはそれでもフランス人か!!!。」と散々に言った覚えがあります。あまりの言われように、映画を見るまで必死に読もうとしたフラ夫。しかし、途中挫折して映画を鑑賞する結果になりました。最後大泣きの日本人一人、最後の歌の途中から席を立つフランス人たちの構図。フラ夫は、なんで泣いてるのか訳わからない感じで隣でオドオド。その後数日、働きながら『戦うものの歌が聞こえるか。。。。』と一人日本語で鼻歌をする私、同僚のフランス人に「あいつどうしちゃったんだ?」と、怪しまれる状態が続く。

そしてすっかりレミゼ熱も覚め、あの熱い情熱もどこかに置き忘れていたここ数年。コロナが去った感のある今(フランスでは)、戦争のニュース。タイムリーに映像が入ってくる衝撃に動揺しました。そんな中、youtube のオススメに、ニューヨークでブロードウェイ出演者が民衆の歌を歌う動画が出てきて、また熱いものがふつふつと。ちょうどフランスも大統領選挙も重なっていたんですけど。私のまわりは今回白けモード。最初にフランスに来た頃は、オランドがサルコジに勝利し、支持者たちが泣きながら国旗を持って集まり歓喜する場に遭遇。「あ~、凄いな国民の力は」と、わたしも周りの勢いにのまれてました。で、次は若いマクロンが既成政党をうち破り、何かやってくれるんじゃないか!とあらたな時代を予感するフランス全体の高揚感をひしひしと感じ。。。。で、こんかい。

選挙後、結果に納得しない人達の抗議行動が結構あったようです。

棄権率は28%。政治に諦めて投票に行かないという選択肢より、どちらも支持しない!と投票に行って数字であらわすのも、大きな力になるんだと勝利宣言からちょっと垣間見れた気がする。

自分自身の生活、生死も絡んでくるかもしれない政治。自分達をちゃんと導いてくれる人を選べる権利を擁している幸福をもう一度ちゃんと考えないといけないなーと。戦うのも 苦労するは最終的に下々の私たちなのだから。世界は戦々恐々としているなか、世界と渡り合える人をちゃんと責任持って選ばないといけない。そんなことをレミゼのサントラを聴きながら考える今日このごろ。