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日本×デンマーク お仕事手帳    働き方について

最近、日本のメディアを見ていると、働き方改革の話し合いがかなり定着してきたと感じています。その反面、実際の政策はうまく機能していないようにも思えます。私自身がデンマークと日本の両方で企業や組織の一員であった&ある経験から、働き方について今の職場を例に少し考えてみたいと思います。


デンマークで機能している施策

デンマークで働いていて、基本的な制度がきちんと機能して、個人の時間や家族の時間に、仕事を持ち出ししすぎない、働きすぎない自動制御になっていると感じることが多々あります。そのうちのいくつかはを挙げると、

週37時間労働。
基本的に残業、残業代というものがありません。逆に時間超過で働いている事が続くと、仕事を時間内に終わらせられない→個人が効率的に仕事をしていない、全体で仕事の割り振りが間違っている、など職場全体で課題として問題扱いされたりもします。私の今の職場では忙しい時期は時間外労働もありますが、その分、忙しくない時に時間外労働分を消化、または休暇として消化することが一般的になっています。

病欠は休暇とは別。
病気や治療は有給ではなく、病気休暇扱いとなり、給与対象の期間となります。有給をとるはずだった時期に病気になった場合も、病気休暇扱いとなり、有給を振替としてとることができます。それだけ、休暇の重みが重視されているといえると思います。

6週間の取らなければいけない有給休暇。
デンマークに来たばかりのころは、これでどうやって社会が回っているのか、不思議でしょうがなかったのですが、デンマークではフルタイムの職員で有給が年間最低5週間あります。消化しないと職場に罰金が課されるので、従業員はかならず、毎年とるのが常識となっています。夏の期間は国民全体で休暇にはいるので、受けられるサービスもスローになる反面、3週間連続のゆっくりとした休暇を楽しむ人が多くみられます。

施策に後押しされた職場文化

こういった施策が機能しているのか、職場でのみんなの行動にも、日本にいた時とは違いを感じます。例えば、

就業時間以外の急ぎのメールは出さない。答えない。
日本で働いていた時は、組織での役割を果たそうとする義務感や責任感のせいなのか、時間外にふってくる大事な顧客やビジネスパートナーからのメールは、仕事人として当然即答するのが常識となっていました。デンマークで働いていると、就業時間意外の電話やメールはよっぽどの急ぎや緊急を要する仕事でない限り、即答まではしなくても良いのが一般的となっています。

会議がやたらとのびない。のばせない。
最近、私の職場では、1時間の会議なら、50分で、30分の会議なら25分で予定をたてる、という制度が導入されました。間の時間に会議から会議に移動したり、次の会議の準備をします。こういう制度が導入されたのも、私の職場では、フレックスタイム制のため、1週間で数日の出勤する日には、1日びっしり会議詰めになっている人がいることもあり、会議をやたらとのばすと結局会議が思い通りに進行できなかったり、会議に参加してほしい人が参加してくれなかったりします。ということで会議ものびない、のばせない状況があります。

会議を無理な時間にいれない。
仕事場には、小さな子供のいるがいる人、遠くから勤務し、渋滞に巻き込まれないように早めに帰る人もいるため、基本的に9時前、15時以降の会議は前もっての約束がなければ、無理な時間帯の会議として、あまり見られないのが習慣となっています。

多様な働き方とは

国を挙げての施策や職場ごとにある文化のおかげで、多様性な働き方ができるようになっているデンマーク。一方で女性と男性の給料差は他のスカンジナビア諸国に比べて大きかったり、産休を男性がとるのは女性に比べて圧倒的に少なかったりと、格差の問題ままだまだ残っていたりします。次回は良い施策はあっても回らなくなっている職場の課題事項をいろいろ書いていこうかと思います。

写真提供 DAC 


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