見出し画像

税効果会計②−繰延税金資産の資産性

こんにちは、kkです!

今回は、財務理論の「税効果会計」の解説パート2です!


前回は「税効果会計ってなに?」というテーマを解説しました!

今回は「繰延税金資産の資産性」についてです!

それではやっていきましょう!!


皆さんは、「繰延税金資産の資産性」と言われて大事な漢字5文字を思い出せますか?

そう、

回 収 可 能 性

ですね!

繰延税金資産は将来の税金負担額(COF)を減らす効果こそあれ、実際にCFが発生するわけではありません。

それなのに、繰延税金資産をB/Sにたくさん計上してしまうと、企業の実態とそぐわないです。

そこで、繰延税金資産の回収可能性を判断した結果、「将来の税金負担額を減らす効果がある」と認められたものだけを計上します。


ここで、「回収可能性ってなに?」ってなる方もいるとおもいます。

簡単に言うと、「ちゃんと繰延税金資産の効果持ってんの?将来の税金負担額へらせるの、キミ?」ってことです。

それを確かめるために、次の3つを考慮する必要があります。

①収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得

これだけ見るとなんのこっちゃですね、笑

ひとまず、教科書通りに説明すると、

これは過去の業績などから将来の業績を予測

将来減算一時差異が解消すると見込まれる年度に、
一時差異等加減算前課税所得(≒課税所得)が生じる可能性が高い

ってことです

いや、わかりにくっ!笑


そもそもの話として、「繰延税金資産の効果」はある程度の課税所得がないと、ないに等しいことになります。

利益¥0に課される税金は¥0なのに、繰延税金資産を 500 も持っていても、意味ないですよね?
へらす税金自体がないんですから。

この状態のことを「繰延税金資産は回収可能性を有さない」と言うんです!

なら、どうすればよいのか?
繰延税金資産 500 ÷ 税率 (ex:40%) = 1,250 の利益があればいいわけです!

そうすれば、利益¥1,250に課される税金¥500に対して、繰延税金資産の効果が生じることになるんです!


②タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得

タックス・プランニングとは、含み益のある固定資産などを売ることによって、わざと利益を出して、課税額を増やすことです。

そうすれば、繰延税金資産の解消時点で課税所得が1,250でできて、
繰延税金資産は「将来の税金負担額を軽減する」という効果を有することになりますね!


③将来加算一時差異の解消

前回でも解説したように、将来加算一時差異には「解消するときに、将来の課税所得を増やす」という効果があります。

将来減算一時差異(1,250)が解消する年度の課税所得が1,000なら、繰延税金資産の回収可能性はありませんが

同じ年度に、将来加算一時差異(500)も解消すると、課税所得との合計額は1,500となり、将来減算一時差異の効果が生じることとなります!


画像1


以上の3つを考慮した結果、繰延税金資産の「解消する年度の税金支払額を軽減する」という効果が認められれば、回収可能性はOKとなります!


ここでひとつポイントです!
回収可能性の判断材料となるのは、あくまで一時差異等加減算前課税所得であって、税金支払額ではないので注意ですよ!!

間違っても、論文式の試験で、回収可能性のことを聞かれて、「税金支払額が繰延税金資産よりも~」とか書いたらダメですからね!!


ちなみに、この繰延税金資産の回収可能性について、かなしい事件があったので、これは次回コラムとして載せようかなと考えてます。
企業と金融庁と監査のおはなしです。


さて、今回はここまでです!
ここまで読んでくださった方、ほんとうにありがとうございます!

次回は大学の課題で調べたので、結構自信作です!
よかったら読んでみてください!

それではまた!