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迷いの時計-"天才"だった僕を取り戻せ-

"天才"だったかつての僕を取り戻す。

小中学生の頃の僕は"天才"だったと思う。

小学校では図工、中学校では美術という科目として、その頃は"何か"を作ることが多い。というか、授業なので半強制的に"何か"を作らないといけない。
そして、当時の僕も含めて生徒全員が"何か"を作っていた。

以前、思い立ったかのように100均で紙粘土を買ってきて、暇つぶしに"何か"を作ろうとしてみたことがある。

部屋の掃除をしていると、押し入れの奥から小中学校の頃に授業で作ったものを見つけ、あの頃と同じように"何か"作ってみようと思ったからだ。

と、意気込んで買ってきた紙粘土を机の上に出したはいいものの、そこで全く手が止まってしまった。

あの頃、当たり前のように出来ていた事が今となったは全然出来ないのだ。
"何か"を作るという難しさを思い知った。

年齢を重ね、あの頃よりも格段に成長したと思っていたが、紙粘土の前で全く手が動かなくなった自分をみて、あの頃の僕は"天才"だと僕は思った。

そして、"天才"だったあの頃の僕を取り戻そうと心に決めた。

3年1組18番 戸塚 蓮弥 
「迷いの時計」

中学3年生の美術の授業で作った作品を"今"の僕が作り替えた。

中学生の頃、大きな時計と、その前に人生の選択を迷っている人(自分)、時計の針に見立てた大輪を描いた「迷いの時計」を作った。

それが、家の押し入れの中から見つかったので、今の僕がその上から色んなものを貼り付けて作り替えてみた。

真ん中の?マークを中心に1~12の時がある。
頂点の12はトランプのクイーンのカードを切り取って貼り付けた。
また、8はTOGAというブランドロゴの文字を8に見立てた。
真ん中の?マークから出ている人がいっぱい並んでいるやつは、時計の針である。
そして、黄色の大きい花は当時の僕が描いたまま残した。


時計の針を構成する人は、それぞれ目隠しされている。
あと、コムデギャルソンの香水がドルガバの香水になったいる。


6を表しているのは椎名林檎である。
横にあるベンゼン環に意味は無い。


これが、迷っている僕であり、あなたである。
あの頃の僕は中学生ながら、なにか漠然とした迷いがあったのだろうか。
これから先の時間をどうやって進むか、時計を使ってその時の葛藤を表現していた。



あの頃の僕を、今こうやって感じ取り、対話することで、"天才"だった僕が今の僕をみて「こんなものかよ」と呆れないように"天才"だった僕を取り戻したい。

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