見出し画像

Weekly News Pick Up : 2020/11/14~11/20

日本

現実逃避としてのブランド

コロナショック後において、VODサービス、ゲーム産業などが軒並み好調という事実は、ここ数カ月様々な媒体で報じられてきた。そういった産業を、マズローの理論から、娯楽=現実逃避産業として捉え(コロナ起因の精神的ストレスが緩和されるという症例が最大39%にも上るらしい)、そういったブランドを作るためのメソッドがまとめられている。まとめれば、「意味のない刹那的な笑い・ネタ」「没入できる仮想性」こんな感じだろうか。
一方で、こういった徹底した表層的なコンテンツ=作られた象徴性から主体性を得るような手法による娯楽は、どこまで「持続可能」なのだろうか?と疑問に思う。つまり、辛い時に現実逃避ができない辛さを味わえないという辛さ。こういう現実逃避があるからこそ、主体性を自ら作りに行くような作業がとてつもなくできにくい。できない時代だからこそ、そういった強い生き方が復権するのはそう遠くない未来に出現するのかも。
k.t

ボトムアップ時代のインターナルコミュニケーション

もう10年どころか、20年以上前から言われているような、「ヒエラルキー型」から「自律分散型」へ組織体系における、インターナルコミュニケーションの潮流について書かれている。
個人的に、目を止めたのが、インターナル/エクスターナルの「シームレス化」という内容。事例ではTOYOTOの「トヨタイムズ」について書かれている。コーポレートブランディングとしての、企業トップからの発信、つまり、一件インターナル的な発言を、そのまま公開することで、エクスターナル的な機能も一緒に付与してしまおうという考え方。炎上しやすい企業SNS担当者が発信するような内容と、こういったインターネル的な発言の質の差はいったいどこに大きなちがいがあるのだろうか。ただ単純な「シームレス化」が成長につながるのか、自滅につながるのか?は、そういったところに大きな差があるのかもしれない。
k.t

檸檬堂のコミュニケーション

コカ・コーラの大人気のお酒「檸檬堂」の販売の背景について考察している記事です。恥ずかしながら、コカ・コーラが酒類を扱っていないことを認識していなかったのですが、檸檬堂がアルコール飲料を販売するのは世界中で檸檬堂が始めてだそうです。有名どころだと氷結やストロングゼロなど、レモンサワーは他の大手飲料ブランドも展開しています。
そうしたレモンサワーブランドはどちらかというと「果汁感」「爽快感」「居酒屋の味」を訴求しています。(ストロングゼロのCMをご覧になった方はご存知だと思いますが、水しぶきがすごいです。)それに対して檸檬堂のパッケージは落ち着きを感じるレトロちっくな雰囲気です。公式サイトも、「調理するように丁寧につくりました。」というコピーと料理人然とした阿部寛の写真がお出迎えしてくれます。
s.a

インフルエンサーは認知度と人気度を分けて考えよう

インフルエンサーマーケを手掛ける企業「Wednesday」のCEOである関口ケント氏による記事です。元記事のタイトルはネタっぽいですが、内容自体は真面目です。最近、テレビのゴールデン帯を飾っていたような芸能人がチャンネル開設しています。しかし、芸能人がただチャンネル開設をしても上手く行ってなさそうなのはなんとなく感じている方も多いと思います。
そうした事態は、「人気度」と「認知度」という評価軸の違いがあるというのが記事の主旨です。記事でも取り上げられた「勝俣州和ファン0人説」はその違いを端的に表現していますね。上記を軸に沿って解釈すると、「勝俣州和は認知度はあるが、人気度は低い」ということになります。
特にデータはないので推論にすぎませんが、SNS経由でイチから人気拡大してきたインフルエンサーの方が、認知母数あたりの好意度(=人気度)は高くなりそうですね。逆にマス系で露出している芸能人は認知母数が大きく広がる故に、認知母数あたりの好意度は低くなりそうです。2つの指標を同一視すると、キャンペーンに思ったほどの熱量が生まれない可能性があるのかもしれません。
s.a

海外

BBCのお父さん復活

3年前にバズったBBCのライブインタビュー動画。そのお父さんがTwitterのブランディング広告で復活したらしい。子供たちも成長した姿で「再」出演。
正直何言ってるかわからないし、目的もわからない。でも面白い。
k.t

「ナンセンス」なマーケティング、トップ10

オレオやクロレッツなどで有名な食品企業のモンテリーズが一風変わった動画を公開しました。同企業のマーケティング方針に言及したこの記事は、「マーケティングをやめてヒューマニングを始める」と言っています。商業主義的なマーケティングコミュニケーションよりも、サステイナブルやポリコレを重視したコミュニケーションの事例は見ます。人々の繋がりを求めているとビデオでモンテリーズが説明している所から見ると、「ヒューマニング」は人々の繋げる行為を象徴する造語のようです。(ちなみに以前紹介したオレオのパロディサイトでも、人の繋がりにフォーカスを当てています)
今回の記事ではそうしたモンテリーズの「ヒューマニング」を「ナンセンス」と評し、独自の評価基準で算出したマーケティングランキングのトップ10に同社をランク付けしました。評価軸は非常に単純で、施策の①「ナンセンス度」と②「マーケ界隈への影響度」をかけ合わせています。このランキングのTOPは「マズローの5段階欲求」で、「がらくたのようなマーケティングに広く行き渡っている」と手厳しい評価を下しています。
s.a

Z世代向けのラグジュアリー品マーケとは?

社会が変化するにつれて、各世代が好む「贅沢」な体験も変化していると言われています。「モノ消費」から「コト消費」、更にそれから「トキ消費」というのが一つの例でしょうか。
この記事では、主に小売領域で取り扱われるブランド(いわゆるモノです)のうち、高級なブランドのコミュニケーションについて解説している記事です。記事内ではいくつかの手段が紹介されていますが、特徴的なのは「体験の共有」や「デジタルプラットフォームの活用」です。両者とも、ここ最近では比較的見かけると思います。消費者のサステイナブルな参加と共創や高級品をレンタルできるようにするという記事の提案が象徴的です。前者は要するに製品開発のプロセスに消費者を巻き込むイメージです。
このnoteでは以前からサービスマーケティングの概念を紹介していますが、モノを売るというビジネスモデルの中でもサービス化が進行している部分が存在する事は抑えた方がよいかもしれません。
s.a