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段取り良く素早くアウトプットを出すために

対象読者: 新社会人。特に、コンサルタントや企画職など、ビジネス上の考えを紙に落とす必要があったり、合意形成が主たる業務の方。

僕はコンサルタント1年目の時に、なかなか仕事の進め方のリズムがつかめず苦労したことがある。

かつては研究者をしていたが、そこでは自分自身でアウトプットの完成度を高めてから教授と議論する、という仕事の進め方をしており、教授との議論は月1回で十分だった。そういう背景もあり、コンサルティングファームで求められている仕事のスピード感、つまり毎日あるいは一日何回もアウトプットをチーム内で確認する働き方になかなか適合できなかった。

そんな1年目の時の学びメモを見返していると、「スピード感を持って業務を進めるためには」と自分なりの工夫をまとめた記述を見つけた。案外同じつまづきをしている新入社員が (特に昨今のリモートワーク下では)多い気がしているので参考になればと思いメモの内容を清書した。

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ある作業を開始し、いったん自分なりの成果物を作り、次にマネージャー(上長)と会話するまでを1サイクルとすると、その作業サイクルを回す間に考えるべきことが5つある。

2021XXXX_悩めるコンサル1年目がやるべきこと_作業サイクル_v01

① 作業依頼時: アウトプットイメージを合意する

作業開始時のマネージャーとの会話の中で、手書きでアウトプットイメージを合意する。アウトプットイメージが持てない状態では作業を引き受けない、という気持ちを持つくらいでよい。もし咄嗟に紙を書く内容すら思いつかなければ、マネージャーに食らいついてアウトプットイメージを示してもらうべきだ

② 作業設計時: やらなくていい作業や、他の良い方法がないかを考える

「本当はやる必要がないかも…と思ったが、やることに合意した作業だからやる」というのは絶対に避けるべき考え方。また、もっとうまい方法がないか先輩に聞いてみる

③ 作業開始時: 作業の優先順位をつける

人に依頼できる仕事を真っ先に依頼する、その次に白黒はっきりついてない仕事 (後で進め方に迷いそうな仕事)の方向性付けに着手する。最後に、自分で進めるしやり方に迷わない仕事に着手する

④ 作業中: すぐに質問する

懸念や疑問点があればすぐに質問する。マネージャーの時間を奪うのは自分の仕事の一部だ、と考えるべき。「わからないことがあるが、いったんある程度形にした後に相談しよう」と思うのは、声を上げるのをサボっている

⑤ 作業完了時: ひとりで作りこみすぎない

毎回100点何点を取りに行く必要はなく、環境によって求められている点数は異なる。求められているレベルを推し量るための判断軸は、「目的を踏まえるとどこまでの作りこみが必要か」。今自分が行っている分析や資料作成によって促したい意思決定に必要なパーツがそろっていれば、それ以上の作業は無駄にしかならない。

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マネージャーの目線から見たときに、わりと⑤でつまづく人が多い。大体90点くらいのものを持ってこようとして、もう少し時間をください、とマネージャーに伝え、そして約束した時間までに作業が終わらず焦って負のサイクルに突入し自信を無くすケースが、特に理系職種出身の中途の方でしばしば見られる。

一方、わりと気楽な新卒コンサルタントは、ものすごく早い段階でアウトプットのアウトラインを出してきて、この方向でいいですかー?とマネージャーに聞いてくれる。実はこっちの方がお互いに仕事を進めやすい。

要は、思いがけず陥っている完璧主義を捨てて気楽にいこう(take it easy)ってことだ。