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【エッセイ】『ASD引きニートnoter』のナイトルーティン~障害とフォロワーと、この夜に思うこと~

湯上がり。
濡れた髪。
蒸し暑い自室で私は思う。

ああ、今日もnote書かなきゃなって。

そう思いつつも湿った重たい頭で、大して見たくもない動画サイトや漫画アプリをだらだらと見続けてしまう。

最初は「書きたいから」という単純な理由で書いていたnote。

今はどうだ?

今の私は書きたいのか?
それともよく分からない義務感で書いているのか。

はたまた寂しいから?
反応が欲しいから?
誰かと繋がりたいから?

そんな理由で書くことを続けていいのか。

もやもやとした気分で髪を乾かす。
一度も染めたことがない黒髪。

私はこの色があまり好きではない。
似合わないのだ。私には。

市販のカラーは髪が傷みやすいそうなので、のちに行きつけの美容院で染めようかなんて考えながらドライヤーをしまう。

ばっさり切って色を抜いて染めたら、このもやもやとした気分も晴れるのだろうか。

毎日そう思ってはいるけれど、まだ美容院には行けていない。

市販のハサミでざくざくと適当に切っただけ。

私はいつもそう。
変わろう、変えようと思いつつも結局は毎日同じ繰り返し。

だからほら、またnoteを書く。
父が買ってくれた中古のノートパソコンを立ち上げる。

辞めるのか続けるのか定まらない気持ちでnoteを書く。
記事のストックはいくつかあるのに、どうも投稿する勇気が出ない。

何を伝えたいのか。
どう見せたいのか。

それすらも分からないままだから、書いては消し、また書いては消しを繰り返し熟成下書きが増えていく。

自分をさらけ出す。
着飾らない。
なんて生意気なことを言っておきながら私はまだ隠している。

過去の失敗も私の本性も100パーセントはさらけ出せない。
出したものならみんな居なくなる。
炎上する。

・・・かもしれない。

今日は着地点を決めずに書いている。
タイトルも方向性も決めていない。
(まずい・・・。このままでは締まらない。)

記事を書いた後はみんなのnoteを徘徊する。
前はよく「noteの書き方」とか「マネタイズ」とかをよく見ていたけれど今は全く見なくなった。
なんとなく辛くなるから。

ちょっと疲れてるのかな。

それに今は「書きたいことだけを書きたい」という思いと、私のことを「知ってもらいたい」という思いが強いからそういう記事を書きたいのかもしれない。

今、よく見ているのは馴染みのフォロワーさんの記事。
それからスキやフォローをしてくれた人の記事。

私は慣れたものや同じルーティンが好きだから、お馴染みのフォロワーさんの記事を見るととても落ち着く。

あとはたまにコメントを残す。

コミュ障の私は、自分のコメントが誰かを不快にさせてないか、傷つけていないか気になっている。

特に気にしているのは距離感。

私が最も苦手としていることである。

そんな感じで22頃までnoteを徘徊したら寝る準備をする。

しわしわ、ぐちゃぐちゃのシーツ。
糸がほつれたタオルケット。
カバーから脱出した枕。

それらを申し訳程度に整えて寝る。
よく動画投稿サイトで「ナイトルーティン」とかあるけれど、あんなにおしゃれなナイトルーティンなんてあるのか?

それとも20代女子でこんなに飾り気も、おしゃれさもないのは私だけなのか?
友達がいない私にはよく分からない。

歯を磨き終わった私はベッドにダイブする。
ちょっと前まで強迫性障害の症状が強くて、歯磨きとか戸締りとか信じられないほど時間が掛かっていたのだけれどいつのまにか治っていた。

ひどいときは1時間歯を磨いていたり、玄関前に立ち尽くして動けなかったり、何十分も廊下を徘徊したりと散々だったけれど、薬を変えてから良くなった。

たまたまかもしれんけど・・・。

照明を消してはらりとカーテンをめくり窓の外を見る。
まあるい満月が薄墨色の雲に隠されて見え隠れする。

私は夜の月が好きだ。
太陽みたいに明るく照らして、見たくもないものを見せつけられることもないし、眩しさに疲れることもない。

ただそっと、真っ暗な夜空を柔らかく照らしてくれる。
まるで行き先を導いてくれるかのように。

優しく柔らかく寄り添って、転ばないようにその道を照らしてくれる。

そんな存在に私はなりたい。

カーテンを元に戻し、ベッドに寝そべる。

いつも温かいコメントをくれるあのフォロワーさんはもう眠りについたのだろうか。

いつもちょっぴり元気がないあのフォロワーさんはどんな明日を迎えるのだろうか。

家庭的な雰囲気がするあのフォロワーさんはどんな風に家族と接しているのだろうか。

そんなことを考えながらしがないnoterの私は今日も眠りにつく。

おやすみなさい。






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