孫子野球7.5 「成長が大前提」

こんばんは!野球をしばらく指導できていませんが、野球の先生cozyです。

今日は前回の記事、孫子野球7の続きで、孫子の思考よりcozyの所感が多めなので、孫子野球7.5ということで、気軽にお読みください!

孫子野球7では、正攻法、すなわち実力の重要性を考え、
戦術の運用の裏にある本質に迫ろうとしてみましたが、いかがでしたか。

「結局、実力か…」「戦略でなんとかするのが名将なのでは?」
と言われてしまうかもしれません。しかし、実力に勝敗が依存する割合はやはり高く、同時に、一定の正攻法無しでは奇策は機能しないと言うのもまた「事実」です。

孫子は戦い(試合)について、以下のように言葉を残しています。

「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず」
(戦いとは本当に国の重要事項であり、勝つか負けるかで全てが決まる。結末に自信が持てないのは良くない)
「亡国は以ってまた存すべからず、死者は以ってまた生くべからず」
(負ければ終わりなので、やり直しはない)

この言葉から学び、
負けたら二度と来ないそのメンバーでの大会に向かう心構えをもう一度考えていきたいと思うのです。
「甲子園」とか言うならば、
プレイヤー、そして指導者が、新チーム結成から7月まで本当の意味で「勝てると確信できるチーム(=強者)」を目指すことが求められるのではないでしょうか。
それなのに、何度強打者に打ち込まれ、好投手に抑え込まれてコールドで負けても、
「変則投手出せばなんとか引っかかってくれるかも」
「サインプレーが決まれば、相手も崩れるかも」
と言う希望的観測に基づく戦略ばかりで、問題の本質を改善しようとしないチームが多すぎるような気がします。

力がなさすぎるまま最後の試合を迎えてしまっているのです。それでは結末は見えてしまう。奇跡が起きない限り、予測通りになってしまいますよね。

「うちは公立だから…」と逃げる時代じゃないはずです。

内角と外角に力のある球を投げわけられないまま、
スライダー以外に落ちる球を投げられないまま、
140キロが打てない力量のまま、7月を迎えてはいけないのだということだと思うのです。


頭を働かせる試合上手になりたいという強い思いがあり、
この孫子野球もその1つとして始めました。
それと同時にアスリートを育成するという視点は忘れてはいません。

数人の選手に恵まれ「運良く」勝ち進めるのは、良くてベスト16で、それ以上には鬼のように強い私学のシードが出てきます。
そういう相手と戦う試合では、強烈な印象を与えられ、

「何を変えなければならないのか…」と考えさせられます。

そいうう試合の中で実感するのは、

・攻撃ではスイングスピードがあり、ヒットが打てるようにならなければ、相手がカウントを悪くすることもなく四球も取れない
・出塁がなければ、バントも走塁もサインプレーも使えない。
・投手に球速が一定以上なければ内角は引っ張られ長打にされるし、外角は踏み込まれてしまう。
・変化球はストレートで差し込まれる怖さがない限り引きつけられさばかれるし、ボールになるものは見逃される。
・強打される打球をさばくことは野手にとって困難であり、長打コースの打球は取れない。つまりいくら守備練習をしても軽く凌駕されてしまう。

元も子もないですが、これは真実です。

それなのにいつまでも野手はなんとなくのフリーバッティングとノックで1日を終え、投手は筋力もないままになんとなくピッチングをして満足してしまうチーム、あるのではないでしょうか。

これでは何度夏に向かっても結果は変わらない気がしています。

付け焼き刃の戦術でなく、本当の駆け引きをモノにできるチームづくりのためには、
負けたら終わりの戦いの時までに、戦力差で不利にならないチーム作りを常に目指すことが、常勝の基本であるということを孫子から学ばなければなりません。

その上で頭の戦いで相手を翻弄する、というのが現実的な戦術運営のあるべき姿だと捉え、孫子の思考に対して、より実戦向きな分析を加えられるようにしていきます!

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