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孫子野球8 「送りバント後のプレー 〜定石を逆手に取る奇策とは?〜」

こんばんは!英語と野球の先生cozyです。

今日は作戦を巡っての駆け引きについて考えたいと思います。

突然ですが、無死一塁からの送りバント。
このプレーの成功により1死二塁が作られ、バッターは3番。

想定される次のプレーはもちろん「ヒッティング」だと考えられます。

そもそも、「ランナー二塁を作り、強力な打者2人のうち1人以上がヒットを打ち得点する」ということを期待しているからこそ、日本では伝統的に3、4番に有力な打者を置いていることからも、
「ヒッティング」が想定されるのはもはや常識となっています。

今日はこの「常識」を巡って駆け引きできないかと考えました。

孫子は

「兵は詭道なり」
(戦いとは騙し合いだ)

と言っています。

相手の想定と違うことをしてこそ、主導権を握ることができるということです。

僕はこのような、送りバントの直後は
「最大のサインプレーの仕掛けどころ」だと考えます。

例えば「三盗」です。

初回1番バッター出塁、2番バッターの送りバント直後の1死ニ塁、
バッターは3番。
ここから主力打者が続くところで、相手バッテリーも一人一人を丁寧にアウトにしようとしてくるところです。

変化球からの入りも十分に期待できるケースでの、
初球の「三盗」は相手の裏をかくことが期待できます。
もし相手投手がコントロールに自信がなくストレートでカウントを取ってくるようならランエンドヒットにしても良いと思います。

あえて1番バッターに盗塁をさせずにバントをセレクトしたことも、「三盗」への警戒をかなり削ぐことができる布石になるでしょう。

このように、一見いかにも仕掛けなさそうにすることで、仕掛けやすい状況を作ることの重要性は、孫子の

「卑にしてこれを驕らせ」
(下手に出て、相手に警戒させないようにする)

という言葉でも伝えられています。
バントの裏にある「コツコツ1点ずつ」というイメージを逆手に取るわけです。

このように定石や常識があるスポーツだからこそ、
自動的に隙が生まれるのも、また野球の面白いところだと思います。

試してみたいですね!



<cozyの試合観のコーナー>
そもそもランナー一塁からの送りバントは僕は「ヒッティングに自信があるチーム」が行うべきプレーであると考えています。
なぜなら、送りバント後で狙って作られるケース1死二塁または2死ニ塁からの得点には「ヒット」が必要となるからです。
さらにランナー2塁から得点を安定したものにするためには、2塁ランナーの走塁技術も欠かせません。

よってバントを戦術として行うチームを指導するときは、しつこいくらいに2塁ランナーの指導を行います。

それに対して、盗塁→送りバントなどにより「1死三塁」が狙って作れれば、
スクイズ、セーフティスクイズ、ギャンブルゴー、犠牲フライなど、パスボールなど、さまざまなプレーで得点が可能になります。

もちろん、そのためには1回以上の盗塁およびエンドランが必要になるので容易ではありません。
だからこそ、ヒッティングに自信がないチームほど、1死三塁以上のケースを狙って作る練習をすべきだと考えています。

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