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孫子野球4 「サインプレーの成功率を上げるには?」

こんばんは!野球と英語の先生cozyです!

今日のテーマはサインプレーの成功率を上げる思考法についてです。

バントやエンドラン、盗塁など、ゲーム動かし効率的に得点するための「サインプレー」。
成功すればランナーをホームに近づけることができますが、当然相手も警戒する中で行われるので、成功させるタイミングを巡る駆け引きが重要となります。

サインプレーを相手チームとの駆け引きの中でのものと捉えるものとして考えていくと、大変参考になる言葉を孫子は残しています。

「善く戦う者は  人を致して人に致されず」
(上手に戦う者は相手の狙い通りには動かず、相手を狙い通りに動かす)

この言葉では、戦いの中での駆け引きを有利に進めるには

まず「相手の狙いを察知すること」が重要であると言っています。

例えば「一死二塁、カウントは1ボール2ストライク」。
いわゆる「投手有利のカウント」で、攻撃側を自軍とします。

相手の狙いを察知する上で重要なのは、
相手にとっての「利」は何であるかを考えることです。

カウントが整っていること、
ポテンヒットで1失点になるリスクがあること、
間を抜いたゴロのヒットなら1失点、あるいは失点リスクが極めて高い  一・三塁になってしまうことなどを考慮すると
このケースでの投手にとってのベストアウト(=「利」)は「三振」です。

それでは相手の狙いが三振であるとすれば、決め球のスライダーやフォークなどが低めにワンバウンドになるかもしれない軌道で来ることが予想できます。

これが予想できれば、打者は「低めは見送る」という準備ができるわけです。
これによりカウントは平行に戻り、打者はゾーンを少し狭めた形で待てるので打率が向上します。

このように相手の狙いを察知すれば、思い通りに動かされることがなくなります。


さてここからが本番です。
「相手の狙いを読むことで、逆にこちらの思い通りにプレーを展開させる」アイディアに発展させましょう。

駆け引きで成功を収めるための言葉があります。

「明君賢将の動きて人に勝ち、成功、象に出づる所以のものは 先知なり」
(名将が戦うたびに相手に勝ち、成功を収めるのは、相手より先に情報を得ているからだ)

駆け引きの成功には「情報」が重要となります。

例えば先ほどのようなケースが試合中ないしその他の試合でも見られると、
「1ボール2ストライクは低めのスライダーが多い」「そのスライダーはワンバウンドするくらい低い」などの情報が蓄積されてきます。

それがわかってくれば、相手が「利」を追求した時に同時に起こり得る「害」も見えてきます。

相手にとっての「利」→低めのスライダーで奪三振
相手のとっての「害」→見逃されてワンバウンドになる

そこで相手にとっての「利」にならずに、「害」につけ込む選択肢が生まれるわけです。

ここで、選手それぞれの思考は以下のようになります

ピッチャー:スライダーで三振を奪ってやるぞ!
バッター:   相手ピッチャーはこのケースではスライダーを投げるから、絶対低めに釣られないぞ。(相手の狙いどおりに動かない)
二塁ランナー: 相手ピッチャーは三振狙いのスライダーを投げるから、ワンバウンドになる。三盗が狙えるぞ。(相手を狙いを逆手に取る。「利害」と「情報」の利用)

よって、このケースなら、「三盗」の成功率がかなり上がります。

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これを応用して考えれば、

一死一三塁3ボール1ストライクでカウント球狙いのランエンドヒット、

1死満塁、フォアボールが出せないケースでの2ランスクイズなど、

相手の利害を考慮したサインプレーが可能になっていくはずです。


ここで必要な思考法をおさらいします。
・相手にとっての「利」がなんであるかを理解し、ねらいを読む
・相手が「利」を追求した時に生まれうる「害」につけ込む。
・それらを確信して行うために情報収集しておく

これらをベースにして、ぜひ成功率の高いサインプレーを考案し、試合の流れをもってきちゃってください!

ありがとうございました。


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