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#038【絵本】ぼくは川のように話す

今日もほっこり絵本の世界へ📚
絵本を読んだ記録として、感想を書いています。



はじめに

オススメ絵本として紹介されていたので、読んでみました。
まだ最近の2021年の絵本。


今日の絵本


『ぼくは川のように話す』

ジョーダン・スコット 文
シドニー・スミス 絵
原田勝 訳
発行所:偕成社


感じたこと

大きくて穏やかに流れる川ではなくて、ごつごつした岩肌が見え、渦を巻いたスポットもある濁流のような田舎の山間にある川をイメージしました。

著者は吃音のあるカナダの詩人で、幼少期の体験を描いた作品です。
人と違っていることをからかわれ笑われることは、どんな子どもの心にも深く傷がつきます。それが自分自身も悩んでいることなら尚更です。

絵本のおわりの1ページは著者ご自身の想いが述べられていて、絵本をより理解できるようになっていました。

「ほら、あの水の流れを見てみろ。おまえの話し方にそっくりじゃないか」

『ぼくは川のように話す』”ぼくの話し方”より抜粋


この絵本は実話であり、吃音で悩んでいる息子を学校帰りに川へ連れて行ったお父さんのこの一言で、その後の著者の考え方が変わります。


やはりどんな励ましや慰めも叶わないんだなぁと、その自然の姿が現すありのままの凄さに感動します。

思いどおりに、ことばがでてこないときは、
どうどうとした、この川を思いうかべよう。
うずまいて、あわだって、なみをうち、くだけている川を。

『ぼくは川のように話す』より


悩んでいる息子に、自然をもって「その悩みはきみ一人だけのものではない」ということを言葉にせず伝えるお父さんもすばらしいですよね。
それを感じ取り、自分のこととして受け取る著者も。

こうやって、「本当は何も変えていく、変わる必要がない」ということ、
「ぼくはぼくで、わたしはわたしで、いいんだ」ということを、
どの子どもたちも絵本から感じ、自分で納得していけることを願います。

自然ってすごい~^^

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