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【英語学習】フォニックスとフォネミック・アウェアネスって、なに?

"This is a pen." を習う前に

冒頭の文章を始めとして、日本では英語を習うと、いきなり英文と英単語をたくさん丸暗記します。言葉をあやつる上で最低限覚えるべき表現があるので、そのやり方は決して間違いではありません。だけど、その前にフォニックスをある程度覚えておけば、英単語のつづりを覚えやすかったのにな、と思う気持ちはあります。

早期英語教育について、色々お調べのお母さんはフォニックスというキーワードをちらほら見るでしょう。もっと調べると、フォネミック・アウェアネスという言葉も出てきます。この記事では、この二つについて解説します。

フォニックスとは?

フォニックス(phonics)は、日本語の「かな五十音」に該当するものです。「A=ア」「B=ブッ」「C=クッ」とアルファベット26文字の「音」を教えます。たとえば「CAT」をフォニックスでは「C=クッ」「A=ア」「T=トゥッ」と分解して教えます。フォニックスを学ぶことで、子どもは知らない単語でも音声化できるようになります。『世界で活躍する英語力の育て方』船津徹

例えば、"desk"という英単語を見た時に、「"ドゥエスク"、"デスク"・・・、あぁ、机のことね!」となりませんか?このように、音とつづりを一致させるのがフォニックスで、英語圏の子ども達はこうして文字を覚えていきます。

日本ではヘボン式ローマ字がフォエニックスに代わりになっている部分もあるのですが、違う所もあります。ABCのフォニックスで特に注意しなければならない部分に印をつけておきました(表の出典:『世界で活躍する〜』船津徹)。

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「U」は「ウ」ではなく「ア」。「O」も日本語では「ア」に近い。「V」と「F」は下唇を軽くかむ。「R」と「L」は日本語で「ラ行」であるが、英語では異なるなど...。イギリスの首都 "London" を「ロンドン」と発音してしまいがちですが、どちらかといえば、「ランダン」に近いのです。

2文字以上の音の規則もあります。「aw」で「オウ」("law"、"draw")。「sh」で「シ」("short"、"brash")。「ear」で「ィア」("fear"、"tear")など。

ただし、"Wednesday"を「ウェッドネスデイ」と発音しないように、フォニックスにも例外や当てはまらない単語のつづりはたくさんあります。それでも、上に紹介した音と文字のパターンをいくつか覚えておくと、英単語のつづりが覚えやすくなり、絵本もある程度自力で読むことができるようになります。

どのようにフォニックスを教えるか?

YouTubeで"phonics"と検索すれば、フォニックスの動画がヒットします。まずは、これらを見ながら子どもと一緒に練習するのがいいでしょう。

有料の教材もあります。アメリカで最も有名なフォニックス教材である"Hooked on Phonics"はレベルが1〜8まであり、10冊程度の絵本とDVDで学べるようになっています。

ジョリーフォニックス(https://www.jollyss.com)も、熱心なお母さん達の間で人気の高い教材です。基本的なことを抑えており、日本語の本ですので、英語に自信がないお母さんでも扱いやすいと思います。

フォニックスは大人の日本人にとっても、日本語にない発音を意識できる点でおすすめです。私は、英会話教室で個人的に習ったのですが、発音をよくする(それでもまだまだですが...。)のに非常に役に立ちました。お母さんの発音がよければ、語りかけや英語を使った遊びに幅が出てくるので、この機会にお子さんとフォニックスを覚えるのがおすすめです。(できれば妊娠中の自由な時期に、英会話教室などで人に教えてもらうのがおすすめです。)

次に、フォニックスに入る前にやっておきたいフォネミック・アウェアネスについて説明します。

フォネミック・アウェアネスとは

フォネミック・アウェアネスは、子どもたちにフォニックスを紹介する前に、言葉の音や音のグループに焦点をあてさせようという理論です。これがしっかりできていると、フォニックスに入って文字を教えられたときに、文字と音を結びつけるのに苦労しません。そして、単語を読む力、書く力をしっかり築くことができます。『アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている』リーパーすみこ

アメリカでは移民が多く、家では母国語で生活している子ども達に、いかに小学校で英語を覚えさせるかが重要な課題となっています。そういった移民の子を教えるために導入された、耳を鍛える英語教授法がフォネミック・アウェアネスで、以下のようなステップを踏みます(出典:『アメリカの小学校で〜』リーパーすみこ)。

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子ども向けのわらべ歌は、語尾のそろったライミング(例:back, lack, sack...)や、同じ音で始まっているアリタレーション(例:spell, space, swim...)を意識した歌詞となっているものが多いのです。こうした歌をかけ流しておくことは、英語を聞き分ける耳を鍛えることになります。

おそらく2歳未満の子どもに早期英語教育をするとしたら、唯一できることがこのフォネミック・アウェアネス(の上記step 1, 2。step3以降はフォニックスと並行して教えるような形になるでしょう。)です。現在1歳半の私の息子に対しておこなっている取り組みについては、こちらをご覧ください。

ライミングやアリタレーションを意識した絵本の読み聞かせも、おすすめです。そういった絵本で定番なのが、Dr. Seussの絵本です。YouTubeの読み聞かせ動画も豊富です。

なお、ライミングとアリタレーションを意識した絵本のリストは、以下の記事にまとめました、是非ご参照ください。

参考文献



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