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06 図解の限界 #図解のつくりかた

あらかじめ知っておきたい、図解表現に「向いていないこと」「できないこと」です。

(1)図解でないほうがわかりやすい人もいる

情報の取り入れ方には人それぞれ得意・不得意があります。図解をみて理解がすすむ人もいれば、ストーリーで語られるほうが理解しやすい人もいます。

人が情報を取り入れるパターンには、視覚・言語・聴覚があります。

・「見る情報」が理解しやすい(視覚
・「読む情報」が理解しやすい(言語
・「聞く情報」が理解しやすい(聴覚

図解06-1

図解は、視覚からの情報がわかりやすい人に向いた表現です。

視覚・言語・聴覚、どこから情報を取り入れるのがよいか、相手の得意な方法に合わせて伝え方を工夫しましょう。たとえば講義をするときに、講義スライド(視覚)、文章化した配布資料(言語)、講師による語り(聴覚)、を準備するのは理にかなっています。3つの表現が同時にあると、さらに多くの人に情報が伝わりやすくなります。eラーニング教材をつくるときも同様です。

(2)図解が適さないものがある

図解はものごとをシンプル化します。情報を短時間でわかりやすく伝えたいときに効果がありますが、それ以外は図解は適しません。

たとえばこんな例です。
時間をかけて考える行為、読む行為そのものに意味があるもの(文学など)
描かれていないものに想像力をはたらかせるもの(絵本など)

図解06-2

文学作品を図解したとして、伝えられるのは、「あらすじ」や「人物相関」や「心情の変化」のような単なる情報でしかありません。文学を読むことの本来のおもしろさ(時間をかけて思考したり想像する楽しさ)は図解では伝えられません。

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