09 図解の組立てに役立つ 基本パターン リスト10 #図解のつくりかた
図解づくりのステップ「①内容理解(15字要約)→②図解→③見やすくする」の「②図解」で、組立て(構造・配置)をどう決めていくかについてです。
図解の組立てにはパターン(型)があります。一般的なパターンは豊富にあり、多くの図解で使われています。そのなかから、よく使うものを10のリストに整理してみました。
これらは単体または複数を組み合わせて使います。型を知れば、図解の組立てを考えやすくなります。型を使えば、速く確実に相手に理解してもらいやすくなります。
パターンはここで紹介するもの以外にもたくさんあります。最後に参考図書も紹介します。
1 円で示す
形で分類してみます。まずは「円」で示すグループ。
ちなみに「ベン図」は英語で「Venn diagram」といい、イギリスの数学者ジョン・ベン氏 (John Venn) が考案したことにちなんでいるそうです。ベンは名前だったんですね。「ベン図」といえば最近は毎日これを目にします ↓
2 三角形で示す
「三角形」で示すグループです。
ピラミッドは、
・量を示す(下位層が大きく、上位層が小さい)
・レベルを示す(上位にいくほど優位に変化する)
の2通りの使い方があります。
レベルを示す場合、各層は量を示しているわけではないことに注意します。
3 四角形で示す
「四角形」で示すグループです。
「カード」は、情報・名称をシンプルに提示したいときに便利です。
「4象限マトリックス」は、それほど学術的でも科学的でもないかたちで、4つのセグメントに分ける方法です。縦軸・横軸は主観的なものでよく、抽象的な概念を視覚化できます。
4 かたちで示す
「メカニズム」、ここではシーソーを示します。重さのちがいや、バランスをとることの難しさを暗示して伝えます。
「たとえ」を用いると、伝えたい意味がさりげなく伝えやすくなります。たとえば「氷山の一角」や「進捗具合はいま何合目」ということを視覚的に示します。
「シンボル」は、万人に理解されるマークを用いる方法です。たとえば、よい悪いを示す「〇」「×」、疑問を示す「?」、顔文字、時計、人物のピクトグラム、地図など。ほかにもたくさん身の回りにあります。
5 点で示す
「点」は、存在・位置・大きさを示します。
たとえばこの集計サイトでは感染拡大の状況(どこで・どれだけ)が「点」で示されています。
6 線で示す
「線」はたくさんの使い方があります。特によく使うものを3つ選びました。
7 矢印で示す
「矢印」は、方向、プロセスの流れ、時間経過、サイズ、状態、因果関係などを示すことができます。
項目を結ぶ矢印としてだけでなく、マーク(アイコン)としても使えます。たとえば、矢印を1つ添えるだけで「出る・入る」「動く」「上昇する」「減る」などの印象をパッと伝えることができます。
8 プロセス・流れを示す
プロセスや流れを図解で示したいときには、たとえばこのような型があります。
9 関係性を示す
ものごとの関係性を図解で示したいときには、たとえばこのような型があります。
マインドマップは、流動性・ゆるいつながりを想起させます。ブレインストーミングを示したいときには有用ですが、情報・構造を整理して提示したいときには向きません。
10 グラフで示す
データをグラフにして提示することで、
・解釈がわかれることなく、情報を示せる
・確かなデータが使われている印象を与える
という特徴があります。
とくに科学的な内容を示すグラフは、事実にもとづき正確であるよう扱わなければなりません。グラフを用いるには奥深い知識が必要です。
グラフの選び方のコツをいくつか示します。
・棒グラフ・線グラフの使い分け:
「点数」や「体温」のように量をもたないものは棒グラフにできない
・線グラフ・面グラフの使い分け:
「量の変化」を強調したいときは線グラフより面グラフ
・円グラフの使い方:
円グラフは直感的に伝えるためのもので、数値を正確に示せない。正確さを出したいときは実データを添えるとよい
・帯グラフと積み上げ棒グラフの使い分け:
帯グラフは比率を比べるとき、積み上げ棒グラフは実際の量を比べるときに用いる
おわりに
以上、図解の一般的なパターンを紹介しました。パターン自体はとくに目新しいものではありませんが、よく使うものを自分なりに整理してみて、私自身の頭のなかを整理するよい機会でした。これからも、基本を振り返りつつ、新しいパターンを増やしていきたいです。
参考にした本
図解系の本のほかにも、フレームワーク思考本や、プレゼン資料本など、いろいろな本にヒントが書かれているかと思います。
私がいちばん参考になったのはこの2冊です。
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