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田舎のオバちゃん店長が、都会のカフェ学校で授業をしました

cafe COUCOU(くくぅ)を開業する1年前
中目黒にあるL'ecole vantanの
キャリアカレッジ(社会人コース)に通学しました。

週に1度、日曜だけ通う半年間。
埼玉の奥地からは片道2時間かかります。
基礎的な調理能力と経営の知識を得て
同じ開業を目指す仲間と繋がりも得ました。
そして第一線で活躍する講師陣との人脈は
今も変わらず憧れの存在で
目標として心の支えとなっています。

最初こそバンタンには相談ばかりしてましたが
10年も経てば自分の足で立てるようになり
母校は思い出に変わりつつありました。

コロナ禍の副産物

大きな災害での変化のひとつが
人間関係だと思います。

なんとなくつきあってきた人が
大混乱の中、遠くなっていたり
面識もなかったひとと
目指す目的のために急速に近づいたり。

3月末の緊急事態宣言の直後には
飲食店向けの情報共有として
とある有識者が始めたFacebookページを
大変便利に活用させていただきました。

意識高めの参加者が多かったため
デマなどに振り回されず
有益な情報を得ることができました。

少し落ち着いた頃には
母校バンタンのグループからお誘いを受け
参加することになりましたが
そこは参加者(卒業生)同士の交流や
バンタンからの求人情報が主でした。

お若いみなさんとZOOM飲みするには
田舎のオバちゃんは異色すぎて
ZOOMの参加は辞退しておりましたし
求人も、自分が店長ということで
「なるほどいろいろあるものね」
と参考にする程度でした。

ですがグループメンバーの中には
大変活躍されている方もいらっしゃるので
そういった投稿があがってくると
多少なりとも影響を受けて心躍ります。
読み物としては楽しいグループでした。

想定外の就職活動

ところがある日
SNS集客について教えられる方!
の募集記事を発見します。

駅から遠く、住宅街にあるわたしのお店は
SNSで集客したからこそ今があり
SNSが存在しなければ今が無い
と言える程です。

言いたいこと、いっぱいある!(笑)

フォロワー数○○万!ではありませんが
ちいさな個人店、単体の営業と考えれば
お客様とコミュニケーションを取れる
十分な母数は取れています。

カフェを開業する前に
料理の腕を磨くひとは多けれど
経営、特に日々のアプローチについて
しっかり学び、身に着けている人が
本当に少ないと感じています。

伝えたい。(うずうず)

冬に向かって
デリバリーやオードブル
そしてデイサービスの食事など
次々始まる企画がある中
片道2時間の中目黒に通い
授業をやる負担は大きいのではないか。

2日ほど考えて(それでもいつもより長い)
申込のメールを送り、履歴書を送り
面接を受け、合格をいただきました!

面接に合格するのって
こんなに嬉しかったっけ、って
改めて痛感しましたよ。

さてさて、53歳の秋。
またしても勢いで
自分の人生を動かしてしまいました。

担当する授業は
オバちゃんの特性?を活かして
開業レクチャーという分野に。
SNS集客もチラリ含みます。

バンタンを卒業後、半年で開業し
苦労や工夫をこらして
10年続けてきたオバちゃんの話を
お若い世代に伝えて欲しいとのことでした。

初授業

もともと人前でお話することは
大の苦手のわたしでしたが
知っている場所、という安心感と
年齢のせい? あとは仕事柄?
人前で話すことが多くなったせいか
直前までほとんど緊張しませんでした。

資料もわりと作り込んでいたし
伝えたいこともハッキリしていたし
歳をとると図太くなるものねー、と
気楽に生徒さんたちの前に立ちます。

専門学校2年生の生徒さん約7名。
20名以上の生徒数と聞いてましたが
クラスのほとんどが参加してません。

なのに、授業が始まった途端

自分の声しか聞こえないこと
だれひとり笑顔ではないこと
(知らないオバちゃんだもの)

いきなり声が小さくなり
作り込んだ資料が見えなくなり
まさかのアドリブトークを始め
約2時間、グダグダなまま終わりました。

ひとさまの貴重な2時間に
価値を与えられなかったことが悔しい。

相手のレベルや状況に合わせて
何を伝えるべきか選択せず
自分が伝えたいことばかり優先したのも
良くなかったかもしれない。

翌日も別の授業を担当していたため
お店に戻ってすぐパソコンを開き
声の出し方 内容のわかりやすさ
時間内に収める工夫に注力して
2時間かけて、授業を通しで練習。

幸い、グダグダな中でも
何が生徒さんの心を掴むか
どうすると心が動くのかを
拾うことができていたので
練習後は手応えを感じることができました。

2回めの授業

翌日の授業は16時半〜18時半。
参加者は1年生のみなさんです。
夜の授業なのできっと疲れているはずだと
ちょっとした試食をご用意しました。

昨日のこともあり
クラスの半分くらいが参加かと思いきや
27名中、18名参加。
試食が足りるか心配になります(笑)

内容的には練習の甲斐あり
スムーズに進めることができました。

何より、クラスの雰囲気がよく
明るく元気な生徒さんたちに助けられ
ほんと感謝、感謝です。

1日めの沈みっぷりもあって
2日めは授業後の足取りも軽く
マスクの下の口元は
ずっとニヤニヤしたままでした(笑)

授業前は糖質を摂らないよう
(頭の回転が鈍くなるので)
スープで軽く済ませていましたが
終了後は近くのパンケーキ屋さんで
ひとり打ち上げ大会!

夫はわたしの味方なので
1日めの失敗は生徒さんのせいだと言います。
わからなくても伝わらなくても
仕方ないよ、元気出せよと。

そのやさしい気持ちはありがたいけど
「だよねー」で満足したら
成長はストップしてしまいます。

ここは甘えたい気持ちをぐっと堪え
「わたしのせいですっ」と言い切るほうが
きっとたぶん、将来幸せ。

いつももっと幸せになる方法があると
欲張りに探しながら、余生を過ごしたいです。

講師をするメリット

さて、今回の講師料ですが
公にはしませんけれど
交通費と、ひとり打ち上げ代を引いて
授業の構成を考える時間を考えると
とうてい見合うものではありません。

それでも講師未経験のわたしに
これだけの場数を積ませていただける
この状況はチャンスとしか思えず。

これからどう展開しようかなー
これからどう活用しようかなー

いろいろ妄想がめぐります。

何より53歳にもなり
お店を10年も続けてきて
こんな新しいチャレンジを
ドキドキしながらやれることが嬉しくて

わたし、いつ死んでも
大満足な人生だなと思います。

できれば達成してからがいいけど(笑)

来週もがんばってきます!

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