生まれた場所について

北海道札幌市で生まれて、ずっと住んでて、最近は小樽だけど、札幌で生きてた。

最初の方の記憶は、病院のベッドに寝てる祖母の横に置かれてた。寝てる時の夢みたいに外から自分自身を見てる記憶が幼い頃は多い。

自分に息子が生まれ、まだ小さな身体の息子を見てると時々、自分の幼い頃にあまりにも似ていると感じる。
外から自分を眺めていた記憶と重なるのね。
息子はそれを知っているみたいに、優しく僕に笑って、顔に触ってくる。
ああ、小さな神の魂に触れていると確認する。
生まれる前、彼はお父さんを守ると宣言した。
お母さんでもなく、家族でもなく、お父さんを守ると宣言して、1時間でバッと出るよと言って生まれた。
あの時は僕がお母さんのために苦しくないように生まれてくれよってお願いしたから、やっぱり息子は僕を守ってくれてるんだな。

僕はそんな使命もなんにもなかった。
ただ生まれた。
人間にも動物にも植物にも虫にも自然にも馴染めないで生きてた。
まあまあな都会に生まれた。
誰かといるのも面倒で喋るのも嫌で、ただじっと僕にだけ見える景色を楽しんでた。

社会、世間に属さなければならないと言われた。
自分はそれが嫌だった。
まるで意味がわからなかった。
いつも周囲からあふれてたのに、あふれるつもりはなくても、混ざれなかったのだから、必要ない。
それは今も変わってない。
でも自分が選択した世界には理解者がいて、仲間がいて、恋人がいて、少しずつ友達ができて、子供も生まれた。僕は僕が選んだ世界で満たされていた。

様々な痛みや、絶望や、面倒くさいや、どうでもいいに隠れて、満たされていたのだ。
隠れているのは、なんでだ、せっかく満たされているのに隠れてたら気持ち悪い。
どうやったらこの霧は晴れる?

まあまあな都会。

ああ、そうだよ。

僕は霧に隠れてしまう自分自身を赤裸々にしたいのだよ、昔から表現してきたものはそうだよ、今度は自分自身を表現物にしてやろって思ってる。

まあまあな都会が霧。

まあまあな自然でありたい。
満たされたものを赤裸々にしたい。

外から見てる俺様と交じり合ってしまおうと決意。

今は生まれたとこで、どこまでいけるか、格闘中。

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