中小企業診断士=医者とするなら、病院=コワーキングスペース、スタッフ=看護師という関係性だってありなのではないかという話
コワーキングスペースをやるにあたってお世話になっていた、よろず支援拠点という、経営の立て直しとかトラブルなどの相談を無料でできる場所として各都道府県にある。そこで相談にあたってお世話になった人の言葉で、こんな言葉があるので、まずはご紹介したい。
「私は中小企業診断士という資格を持っていまして、例えて言うと会社経営の医者みたいなものととらえていただけるとありがたいです。」
私の親というのも、主に船舶関係の修理や電気関係の工事を手掛けていたので、船のお医者さんという風にざっくり解釈していたのもあるので、この表現というのはしっくりきたことがある。
そのイメージから連想して、利用のされ方とかとも整理した場合に、中小企業診断士やよろず支援拠点が会社経営の医者という表現をした場合に、いずれコワーキングスペースは病院や新生児室、コミュニティマネージャーは看護師といった関係性のイメージを持つような利用のされ方というのがあるのかなという気はしている。よく創業支援を目的としたコワーキングスペースが運営をされていることは前にも述べたが、経営の立て直しや既存の事業から別の新規事業を立ち上げて軌道に乗せていくまでの支援というのもコワーキングスペースを通じてできるため、応用的に事業再生・経営再生という意味合いにおいても「街の事業の再生工場」という形の役割が担えてくるのではないかと、ちょっとした仮説として考えている。中小企業診断士さんやコミュニティマネージャーさんの顔が見える開かれた空間内で診察するようなイメージで、経営相談や判断、戦略を練ったり、コミュニティマネージャーさんなどを通じてたまたま来た別の事業者さんに販売や業務提携などを検討していったりすることで、以前のように別にテナントを借りても大丈夫な経営状態に戻していく。正に事業所の病院のようなイメージである。
コワーキングスペースを通じて何気なくやっていた副業が本業の会社の屋台骨を支えることになるかもしれないし、通っているフリーランサーやフリーターの人と結んで何か仕事を手掛けることで雇用につながるかもしれない。こういった可能性を秘めているものの、なかなかこの視点からコワーキングスペースやコワーキングの在り方を語る人が世界を通じていないのが悲しいところである。まあ「このコワーキングスペースには、経営的に悪い事業者さんが多く入っている」というのを売りにしたり評判にされたりすれば、事業者にもスペース側にも相互のイメージダウンになる可能性があるので、無理もないといえば無理もない話ではあるのだが。
最後にこれはあくまでも可能性としての話なので、それは違うのではという意見はそれで尊重したい。別のジャンルだと言われればそうなるのかもしれないし。とはいえ、先の見えない社会を生きていこうとした場合に、可能性として残したいし、世界の中で誰か挑んでほしいなとよく思うことはある。