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コワーキングやコワーキングスペースの活用法について、よさこいチームを作るとして説明してみた

コワーキング(coworking)とは、「異なる職業の人が集まってひとつの場所を共有して一緒に仕事する」という意味になります。しかしそれだけでなく、そこに集まった人同士でコミュニケーションを積極的に取ることによって知恵と情報をシェアし、仕事の質を高めていこうという発想のワークスタイルです。

フリーランスとしてひとりで仕事をする際に孤独を感じてしまったり、仕事や人生の方向が軌道修正しづらいといった悩みが、全然別の仕事をしている人と空間を共有することで、一気に解決してしまった。また、仕事の疲れを癒す雑談などから始まったコミュニケーションが、新たな発想やアイデアを生んだ。あるいは、営業でふらっと立ち寄って自己紹介や販売している商品やサービスを紹介したら、飛ぶように商談が成立した。そのような体験が積み重なって、コワーキングという働き方やそれができるスペースであるコワーキングスペースが、全世界で注目を集めています。

そこで例えば、よさこいのチームを始めたいと考えていたとして、コワーキングスペースに行ったとします。予約なしで来られる方がお互いに楽しい時間を過ごせてとってもいいのですが、事前に問い合わせをしても大丈夫です。そこにはコワーキングスペースのスタッフがいまして(常連さんである場合もありますが)、まずはその方に利用料を支払います。そのときに「よさこいのチームを作りたいんですよ・・・」とお話をします。そうすると当然ですが「よさこいって何ですか?」という反応が返ってきますので、そこでyoutubeでその様子を紹介するなりチームのコンセプト、人を集めたいとか解決したい問題があればそれを書いた資料をスタッフに紹介します(ということを見越して、名刺と紹介したいものについての資料や物品とかは持ってきた方がなおいいです)。他に利用者がいる場合にはスタッフさんが声をかけて、利用者同士で情報共有するところもあります。そして紹介が終わると、スタッフや利用者さんから紹介したことに対して始めるにあたって、いろんな意見が出てきます。

「おお、俺も踊ってみたい!」
「面白いね。知り合いに振付やっている人がいるけど、その人紹介しようか?」
「あたしデザイナーやっているけど、衣装のデザイン考えてもいい?」
「ちょっとフリーペーパーやっているけど、募集の案内かけるよ。どう?」
「おれ、高校の時応援団だったんだ。声出しならやってもいいよ!」

ここでポイントなのは「やめた方がいい」とかという意見は出ないことです。コワーキングスペースにいる人全体で、やろうとすることに対して協力していこうという空気でどんどん話が進んでいき、よさこいチームの骨格ができていくわけです。また、広いスペースが確保できるコワーキングスペースでは、そこを使って練習場所にもできたりします。それをコワーキングスペースに訪れて何度も重ねていくうちに、短期間で立派なよさこいのチームが作れ、お祭りにも参加できるようになるというわけです。

とはいえ、コワーキングスペースには常に上にあるような利用者さんがいるとは限りません。そこで、利用者さんの自己紹介カードというのをスペースで作っています。それに書いたものを掲示板に載せて、何をやっている人がここに来ているのか分かりやすくなっております。それを見て面白そうだ、会ってみたいということになれば、書いている電話やメールで連絡したり、よく来る曜日に合わせて来てコンタクトを取ったり、コワーキングスペースを使って打ち合わせをしたりしていきます。

通常と比較して、よさこいのチームを作りたいとなったとき、従来だと誰と誰をカフェとかどこか集まれる場所に呼んでミーティングという具合に形式ばるような感じで進めていったりします。それがコワーキングスペースだと、このようにイベントやるよ、打ち合わせ開くよと言って始めるよりも形式ばらず、より早く自然に協力者が集められるというわけです。「コワーキングができますよ」というカフェやレストランもちらほらありますが、見ず知らずのお客さんに対していきなり自己紹介やプレゼンしたり、しゃべくりながら長々と仕事をしたりするというコワーキングの重要なポイントをカフェやレストランでやると、やってる側も恥ずかしいしお店側もかなり迷惑なはずなので、本音としては「コワーキングできますよ」という宣伝はすべきでないと思います。

この一連の流れをパーティーにしたのが「JELLY」といい、コワーキングスペースではよく行われているイベントです。この名前はカラフルな色のグミ菓子「JELLY BEANS」が由来で、様々な色(職種)の違う人が集まることで、素晴らしい味の商品(空間)が産まれていることから名付けられたものです。「異業種交流パーティー」という風にも訳していたりしていますが、利用者さんが世界中のコワーキングスペースに行って恥をかくようなことがないように、あえて「コワーキング」「JELLY」という言葉を使うことにこだわっています。具体的にどんな内容になるのかは参加者次第というのも大きな特徴で(ちょっとしたテーマを決めて開くことも多いですが)、自己紹介から話題がとんとん拍子に進み、終わってみればワークショップっぽい内容だったり、ただの飲み会だったって内容だったりとよく様変わりします。そのためコワーキングスペース関係のイベントでJELLYと書いていたら「仕事や作業をしながら、何か面白い発見や仲間ができて、なんか楽しいし、次の仕事にもありつけそうなパーティー」をやるという風に解釈してもらえればありがたいです。

そのようなことができるために、コワーキングスペースではいくつか大きな特徴があります。

・Wi-Fiと電源があり、Skypeなどしても快適に利用できる。
・場所によっては、3Dプリンタ、卓球やヨガ、ボルダリング、結婚式、お笑いライブができるところもある。
・数時間で500円、1日通しているだけでも1000円前後と利用料金がかなり安く、出入り自由である。
・一月単位で借りることもでき、スペースを確保してオフィスとして使う会社もある。
・もちろん事務所としての登記や郵便物の取り次ぎもできる
・スペース内で物を売ることも、簡単に教室やセミナー、ワークショップ、ライブ、お店を開くこともできる。(モニタリング
・スペース内で開発したゲームや商品などを他の利用者さんに試しに使ってもらい、使ってみての感想や意見を直に聞くことができ、その意見を基にゲームや商品を(場合によってはその場で)改良することができる。
モニタリング
・モニタリングを繰り返していくことで、質の高い商品を生み出すことができる。
・ゲームや商品だけでなく、会社や事業の方針なども意見交換することができる。
・仲間や多くの知り合いができる。
・常連さんでも一見さんでも公平に利用することができる。
・仕事の意味が変わる
・知識と技術の共有ができる
・仕事のパートナーができる
・様々な職業に関する内容や悩み、その地域の現地情報がつかみやすく、新たなビジネスチャンスを発掘しやすい

特に不動産関係の資金がネックになって起業や事業の進出ができないケースが多くあります(私もこれで結構苦しめられましたが)が、貸店舗・貸事務所の家賃で10万円以上かかるものが1~3万円程度で済んだりする、なおかつ利用者の意見を取り入れることでより精度の高い商品やサービスを生みだし提供できるという意味で、これから街に1つコワーキングスペースは欠かせなくなるとみています。大都市圏に今は多いですが、コワーキングスペースが地方にあることで地方での商業展開についての意見交換やモニタリングから営業活動をしやすくなるというのも、地域におけるコワーキングスペースの大きな特徴でもあります。実際に、この前岩手の某企業が仙台のコワーキングスペースを1日貸し切ってメイドカフェをオープンし、仙台での需要を見極めようとしていたということがありました。そのためコワーキングスペースは起業支援やフリーランスの方が良く利用するスペースだとネットニュースなどでよく見かけるのですが、そういうわけではなく一般の会社員や営業マン、主婦や学生も広く利用できるのです。

コワーキングスペースは、このようなスペースの空気や設備、運営者や協力者などの努力によって「結果として利用した人が儲かる場」となるわけです。しかも儲かるだけでなく「楽しい時間を送りながら働くことができる場所」「利用者が社会人としてさらに成長できる場所」と大きなおつりも返ってくるわけで、そんじょそこらの公共施設や就労支援・復興支援の団体よりもはるかに社会的効果が高く、多くの人が幸せになれる場所だと実感しています。そのため私はたとえ生活が苦しくなったとしても、どうしても盛岡にコワーキングスペースを作らなければならないし、できる環境を維持していかなければならないなと感じて、このように動いております。本当に今も苦しいし何度も一回やめようかと思ったりしていますが、ここで辞めたらこの地域が廃れると実際に行って感じたので、意地になってやってます。

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