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積みゲー役者のコラム⑤最強ゲーム機の話をしよう

世間と主観のズレを肌で感じることは今に始まったことではないが(70本ゲーム積んでる時点でね///)今日はゲーム好きとしてどうしても声を大にして言いたいことを綴ってみようと思う。

そもそもなぜこれだけのソフトを手元に抱えているかという話をまだしていなかった。文字通りパッケージのソフトを目の前にブッ積んでいるわけではない。もうそれは売っちまえって話である。

そう、我が積みゲーの多くは所謂ダウンロード版なのだ。ソフトの入れ替えをする必要もなく、思い立った時にいつでも遊べるDL版はめんどくさがりの味方なのだ。

ことの始まりは7年前、ある最強ゲーム機を手に入れてしまったことから始まる。もうこれは人類最大の発明、萌えとノスタルジーを掻き立てるリーサルウェポン、ゲームハード界の宝とも言える。

ハードの垣根を超えた豊富なソフトのラインナップ、タッチ機能にも対応した巨大なディスプレイ、なんとも愛くるしいフォルムをしたそのゲームハードとは

PSVitaだろ常考。

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異論は認める。しかしこれほど優れた携帯ゲーム機を割とマジで自分は他に知らない。決して逆張りじゃない、待って、説明させてほんと。

まずこのかわい子ちゃんはPSPの後継機として2011年にリリースされた。低価格化のために一度だけ大幅なモデルチェンジをした以降は、E3開催の度に新型の噂が囁かれながらも、使い切れなかった機能と隠れた名作タイトルを残して10周年目前の2019年に出荷を終了。懐かしのゲーム機の仲間入りを果たした悲哀のハードである。

プレイステーションのデータベース的存在

おそらく感の良い人は何を言いたいかわかるかもしれない。プレイステーションストアには「ゲームアーカイブス」という項目があるのを知っているだろうか。過去にプレイステーションで発売されたタイトルを600〜1200円前後でダウンロードできるサービスだ。これが単価が安いので軽い気持ちで買ってどんどん溜まっていくのよ…現在の積みゲーの半分が実はこれ。

もちろん全てのソフトというわけではないが、その数なんと初代プレステだけで約780本。元々の本数が多いとはいえすごい数字だと思う。数千円あればプレイステーションの歴史をざっくりではあるが一通り体験することができる素晴らしい機能だ。中にはパッケージ版にプレミアがついているものまであり、先輩ゲーマーとの話で興味を持ったレトロゲームを気軽に遊べるのでコミュニケーションにも非常に役に立った。

(ちなみにPS2のソフトもアーカイブスにあるがこれはPS3にのみ対応。そりゃねぇぜ…)

そしてこのアーカイブス、PS4は非対応。手頃な価格でレトロゲームを遊ぶにはPS3かこのVitaを用意するしかない。さらにはPSPでリリースされたダウンロード版ソフトはほぼ全てVitaでもプレイすることができるため、遊べるソフトの数は軽く千を超えるすごいハードなのだ。

偏りすぎているが魅力的なソフト群

Vitaオリジナルのソフトも多数出ているがとにかくジャンルの偏りがすごい。言葉を選ばずに行ってしまうと若干「拗らせている」タイトルが多い。…わかりにくいか、んじゃ言葉を選ばずにいうね、割とキモヲタ向けのゲームばっかりなの。

ギャルゲー、乙女ゲーをはじめとするノベルゲームが大半を占める他、RPGやアクションでもなぜかどれも美少女キャラが全面に押し出されているものが多く、そこからもメインユーザーの層が非常にわかりやすい。

だが前の記事でも書いた通り、ノベルゲームは名作が多い。PS2終了後は18禁ゲームのコンシューマー移植はこのVitaが主戦場となり、上質なノベルゲームを数多くプレイしたい人には必須のハードと言える。

勿論それ以外にもペルソナ4の完全版、「ペルソナ4ザ・ゴールデン」はVitaでしかプレイできないし、ヴァニラウエアの横スクロールアクション「朧村正」も他ハードへの移植がされていない名作ゲームだ。

随所に見られる新たなゲーム体験への意欲

そもそも今では普通となっている他ハードとのマルチタイトルを始めたのもこのハードが先駆けといっても良い。さらにDSでもブレイブリーデフォルトくらいしか有効に使えていなかったカメラを使ったAR(拡張現実)機能や、それ以上に有効活用されなかった背面に設置された第2のタッチパネルなど、ゲームの新しい可能性と遊びの幅を広げてやろうという野心だけはギンギンに伝わってくるテクノロジーの塊なのだ。

結局自分も背面タッチパネルは閃乱カグラでの本当に頭の悪い使い方(知りたい人はぜひググって)でしか活用しなかった残念機能ではあったが、開発当時のクリエイターがどんなゲームを想定して実装したのかはとても気になるところ。

ただしメモカ、テメェはダメだ。

唯一にして最大の問題点だ。これに関しては頭をかかえるしかない。

PSVitaにおいてセーブデータやゲームそのものの保存に使用するメモリーカード、これが曲者で独自規格な上に新品の流通がほとんどない。つまりいくら予備の本体を所持していようがメモカが逝ったら一環の終わり。Sonyよ、そういうとこだぞ…。

技術は進んでも思い出はそのまま

ゲーム自体は時代とともに進化を続け、最新技術を集めた名作もいつかはレトロゲームの棚に移動し、スーパーポテトの店頭に綺麗にパッキングされた中古が並ぶ。

ただいくら古くなろうと、欲しかったけど買ってもらえなかった無念や、仕事があるのに夜を徹してエンディングまで駆け抜けた思い出はいつまでも残る。それにヲタクたるもの、自分の追いかけているシリーズの原点は手元に置いておきたいものじゃない?

好きな作品はいつまでたっても好きだ。ハードの生産終了とともに遊べなくなるのは当然と言えば当然だが、古いアルバムを見るように思い出のゲームをプレイしたい衝動は年齢を重ねるごとに頻繁に訪れるようになる。そんな如何しようもない、どうでもいい欲求を「しょうがねぇなぁ」と引き受けてくれるVitaに自分は愛着を持たずにはいられない。

ゲームは映画や音楽に比べて、古い作品に触れるハードルが高いからこそ、こういうハードは今後も大切にしていきたいと思うのだ。

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