積みゲー役者のコラム④ノベルゲームの魅力とジレンマ〜ジレンマ編〜
③に引き続きノベルゲームの話。
昨日はただひたすらノベルゲームの良いところを羅列しただけの記事になってしまったのである意味ここからが本番。
大量の積みゲーを抱えて確信した。確かに素晴らしいジャンルだが正直な所、短期間のノベルゲームの消化は現実的ではない。というより一番向いてない。ぶっちゃけ俺はできない。
前回を踏まえて、どれだけ積みゲーを加速させる魔のジャンルだということが少しでも伝われば嬉しい。
単純にめっちゃ体力使う
多分1番の原因がこれ。
ノベルゲームは基本的にただ文章を読み進めていくゲームだ。ほとんどの作品でキャラクターの方から喋ってはくれるが、ちゃんと読まずに大事な部分を読み飛ばしてしまうと後々必ず後悔する。常に頭を働かせていないといけないのだ。
アニメやドラマをBGMにレポートやダンジョン周回などの作業をしたことがある人ならわかると思うが、文字や音声の情報はながら作業だとびっくりするほど頭に入ってこない。一見地味に見えるが、実は他のジャンルと同じかそれ以上に体力を使っているのがこのジャンルの恐ろしい所だ。
基本的に周回プレイが必須
ゲームの特性上しょうがないのだが、ほとんどのノベルゲームは途中主人公の行動に応じてストーリーが分岐し、違う結末へと向かっていく。平均して一つの作品の中に大体5〜7つのエンディングが用意されている。
そして同様に多いのが「隠しエンディング」や「真エンディング」と呼ばれる、物語の伏線が全て回収される一番気持ちいいエンディング。それらを見る条件は大体「通常のエンディングを全て見る」といったものだ。
ストーリーの分岐が起こるタイミングは作品によって様々だが、しっかり作品を楽しむためには同じ話をなんども繰り返す必要があり、その分だけプレイ時間は延々と長くなっていく。
勿論この周回プレイを快適にするために既読の文章を高速で送ってくれるスキップ機能がほとんどのゲームに実装されている。しかし作品が好きなら好きな程、スキップせずに律儀に読んでしまうのが人情。しかし時には自分がダレる前に先に進むという選択も必要だ。じゃないと次の項目みたいになっから。
モチベーションにムラができやすい
良い作品であっても全てのキャラクターを愛せるゲームはなかなかない。かくいう自分もサクラ大戦3のコクリコを例外としてロリキャラ全般にはあまり興味がわかない(大抵どの作品にもロリショタキャラと育ちが良くて言葉遣いが丁寧なキャラクターが必ず一人ずついる。)どんなに脚本が好みだとしても辛くなる瞬間は訪れるものだ。
そして不思議なのが一旦手が止まると再開するのにめちゃくちゃ時間がかかる。ゲームの起動すら億劫になる。周回を重ねてきたが故に全エンディング回収までの大まかな所要時間の算段がついてしまうというのもあるのだろう。これは無理矢理にでも進めないとずっとだらだらしてしまうので思い切ってコントローラーをもう一度握ろう。大丈夫、その先にあるエンディングはきっと素晴らしい。
飽きづらくするためには攻略の順番も非常に重要。興味のないキャラクターのルートばかりを序盤に攻めると確実に飽きる。推しとそうでないキャラクターを交互に攻略していくのがストーリー完全制覇への最も確実な方法だ。
え?進めていく途中で推しが変わった?それがノベルゲームの醍醐味だよ。ようこそこちら側へ。
次を早く買わないといけない理由がある
ここまで読んでくれてる人がどれだけいるかわからないが、「色々言ってるけど、だったらクリアするまで次を買わなきゃいいじゃん」という意見が出てくるかもしれない。
と思うじゃん?
このジャンルのゲームにはほぼ必ずと言っていいほど「限定版」というものが存在する。限定版は限定版。すぐに買わなければ二度と手に入らないかもしれないのだ。作品によっては限定版でしかサウンドトラックが手に入らなかったり、そもそもマイナーなメーカーでは発売以降グッズ展開がないものもある。だからピンときた作品はとりあえず限定版を買ってしまう。ハマってからでは遅いのだ。
結論:時間をかけてじっくりプレイしよう
まぁ、結局これです(おいお前正気か)
積むのを恐れて変に駆け足になるくらいなら、増えていくソフトを眺めながら1つの作品をしっかり味わった方が絶対に良い。クリエイターが心血注いで書き上げた膨大な文章や音楽、キャライラストにはもれなく愛と魂がこもっていて、長編小説をも時にしのぐ物語体験は決して時間の無駄でもなんでもなく自分は大好きだ。
この壮大なジレンマを持った愛すべきジャンルを今後もきっと文句を言いながらプレイし続け、時には深夜にコントローラーを握りしめて号泣しちゃったりするのだろう。
余談
ちなみに直近では「俺達の世界わ終っている」という作品を約1年の放置期間を経て全エンディング制覇した。もうなぜ一気にやらなかったのかと後悔するくらいの名作だったので、もしこれを読んでノベルゲームに少しでも興味を持ってもらえたのなら是非プレイしてみてほしい。
PS4とSwitchにも移植されたので是非とも。おすすめです。これ単独で記事書けるくらいハマったのでもしかしたら書くかも。
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