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【音楽×珈琲 鑑賞録】3月31日~フランツ・ヨーゼフ・ハイドン 「神よ、皇帝フランツを守りたまえ」

音楽観を鍛える鑑賞録。
3月30日のテーマは、【謎】

とりあげる作品は、
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン /
「神よ、皇帝フランツを守りたまえ」

です。

ハイドンの名言
"When I think upon my God, my heart is full of joy that the notes dance and leap from my pen."
「神について考えると、音符が踊り、ペンが跳ね上がるような喜びに溢れてきます。」
 

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
Franz Joseph Haydn
1732年3月31日 - 1809年5月31日
古典派を代表するオーストリアの作曲家

「ロンドン」「驚愕」以来のハイドンです。
今回は、
『神よ、皇帝フランツを守り給え』(Gott erhalte Franz den Kaiser)です。

神聖ローマ帝国、オーストリア帝国の国歌。のちにドイツ国歌『ドイツの歌』として転用されています。大曲感のあるメロディが美しく、高貴さと神聖さが受け取れます。
エピソードは、
イングランドの『神よ国王を護り賜え』(God Save the Queen)を聴いたハイドンが、オーストリアにも同様の国歌があればと述べたことを契機に作曲が進められました。
作曲が進められていた1809年、ナポレオン軍にウィーンを占領された際には、怯える使用人を鼓舞しようと、ハイドンはこの曲をピアノで弾き続けたそうです。
この占領から3週間後にハイドンは亡くなってしまいますが、最後まで周りの人々を大切にし、心から神を信奉していたのだろうと推察されます。

ハイドンの言葉には、「神」に対するものが多いのも時代と人柄を表しています。
音楽は閃きによるところが大きいので、ことさらその存在を重視していたのも頷けますが、その「絶対観」と、脅威に対する「救済」を求めていたことが、この時代のグルーヴになっている気がします。
旋律の荘厳さ、人々の気持ちを奮い立たせる躍動感。
そのときに必要な音を模索した結果、この音楽が出来上がっていると思えます。

そう翻すと、
いまわたしたちの時代を表す音を見つけることが大切に思えます。
それをいくつも積み重ねて音楽にする。
個人を通して社会の思想全体みたいなものが形成されて出てくることに努めること。
意義のあるライフワークに勤しむことができるかもしれません。

年度末、そして2021年は最高吉日でもある本日。
いまわたしたちが紡げる音というものを編み出し、築き上げていくのにふさわしい時です。
時代に習い、いまの音を生み出していきましょう。

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