豪雪明けの観測、温泉、その風情
『くるみの木』
2024.2.6
都内でも積雪するほどの大雪が降りましたね。
ふだんはほとんど雪が積もらないような、私が住まう長野県東信地区の地域でも交通障害を起こすような20cm以上の積雪に見舞われ、多くのトラブルが発生。昼を越えても路面はガタガタでしたが、少しずつ日常が取り戻されていく様子がありました。
こうした大雪で思い返されるのはちょうど10年前の2014年。
「あのときはヤバかった」と毎年雪が積もるたび、口々に語られます。
界隈では「2014年の大雪、2019年の台風19号」がその脅威にさらされるたびに思い返され、気を引き締めさせられます。
あれから10年。
「10年に1度の大雪」が来たか・・・と心配する時間を過ごし、低気圧が去った後は始末に追われ、晴れ間が見えたころあいで、「あの場所」へ行ってみる。
今年もすばらしい景色が観れました。
新雪の深雪を踏みしめ、スタンドアローンのくるみの木をとらえる。
未加工でこの景観。
あいかわらずの威風堂々さに嬉しくなります。
ところが、近づいてふと気になる部分が。
枝木が折れて少し痩せた印象に。
↓下は以前同じ場所で撮った写真。
なんだか老いていくさまのような。
それでいて凛々しくて、気骨さを感じさせる風情が出て、むしろより格好良くなった気がします。
季節ごと、自然のさまざまな様相を表現するすばらしい被写体ですが、場所柄配慮のいるところなので、特別なとき、サッと行ってサッと撮ってサッと去るようにしています。
また次に来るときは、独りでも勇壮と気高く、威風堂々とした人格で対峙できるように。
より一層の自己研鑽を重ねていこうと誓う場所にもなっています。
『アートヴィレッジ 明神館』
ふだん使わないような筋力・気力を使ったため、癒されに温泉へ。
長野県東御市八重原にある温泉宿、『信州八重原温泉 アートヴィレッジ明神館』です。
こちらは宿泊施設ですが、日帰り温泉もやっています。
いつものように泉質をご紹介しましょう。
泉質: ナトリウム・カルシウムー塩化物泉
泉温: 55.5℃ (使用位置 42℃)
pH値: 7.91
メタけい酸: 46.2mg
こちらの温泉、源泉かけながしがベーシックなのですが、注意事項に温度が高いので加水することもあるし、温度を保つため加温することもあるし、衛生管理のため循環ろ過も塩素系薬剤も使用しています。とちゃんと正直に記載されてあります。
サウナもなく、シンプルな内湯と露天、洗い場があるだけなので、個人的には行く機会を持たないままでいました。
以前訪れてからだいぶ時を経てみて、なんとなく来訪し、近隣の温泉施設とは一味違った魅力があることに気づかされたのは、この施設が"アート"を標榜していることからでした。
よくある温泉施設や宿泊施設の風情はありながら、コンセプトがアートにあるため、佇まいが美術館ぽい。コンクリート打ちっぱなしの雰囲気、内装のデザインもさることながら、景色が一枚の絵画鑑賞のようなものに観えます。
特に露天から観える景色が特筆したいもので、檜の枠を境に浴槽から湯が滴り流れていく景色はえもいわれぬ情緒を見せてくれます。これは白樺リゾートの「湖天の湯」でも体験した感覚ですが、こちらはよりミニマルに美しさを観せてくれます。
またガラス窓などの外界を隔てるものがない露天風呂だからこその風や音、浅間連峰を望む自然の雄大さを観せるしかけがみごと。
たまたま隣で入っていた外国の方も自然なアルカイックスマイルを湛えていて、あぁこれは素晴らしいんだな、と感じ入りました。
木枠に座るおじさんでも絵になっていたくらいです。もしこれが遠方から来た先の初訪問温泉だったとしたら、大いに感動したことでしょう。
近隣に「あぐりの湯」や「御牧乃湯」、「権現の湯」など利用しやすくてサウナもあるいい温泉施設がありますが、このアートを携えた雰囲気のある「明神館」は、静穏に美しい景色とお湯を堪能できれば、他では味わえない感動を得ることができるかもしれません。
入浴してから６時間を経て記事にしているところでも肌の質感よさに驚いているくらい良い湯質というのも附記しておきます。
この温泉施設での経験を経て、周辺に住処をこさえる人たちがけっこういらっしゃる理由も納得できます。
自然と共生して暮らす。
クオリティライフ誌でありそうなワードですが、すべての生物は自然と共生して暮らしています。ときに抗いようもない事象にみまわれることがありながらも、「自然と共生して"在りたい自分"で暮らす」ことを大切にしていきたい。
こうした厳しい自然と美しい風情をたたえたものに触れながら考えて、実現していきたいものですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？