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「論文検索サイト」を比較してみました ーGoogle Scholar、J-STAGE,CiNiiの違いー

少し前に「はじめての方の論文の読み方・探し方」勉強会というものを、大学院の仲間向けに実施しました。

内容は、「強み論文100本ノック」などで個人的に読み進める中で、論文をどのように探して、読んで、まとめると役に立つのか、を自分なりに言葉にしてみるという試みです。

 「論文の読み方・探し方おすそわけ勉強会」のメリットは、素人に毛が生えたくらいの私が、ほどよい情報量でお伝えするため敷居が低いのが魅力の勉強会でした(と勝手に思っている)。

ただ、言葉にしてみると次の疑問も湧いてくるもの。今日は、そのお話の続きでございます。


「論文検索サイト」の特徴の違いとは?

勉強会を行う中で、ふと疑問に思うことがありました。その一つが、「論文検索サイトの特徴の違い」です。

私は主に、「Google Scholar」の愛用者です。
しかし、論文検索サイトは、他にも「J-STAGE」「CiNii」などがあることは理解はしていました。ただし、あまり積極的に使っていませんでした。

「はて、その違いとはなんだろうか・・・」と思いましたので、今日はそれらの論文検索サイトについて、それぞれの違いを(あくまでも私の主観ベースではありますが)整理してみたいと思います。

(ちなみに、「プロアクティブ行動」というキーワードを同じようにそれぞれのサイトに入れてどのように結果になるのかも見てみました。そちらも本文にてどうぞ!)

その1「Google Scholar」

まず、Google Scholarです。
もはやスカラー先生と呼ばずに入られないくらい、お世話になっているサイト。特徴ですが、以下のように説明がされています。

Google Scholar では、学術専門誌、論文、書籍、要約など、さまざまな分野の学術資料を検索できます。また検索できる記事は、多岐にわたる学術出版物や学会論文のほか、ウェブ上で閲覧可能な学術資料も含まれています。

GoogleScholarに当たれば、どんな文献もヒットするので、最も網羅性が高いと感じます。

こちらの検索窓に「プロアクティブ行動」といれると、合計11,300件との検索結果が表示されました。後でJ-STAGEとCiNiiもありますが、その数は圧倒的です。GoogleScholarの特徴は、以下の3つかと思います。

<GoogleScholarの特徴>
1)世界中の学術資料にアクセスできる
(今回も11,300件と圧倒的)
2)論文まとめツールの「PaperPile」を拡張機能として付加できる(ボタンを押すだけで、論文をストックできて便利)
3)被引用数・PDFの有無などが一覧ページで確認できる(しっかり読むかを判断する情報が一覧で見えるのは大変便利です)

実際に「プロアクティブ行動」と検索すると以下のように表示されました。
「PaperPileボタン」「PDFの有無」「被引用数」などが一覧で表示されており、やはり使い勝手が良い印象です。

その2「J-STAGE」

次に、J-STAGEです。J-STAGEの特徴ですが、以下のように紹介がされています。ポイントは、「日本の学会から発表される科学技術の流通を中心」としているところ。

【J-STAGEとは?】
「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)は、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォームです。J-STAGEは、日本から発表される科学技術(人文科学・社会科学を含む)情報の迅速な流通と国際情報発信力の強化、オープンアクセスの推進を目指し、学協会や研究機関等における科学技術刊行物の発行を支援しています。
現在J-STAGEでは、国内の1,500を超える発行機関が、3,000誌以上のジャーナルや会議録等の刊行物を、低コストかつスピーディーに公開しています。

https://www.jstage.jst.go.jp/static/pages/JstageOverview/-char/ja

J-STAGEの特徴は、以下の2点かと思います。

<J-STAGEの特徴>
1)「日本の学会」の刊行物が中心であること
(まずは日本の研究から探すのであれば便利)
2)「査読あり/なし」「学会ごと」等で資料の絞り込みができること(学会ごとに信頼性の違いなどもあり、その点に注目されたい場合は有効)

「プロアクティブ行動」について検索をかけてみると、合計90件ヒットしました(査読ありは70件)。こんなイメージです。

そして「学会」ごとに、いくつの資料があるかも表示がされているのが特徴です。(私は学会に所属していませんが、学会ごとに論文にも特徴があるそうです。たとえば、「組織行動学会→アカデミックがかなり強い」「経営行動学会→アカデミックと実践のバランスがよい」みたいなもの。このあたりもっと知りたいところです)

私はあまりJ-STAGEを使ってはいませんでしたが、学会の会員になったりすると、こちらのほうが使い勝手がいいのかな、と思ったりもしました(妄想です)。

その3「CiNii」

最後が、「CiNii」です。サイニィと呼びます。CiNiiは、論文、図書・雑誌や博士論文などの学術情報で検索できるデータベース・サービスとされます。

私が思うこちらのサイトの特徴は、こちらです。

<CiNiiの特徴>
1)「博士論文」を検索することができる

「プロアクティブ行動」で検索をしてみると合計101件でした。J-STAGEよりも多く表示されました。データ種別は、「論文」「本」「博士論文」「プロジェクト」と博士論文も含まれています。(今回は3件ヒット)

博士論文は、全データが見られる場合もあれば、要旨だけ紹介されているパターンもあるようです。(大学院の仲間は、博士論文では研究領域の全体像が網羅的に整理されているためわかりやすい、と言っていました。そんな使い方もあるのですね)

まとめ

本日は「論文検索サイト」ごとの特徴について、簡単にまとめてみました。
前から気になっていたものの、そう言えば並べて言葉にして比較をしたことはなかったな、、、と思っておりましたので、良い機会になりました。

結局、GoogleScholar派であることは変わりませんが、状況に応じて使い分けができるようになると、論文を探索する上でも役に立つのかもしれない、そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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