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「対話」で学びは3倍になる

こんにちは。紀藤です。先日、書籍『成長を支援するということ』の読書会があり、そちらに参加してまいりました。

この本、本当に素晴らしく,私が知るコーチング本の中でも個人的に随一の内容だと感じます。理論と実践のバランスが素晴らしい・・・!
(書籍『成長を支援するということ』の内容はこちらの記事をご参考ください)

この本について、監訳を手掛けられたお二人も含めて、プロのコーチ、大学教員、コーチングの研究者の方など、企業人事の方など,多様な人を含めて合計12名で開催されたのですが、濃厚で素晴らしい学びの場でした。

今日はそこからの気づきを、皆様に共有させていただければと思います。
それでは、どうぞ。


「対話」で学びは3倍になる

毎度のことながら思うのが、「骨太な一冊の著書は、一度読んだだけでは学びを吸収しきれない」と感じます。

その学びをより深めるには、まずは「読んだことを、自分の言葉でまとめる」のがよいです。多分、これはやっている人も少なくないと思います。

まとめるプロセスで精読をするため、理解が深まります。
自分なりに理解できているところとそうでないところが明らかになります。
よって、ただ漫然と読むよりずっと効果的。しかし、ここまでは「自分1人での学び」です。

ここで「対話」が入ると学びの質と深さが圧倒的に高まります
たとえば先日の勉強会では、以下のような進め方をしました。

STEP1,一人一章ずつ読んでまとめる
STEP2,皆にポイントを説明する
STEP3,質問と感想を共有。全体で対話する

こうした3つのステップで対話を進めていくと、まずSTEP2では「他者に説明すること」で、一人でまとめることとまた少し違う思考の筋肉が使われます。
そして、STEP3で他者から質問されると、自分が見落としていたところも質問によって視野が広がり、思考が揺さぶられます。そして、感想、すなわち参加者個人個人が持つエピソードや事例を共有し合うことで、抽象的であった学びが具体的になり、温度を帯びてくるのです。

ああ、やっぱり「本を通じて対話をすること」って大事なんだなあ・・・としみじみ感じたのでした。

「思いやりコーチング」3つの特徴

そんな中で、本書の『成長を支援するということ』について、その魅力は何なのか?という話にもなりました。

その中で、本書の中心キーワードの「思いやりコーチング」が、他のコーチングとどのような違いがあるのか、について参加者の中で話をする機会がありました。以下、大きく3つの特徴として、私なりに学びから概念化してみたいと思います(先日の記事とよろしければ併せてお読み下さい)。

⑴「ポジティブな感情」がもたらす効果に注目している

本書は「思いやりコーチング」(ICTコーチング:意図的変革理論を用いたコーチング)の効果性を述べています。その中では,すべてのプロセスの中、特に「ポジティブな感情(possitive emotinal attractor:PEA)」を引き出すことで,内発的かつ持続的な成果に繋がる事が述べられています。
なぜ、PEAが必要なのか、理論的に解説されているところも説得力があります。

⑵「背景理論」が明確である

コーチングが成果につながる背景理論が整理されています。たとえば、なぜ信頼関係が必要なのか? 共鳴する関係がなぜ人の成長を支援するのか?等について、行動科学、ホルモン研究、脳機能イメージングの利用などの各種研究が述べられています。

たくさんの引用論文があります

⑶プロセスがわかりやすく、再現性がある

コーチングは、対話によって作り上げていくものです。しかし、その柔軟さは、時にプロセスの曖昧さにも繋がります。
「コーチングはケースバイケースだよね」ではなく、コーチングの中で使うツール(問いやワーク)などが、ケースウェスタン大学のコーチ認定プログラムを元にして,整理をされているとのこと。(本書ではその一部が紹介されています)

ちなみに、コーチングにも、色々な"流派"のようなものがあります。たとえば、その人の幼少期の基盤のようなものを見つめるもの、免疫マップのようなブレーキとなっているものを認識させるアプローチなど。クライアントにより,何が最も効果的なのかは変わるので、絶対的な正解はありません。

ただ個人的には,自分の信念・価値観から、このような「ポジティブな感情」×「理論的なアプローチ」というのは、大変納得感高く、本書で述べられている思いやりコーチングを自分の軸にしていきたい、と感じたのでした。

まとめ

・・・と、色々と対話からの学びと、そこからの気づきを書かせていただきました。そして改めて「学びは一人ではなく,誰かと共に行うこと」。このことの効果を感じる時間でした。

人を集めたり,企画するのは労を要しますが、その分深い学びが得られますし、実に楽しく,濃厚な時間でした。私もこうした勉強会、自分主催でやることは少なくなっていましたが、開催してみたいと思った次第です。

最後までお読みいただき,ありがとうございました!

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