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変えられるものと、変えられないもの


私たちの人生には、自分の努力次第で変えられるものと、いくら努力しても変えられないものがあります。


変えられないものに直面したとき、私たちはこの事実をどのように理解しどのように受け取ればよいのでしょうか?


一つ言えることは、


過去の出来事は変えられませんが、その受け取り方は変えられるということです。


他人の言動は変えられませんが、その受け取り方は変えられるということです。


「人生」について考えてみましょう。


私たちの人生は、生に始まって死で終わります。


人によって長い人生もあれば短い人生もありますが、死は例外なく誰のところにもいつかはやってきます。


死は避けようとしても避けることができません。


死はまさに人生において「変えられないもの」と言えます。永遠に生きられる人はいないのです。


限りある人生を、私たちはどうしたら有意義に生きることができるのでしょうか?


この問題を考えるとき、私はいつも二人の人物が思い浮かんでくるのです。ご紹介しましょう。


ラインホルド・ニーバー


一人は、アメリカの神学者、ラインホルド・ニーバーです。「ニーバーの祈り」と言われている金言があります。


「変えられるものを変える勇気を与えたまえ。変えられないものはそのまま受け入れる冷静さを与えたまえ。そして変えられるものと変えられないものを見分ける知恵を与えたまえ。」


というものです。


私たちが人生で直面する悩みは、大きく分けて二つしかないのです。


一つは、「努力することによって解決できる悩み」


もう一つは、「努力しても解決できない悩み。」


つまり、人生には努力することで変えられるものがある一方、どうしても変えられないものがあるということです。


前者については、精一杯努力することによって事態を改善していく必要があります。


しかし後者については、その事態を従容として受け入れていくことが必要となります。


何とも変えようがない事態に対して不満を言って周囲の人を困らせても、事態は何も変わらないのです。


事態をありのまま受け入れた上で、自分に何ができるかよく考えることが現実的で有意義な生き方になると思うのです。


このように考えると、ニーバーの言葉は正鵠を射たものと言えます。


さて、もう一人ご紹介しましょう。


イングリッド・バーグマン


ニーバーの言葉を人生の最後に見事に実践した人です。


ヨーロッパとアメリカで活躍した女優、イングリッド・バーグマン。


数々の素晴らしい映画を残してきた彼女は、晩年がんに侵されながらも最後の瞬間まで役者として演技し続けました。


1982年末期がんに侵されていた彼女は、差し迫った死を事実として受け入れ、残された時間を有効に生かそうと決心したのです。


そして、イスラエルの女性首相ゴルダ・メイアを主人公としたテレビドラマ「ゴルダと呼ばれた女」の主役オファーを受け、ゴルダ・メイアの生涯を見事に演じ切ったのです。


残されたわずかな時間で人生最後の大仕事を完成させたのです。


その4か月後の8月29日、自分の誕生日に彼女は亡くなりました。


享年67歳。

実に充実した見事な人生ではないでしょうか。


自分の運命が変えられないものと分かった時にどう生きるかについて、これ以上ないお手本を示されたような気がします。


このような生き方をしてみたいと思うのですが、皆様はいかがでしょうか?


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


次回も、お時間のある時に読んでいただけたら幸いです。

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