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良い・悪い

やっぱり、良し悪しを評価しないことは大切だと思うんです。特に、一面的に人間を評価すると見誤る恐れが高い。
例えば、ある日常の場面では、電車内で高齢者に席を譲る優しい青年であるけど、違う場面では、自分勝手で思い通りにならないとイライラし始める。
ある会社では、優秀で温厚な性格でとても感謝されるのに、他の会社に行くと全く仕事ができないと煙たがられる。

あるいは、こんな人を知っている。営業職ではとっても優秀で、毎回トップセールスとして名を連ねるような人が、もう十分お金を稼いだからまったり働こうと、同じ業界の事務職として転職をしたところ、あらビックリ、仕事が全くできない。書類は失くすし、ページの順番は入れ替わってるし、納品用の書類の紙は角が折れている、みたいな。
この人は、発達障害傾向のある人だけれども、ある会社では営業のヒーローであったが、違う会社では毎日怒られていて、今にも神経の糸がプツリと切れてしまいそうなほど、やつれた顔をしていた。

結局、この人は優秀なのかどうなのかというと、やはり環境に依るということだと思うんですよね。人間の特性・能力には、良いも悪いもない。人のある面に対して、「悪い」と評価すれば、その裏側の「良い」も存在することになる。その人の能力は、環境によって弱点にもなるし長所にもなる。

ですから、その人を評価するときは、限定的な見方をしてあげるのがいいと思うんです。この環境ではあまり活躍できない人だなとか、あるいは、あの環境だから活躍できた、というように。その時にうまくいっている状態や、いっていない状態をもって、その人の全てを評価してしまうと、あまりにもザックリしすぎてしまう。

また、仮に今うまくいっていない状態にあっても、その時の一面的な自分の評価で、自分全体を決めつけてしまうのも良くないと思います。
別の環境では、違う自分に会えるわけですから、その時の自分に期待をしても良いと思うんです。
ただし、今いる環境で嫌だなと感じるものがあれば、それはなぜなのか、自分を知る努力が大切だと感じます。そうすれば、新しい環境で自分を試すときにより良い結果になりますし、経験を重ねるごとに、自分をアップデートすることができると思うからです。

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