通院備忘録

早朝4:20

今日は、今回は。寝過ごしましたねとうとう。いつもは起きられないくらいなら起きていればよいのだ、と、渋々4時前にはとことこよろよろふらふら暗がりを歩き始めるわけなのです。   が。             今回は自転車ですかね。強気になれる曲に小一時間耐久していただきながら㎞単位の長くうるさいトンネルを涙目で乗り越え、大きなゴシック体の掲げられた葬儀場を、漆黒の冷たい謎の森を、これでもかとがったがたの坂道をぐらぐらぐらぐらと通り抜ける。


4:40

青いコンビニエンスストア。小さなただの、何の変哲もないコーヒーを買うつもりだった。咄嗟に目についたカフェラテ。咄嗟に口から出たカフェラテ。おそらく無駄にした数10円。

どうしてこうなのか

カバンからお財布を出す。お財布。 お財布が。


ない。


んなわけあるか。お家を出る前に二回も見たのに。診察券と保険証のセットされたお薬手帳とともに。 レジの机に心落ち着けグッズ入りポーチを出し、手話の本(数少ない趣味)を出し、ゲーム機を押しのけた先に。

ありました。本当にごめんなさい。すみません。誠に申し訳。。。。。。。さんざん小声で口に出し会計を済ませ、電車の時間が迫っていたのでコーヒーが、間違えた、カフェラテが注がれているのも待ちきれず、スティックシュガー、ミルク、ガムシロップを一つずつかっぱらいカバンのポケットに押し込んだ。あたたかいカップを手に店を出る。

Q.あなたは何を使ってここまで来たのですか?

A.えぇ、自転車です。

Q.そうですね。では、ここから駅まで何を使って移動するおつもりで?あなたは今、左手に、カフェラテを、携えているのに。



仕方がありません。時間だってありませんもの。片手に持ちながら、Y O R O Y O R O  と駅まで。あたしって、俺ってわたしって、大抵こんな感じです。こんな感じらしいです。


4:47 駅着


4:50には電車に乗り込む。なぜ。計算が下手。そして生きるのが下手。


4:52

コーヒーを飲む。もういいですよねコーヒーで。成程。自転車で生身のコーヒーを運搬すると程よく冷めるんですねぇ。ここで思い出しますね。マドラーを。忘れた。忘れた。忘れた。くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくる カップを回す。意味あるんだろうか。意味というか。。。こ、効果は。。。。。。。


落ち着きなさい。


そっと心落ち着けられる、あの、あの子へ、とりあえず連絡を、迷惑を。あ~~~~~もう~~~~~~~~~ほんと、ごめ。。。。。。      息を、あったかい息を、息を吐きまして、背もたれと完全に一体化した。やっと一日が始まる。パワー(あらゆる総計)残り60%※虚勢込み 当たり前でしょう。ちなみにあほなので、寝過ごしたので、iphoneの充電は40%、モバイルバッテリーの中身は3/5程度、ワイヤレスイヤホンも使いかけ、非常に生きづらい。


5:00

走り出した。大丈夫だ。大丈夫。だいじょうぶ。かたんことんしつつ。つけっぱなしのイヤホンからそっと音を消した。貴重な充電なので。よし。いける。大丈夫。大丈夫。だいじょうぶだって。時折鳴る電車の悲鳴に顔をしかめつつ。

メールを作成した。ゼミの先生からの依頼に対する前向きな検討の報告を。s初手でとりあえず朝八時に送信予約。文面に名義上記載した他人(ヒト)のお名前、間違えていないかしら。お手元の小さな端末の中からなんとか名簿を捻り出して4,5回の確認の末、なお消えない不安をいかにして砕き潰そうと試みたか。

本人に送信予定の文面を転送。『ご確認の程。。。。』5:57      大迷惑である。本当に申し訳ないと思っております。本当に申し訳ございません。ませんでした。


6:15

中継する駅への到着まであと30分ほどある。今日お話しすることをまとめよう。ちゃんと伝わるか、届くかが怖い。一往復1万数千円の重み。厚み。圧。み。頼れるのは私の頭と、口だけ。私の。、、、、こ、これ、、?これなの?これを、頼る気なの、?また待合室で動けなくなってしまうのが怖い。また固まって、心が苦しくなって、息が苦しくなって、涙が現れて、話が、できなくなってしまうのでしょうか。手が、指が、冷たく、震えてしまうのでしょうか。。。。恐怖。怖いので。ので。(強い意志)台本を用意した。A4のまっさらなコピー用紙に。つらつらと。忘れてしまう前に。変わってしまう前に。居なくなる前に。嘘にしてしまう前に。これは、「足掻き」です。

6:35



「まもなく……」   はっ。 聞き逃していた。電車が止まり始める。まずい、まただ、降りなきゃ、降りなきゃ降りなきゃ。ペンがペンケースに押し込まれ、ファイルがカバンに詰め込、、、、、、

入ってくれない

このMAXカバンにこれからまたあなたポテトチップスの袋みたいなでっかいお薬処方されて詰め込んで帰ってくるおつもり?どうするの?



財布をひだりポケットに。iphoneをみぎポケットに。既にみぎポケットを悠々と占領していた自転車のカギを、首からお守りの如く、いやお守りとして引っさげていたネックストラップのカニカン部分に引っかけた。よし。次だ次。着ているダウンジャケットのポケットにはチャックがついている。非常に。非常に有難い。。。。。。風は冷たく、お日様は澄んで晴れやかである。

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