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64. ウクライナのNATO加盟断念することはマジでヤバすぎる。


ウクライナのNATO断念をし、妥協した上で停戦交渉をすることを示唆した。


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一刻も早くウクライナ侵攻を終えてほしいと願う一方で、このニュースがもし現実になれば非常に危険な状態であると感じた。


どうしてこの事態に危機感を感じているのか。


それを理解するには各国のこれまでの考えや、動きを把握しておく必要があるので、それを解説していこうと思う。


その前に、もし今ウクライナで何が起きているか分からないのであれば、「62. 今、ウクライナで何が起きているのか。」を先に見ることをお勧めする。

https://note.com/couchpotatojp/n/n63478c05ba2a


この侵攻に大きく関わっている各国の思いや、状況を見ていこう。



アメリカ
①世界の警察からの撤退
②守りたいけど守る義務はないし、戦争には巻き込まれたくない。


①世界の警察からの撤退
現在、世界で一番力を持っている。

そのため、冷戦後、地球の平和を守るため、世界中で警察の役割をしてきた。

しかし、世界中で警察の役割をするには各地に軍隊を置くことで巨額の金額がかかったり、アメリカ兵を命の危機に晒すことになる割に、アメリカにとってのメリットが少ないことが多く、国民から反対されている。


そのため、近年は世界を守る警察の仕事から手を引いている傾向がある。

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②守りたいけど守る義務はないし、戦争には巻き込まれたくない。無駄に人を殺したくない。

ウクライナはまだNATOに入っていないので、守る義務はない。

もし自国の軍隊をこの争いに参戦させてしまったら自国の多くの人を犠牲にしてしまう。また罪のない民間人をロシアでも殺したくないから無闇にロシアを攻撃できない。




NATO諸国
①エネルギー問題がヤバい
②守りたいけど守る義務はないし、戦争には巻き込まれたくない。

①エネルギー問題がヤバい

ロシアとは天然ガスなどの生活基盤を担う部分でロシア頼りにしてるから、正直揉めてしまうときつい。

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でも流石にこの状況はまずいから標的にならないようにみんなで手を組んでロシアに経済制裁しよう。
でも軍隊まで派遣してしまって戦争に巻き込まれてしまったら国民が苦しむからやめよう。

②守りたいけど守る義務はないし、戦争には巻き込まれたくない。

アメリカと同じ。



ウクライナ
①死に物狂いで脱ロシアをしてNATOに入りたい
②おい、NATO。デカい顔してた割にいざ敵国が暴れたら全員黙ってみてるだけの保身のクソビビりかい。見損なったわ。
③ロシアに攻撃やめてほしいし、NATOが全く大切にしてくれへんのわかったし、もうNATO断念して大人しくロシアの言うこと聞こうかな。。

①死に物狂いで脱ロシアをしてNATOに入りたい

昔のソ連時代からロシアに苦しめられてきた。


そして、ソ連解体後、ソ連時代の仲間(ポーランドなど)がヨーロッパの仲間に入ってどんどん成長してる。

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よし、ここで思い切って西側のNATOさんの仲間入りして、一気に這い上がっていくぞ。

もうロシアの言いなりになるのはやめた。

だから、今回ばかりは攻撃されてでも絶対NATOにいれてもらう。

NATOさん、あなた方の仲間にしていただけるように命懸けで忠誠を誓い、ロシアと戦います。

よろしくお願いします。



②おい、NATO。デカい顔してた割にいざ敵国が暴れたら黙ってみてるだけの保身のクソビビりかい。見損なったわ。

ウクライナは命懸けで忠誠し、助けを求めているのに、保身に走って、一番求めている軍事介入をしてくれないNATO。

仲間になろうとしている国が悲惨な目に遭ってるのに逃げ腰。本当に絶望している。

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③ロシアに攻撃やめてほしいし、NATOが全く大切にしてくれへんのわかったし、もうNATO断念して大人しくロシアの言うこと聞こうかな。。

ロシアが停戦の条件を一切妥協しないどころかエスカレートすると言っている。

最初、NATOは憧れのグループに入りたかったけど、たいしたことない自己中グループやったし、国内も国民もこれ以上無茶苦茶にされたくない。

もう疲れた。


ロシア
①ウクライナまでNATOに入れようとするのは許せない。アメリカもウクライナも調子乗りすぎ、一回恥かかせてやろう。
②ウクライナくらいなら本気出せばすぐに潰せる。
③NATO諸国の状況や心境を考えたら、絶対に戦争を助けにウクライナに来ない。そうなった時にウクライナはきっとNATOに絶望するだろう。


①ウクライナまでNATOに入れようとするのは許せない。アメリカもウクライナも調子乗りすぎ、一回恥かかせてやろう。

アメリカが調子乗ってどんどん支配権を広げて、ロシアに近づいてきてる。
よし、これ以上舐められたら今後歯止めが効かなくなる。

絶対にウクライナはNATOに入れてはならない。

その前に、一回まだNATOに入っていないウクライナに仕掛けてみよう。


②ウクライナくらいなら本気出せばすぐに潰せる

ウクライナは2014年クリミア併合(ロシアがウクライナのクリミア地方を武力で奪った話)の時、全く力がなかった。

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トップを脅すか殺すかして、ウクライナをNATOに入れさせないようなロシアよりの政権にしたい。

スピード勝負でいこう。

そのためにはNATOに邪魔されないように、核戦争で脅して簡単に軍事介入できないようにしておこう。

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③NATO諸国の状況や心境を考えたら、絶対に戦争を助けにウクライナに来ない。そうなった時にウクライナはきっとNATOに絶望するだろう。


ウクライナ軍はすぐに降参したり制圧できると思ってたけどできなかったし、思ったよりウクライナ軍が強くてなかなか思うように行かない。

よし、こうなったらなんでもありや。

民間人も約束とかも関係なく無茶苦茶にしてしまえ。

それをウクライナは一番嫌がるし、世界に訴えるだろう。

そんな状況を訴えても、NATO諸国は戦争巻きこまれたくないからどうせ軍を突っ込めない。

最悪、勝ちきれなかった場合、核兵器を使ってもロシアの民間人を巻き込みたくない平和主義のNATOは報復できないだろう。

それならロシアが負けることはない。

そして、次第にウクライナはNATOの無責任さに嫌気が指し、ロシアの強硬姿勢に心が折れるだろう。

そうすればロシアが望んでいた通り、ウクライナはNATO入りを断念する。





これらが各国の状況や思いを示したものである。


これらのことからわかるようにウクライナ侵攻の際に核戦争で脅せばNATOが入ってこないこと、ウクライナがNATOに絶望して、意志を曲げそうになっていること。


これはロシアの思い描いた理想のシナリオ通りに進んでるといえるだろう。


つまり、今回このままウクライナが妥協した形でロシアと停戦になるとロシアのウクライナ侵攻はロシアにとって成功であったという結果になってしまう。


しかし、強硬姿勢を貫くロシアに諦めさせることも非常に困難でもあり、その結果更なるウクライナでの被害者を産んでしまうことになる。


その辺りが、このウクライナ侵攻で非常に難しい点である。




そして、このままロシアの思い通りにシナリオが進めば今後世界はどうなっていくか。


それは核や戦争で脅せば、周りの強国も参戦することができず、そのまま思いのままに対象国をコントロールできるという歴史ができる。


武力が強く、核を持って戦争の覚悟をし、強硬姿勢を貫いた者が勝ち残っていく。


なぜなら多くの国はモラルがあって戦争に巻き込まれたくない上、敵国であっても民間人を殺してしまうことはしたくないから。


その優しさや、躊躇は武力で支配権を広げたい国にとっては格好のカモである。


先日、中国共産党の習近平が軍幹部に戦争の準備を整えるように指示を出した。

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憲法第9条は戦争を二度と経験したくない日本にとっては欠かせないものである。


一方で武力で支配権を広げたい国にとってはどうか。


自国がどんなことをしようと自国の領土を攻めないことを保障してくれる国である。


勝てないことはあっても、絶対に負けることはない。


日本を責めることはローリスクハイリターン。


これが現実なのではないだろうか。


そして、日本の隣国には、まさに独裁政権で、人の犠牲に対して何の抵抗もない、支配権を広げたくて、うずうずしている二つの大国がある。



そして、今回のウクライナ侵攻に対しての自国は巻き込まれたくないというNATOの弱気な姿勢が両国にエンジンをかけてしまった。


今後、ウクライナは、日本は、世界はどうなっていくのか。


なんとかプーチンのシナリオ通りにならないことを心から願う。







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