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62. 今、ウクライナで何が起きているのか。

2022年、2月24日。

ロシアがウクライナに侵攻した。

今、現場では何が起きているのか。

もうすでにニュースなどで報道されているが、何が起きているのか、なるべくわからない人にも簡潔に伝わるように、この記事を書くことにした。


歴史が苦手で専門用語が苦手な人のためにざっくりと説明しようと思う。


1945年、第二次世界大戦が終結し、世界は二度とこの大惨事が起こらないようにと誓い合った。

これからの未来を誰が指揮を執っていくか。

それは戦勝国であり、大国であったソ連とアメリカが前に出て、これからの世界を引っ張っていこうという話になった。


しかし、この二国は実は考え方が全く異なっていた。

ソ連は、国民が平等な社会を目指す考え方(共産主義)で国の運営をし、

アメリカは競争社会の中で力を伸ばしていこうという考え(資本主義)で国を運営をしていく国だった。




異なる考え方を持つ二つの大国は、お互いをライバル視し、我こそが一番であると世界に示したかった。

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そこでアメリカ、ソ連が各々が自分たちの同じ考えの仲間を増やそうと世界の国で陣取り合戦を始めた。


そうしてふたつの大国の異なる考えのもと世界は二つに分断されていった。


ソ連を中心とした共産主義軍VSアメリカを中心とした資本主義軍。


各々は結束を強めるため、いざ自分の同じ考え方の国の仲間を攻撃されたときに一緒に戦おうという約束をした。


ソ連を中心とした共産主義国軍はワルシャワ条約機構。

アメリカを中心とした資本主義国軍はNATOという名前の約束をした。


その後、アメリカ軍団とソ連軍団は睨みあいを続け、ついに直接対決が始まるというギリギリまでいったが、1989年に話し合って仲直りをした。(冷戦終結)

もう仲直りしたからお互い軍事同盟とかも解体して緊張感をなくしていこうという話し合った。

その際にソ連はワルシャワ条約機構を解体したが、アメリカはソ連をあまり信用していなかったのでNATOを解散しなかった。

ソ連はその行動に対して、

「別に解散しなくてもいいけど、それなら拡大とか攻めたりすることはやめてほしい。」

とアメリカに伝え、アメリカはこの時、このお願いを承諾した。

その3年後、ソ連の平等を目指す社会システムは成り立たなくなり崩壊し(ソ連崩壊)、その代わりに少し小さくなってロシア連邦という国が完成した。

ちなみに現在のウクライナはソ連が崩壊した際に独立したのでもともとはソ連の一部であり、ロシア系の人が多い国である。


世界の緊張感は一気に解放された一方、この先、いつ、どこの国に襲われるかわからないことを恐ろしいと感じていた。

そして、いざというときに守ってほしいと思うようになり、ヨーロッパの各国はNATOに入ろうとアメリカにお願いした。


アメリカは仲間を増えることを喜んだ。


しかし、この行動を快く思っていなかったのがロシアである。

冷戦終了時にした約束を破って、どんどんと自分たちの領土の近くまで元々敵対していた軍事同盟が近づいてきていることに恐怖と怒りを感じていた。

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そして、ついに昔から付き合いの長く、ロシア人の多い、ウクライナまでもがNATOに入りたいと言ったことに現大統領のプーチンは限界を感じ、堪忍袋の緒が切れたのである。


それだけは何が何でもやめてほしいプーチンとNATOに守ってもらいたいウクライナ。


NATOに入るのなら軍事侵攻するぞ!本当にするぞ!と脅しているが、ウクライナの意思も固い。そんな脅しに屈しないぞという姿勢。

そしてウクライナのサポートに回るアメリカが、ロシアに対して「そんなことをするとただじゃ済まさないぞ」と脅す。

そして今日、ロシアは限界を迎えて、軍事侵攻を開始した。


これが、今回のウクライナ侵攻までの一連の流れである。




そしてロシアがウクライナが進行を始めた今、NATO 諸国はどのような対応をしたか。

彼らは輸出や輸入を制限したり、銀行との取引などをなくすことで金銭的ダメージを与える経済制裁という形でロシアに攻撃することにした。

しかし、ロシアの真の目的は何か。

それはウクライナ国民を殺すというわけではなく、ウクライナをNATOに入らないように決断させたいのである。

そのためにウクライナの大統領の意志を変えたい。

それが無理ならウクライナの大統領を殺すなどをして変えたい。

そう思っているのである。


そこでロシアがとった作戦はまず、ウクライナの軍事施設を制圧することで、反撃不能にし、一気に首都まで攻め込む。

そして、プーチンはなるべく早く大統領を脅す、または殺すなどをしてウクライナとロシアの被害を最小限にしたうえで、当初の目的であるウクライナのNATO脱退を約束させ、すぐに軍を撤収しようとしている。


そんなやり方をしようとしているロシアに果たして経済制裁は効果的なのか。


NATO 諸国に経済制裁をされたとしても短期決戦のため、ロシアの現状を動かす状況はたいして期待できない。

ではなぜ力のあるアメリカ等が即効性の効果のない経済制裁をするだけで武力行使をしないのか。


それはプーチンがとった作戦が非常に巧妙であるからである。


プーチンがとった作戦が

「うちには核兵器があります。今、ロシアは自国民の平和のために戦っています。もしこれを邪魔するような国がいるとその国はその有数の核兵器でやっつけるので気をつけてください。」

といって周辺国が入らないように牽制をするのである。

そのような発言をすることでロシアに対して、周辺国はそんな標的になりたくないのでむやみに突っ込むことができていない。


また、核兵器を持っているアメリカなどがそこに参加すると世界の全面戦争がいよいよはじまってしまうことを意味するので、アメリカなどの大国も力があるにもかかわらず、簡単に突っ込むことができない。

そして、そのアメリカや周辺国のその心理をロシアは利用し、この言動をしたのである。

結果、ウクライナの惨劇を軍事的にたいしたサポートができず、批判と経済制裁しかできずにただやられていく様子を見届けるに至っているというのが現状である。



これが今、ウクライナ侵攻が始まった後の現在までの各国の動きである。





そして、この流れをひそかに喜んでいるのが中国である。


中国はもともとソ連時代の共産主義国の仲間で、急激に成長している今、虎視眈々と世界トップの座をアメリカから奪おうとしている。


中国は、もっと周辺国などに攻撃をして、力をつけたいという願望を持っているが、現段階ではトップのアメリカから脅されていてそれが怖くて、思うようにふるまうことができていない。


今、ロシアと中国は昔からの交遊もあり、双方がアメリカを引き釣り下ろしたいという願望を持っている。


そして、今日、中国メディアがこの時流の中、アメリカの行動を批判し、ロシア側についていることを暗に示した。


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もし、この争いでアメリカとの武力衝突があり、敗れるようなことがあればどうなるか。


中国が世界一の力を持ち、誰も習近平の横暴を止めることができなくなる。


結果として、香港や台湾はもちろんのこと、周辺国の日本にまでその手が及ぶことが容易に想像できるだろう。


そうなったとき、このウクライナで起こった戦争は日本にとって全く対岸の火事ではない。


何とかアメリカやNATO軍にこの戦争を抑えてもらいたい。

戦争を可能な限り早く終わることを心から祈る。



この記事は、ロシアの武力行使を正当化したわけではなく、なるべく中立の立場で伝えるように書くよう努めた。

しかし、もしかすると意図せず自分の政治的思考が入ってしまっている危険性もある。

僕の記事はなるべく初心者が興味を持てるように伝えるための記事であったので、正直まだまだこの問題を語る上で知識が足りていない。

盲目的に信じるのではなく、常に懐疑的な目で見て、これをきっかけに情報収集し、自分の中での意見を確立させてほしい。


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