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インドでの営業活動とは?私が得た2つの教訓。

インド駐在を通し、仕事から得た教訓はたくさんあります。
人それぞれ、置かれた立場によって感じるものは違うと思いますが、私の場合はこんな感じでした。

一つは「戦わない」こと。
インドでは日々大小問題が勃発しますので、
一つずつじっくり対応していると身が滅びてしまいます!
さっさと解決案を出し、エネルギーを注ぎ込まない省エネスタイルが定着し、
私はいつのまにか保守的な人間となっていました。


そしてもう一つ得たこと、
「人の心に入りこむ」ことの重要さに気付かされます。

データが、効率性が、費用対効果が、、、言っても、最後に決めるのは人
無駄だと思っていた泥臭い営業活動、社内営業のおかげで、結果的に助けられた、成功した、という経験からこう思うようになりました。


そこで…
インド時代のちょっと変わった?特殊な?営業活動について、
まとめてみました!

社長と会える

日系の中小企業の場合、社長も営業兼任が多く
私のような一般社員が営業へ行っても、社長自ら応対してくれます。
日本であれば、まずはキーパーソンへお伺い立て…
面倒な段取りが欠かせませんね。
一度気に入って頂ければ、横の繋がりでどんどん紹介して頂けたりと、ビジネスチャンスは広まります。逆も然りですが。。。

社食で一緒にお昼ごはん

「ビジネスランチ」と言えば良い響きですが、
遠方へ営業に行くと
「せっかくなので一緒にお昼でも→周りにないので社食へどうぞ」
という流れになります。オムライスが出てきた時は感動しました!
ランチ中の話題は、
日本にいる残された家族の話旅行の話といった鉄板ネタから、
気が緩んだところで、聞き出しにくい他社情報などなど。

2時間、世間話で終了

「日本人駐在員一人で、その他インド人」
という企業へ営業に行くと、仕事の話は最初の15分。
残りは世間話ということもよくあります。
気軽に雑談できる相手がいない環境下のかたは、延々とネタが尽きません。
私はオーディエンスとして聴き入ることに徹しました。

○○時前後に伺います

突然の豪雨で道が遮断される
ストライキや政府要人の通過で遮断
ドライバーが遅刻する
など、予期出来ないことが多く、
ぴったりに目的地に到着するのが難しいのがインド。
逆に、早めに出ると1時間前に到着し暑い駐車場で待ちぼうけとなることも。
「○○時前後に伺います」日本では許されないアポイントの取り方がまかり通っていました。

干支を聞かれる

初対面で年齢はさすがに聞かれないもの、
干支を聞かれることはよくあります。
これは、日本人会のゴルフ大会で「干支会」なるものがあり、
同じ干支だと部員に勧誘されるためです!
年に数回あるゴルフコンペに向けて、各干支は一致団結して、
優勝を目指し練習に励みます。

仕事以外のつながり

狭い日本人コミュニティー。
食事会、部活動で、県人会など、
何かしら他社の方々との交流は多いインド日本人会。
ダブルスのパートナーがいつもお世話になっている企業の社長!
ということもありました。ミスした時のフォローで、人間性が出ますね。。。
接待でない限り、仕事を忘れて個々人として付き合いができるか?
仕事以外のネタを、普段からストックしておく必要がありますが、
基本、おしゃべり好きな方が多いため、
若手であれば、良きリスナーであり時々エッジの効いた質問ができればそれでOK!

休み構わず電話がかかってくる

土日、早朝夜間構わず、何かあれば携帯に電話がかかってきます。
これはちょっと辛かったですね。
旅行中は電源を切ることもありました。
要件は緊急案件のため、インド人スタッフに夜連絡し、どうにかしてもらう、、、という対応でした。
インドのサービス方針は「24x7」のため、仕方ありません。

夏場のスーツは地獄

日本から持ってきた、黒スーツ。
30代営業に相応しい(と思っていた)Theoryのスーツを一張羅として唯一持ってきていました。
結果、真冬以外は汗だくで、一気に痛んでしまいました(泣)

小切手を取りに行くのを口実に営業にいく

支払い用の小切手を回収に行くのは、通常は専任のインド人スタッフ。
しかし、中々入り込めない企業だと、あえて小切手回収を口実に強引にアポイントを取ります。
10分でいいので直接話をする。
顔を少し合わせると、やっぱり違います。

インド人総務・経理担当をおさえる

最終判断は日本人部長でも、普段、窓口となるのはインド人担当者。
そのため、新規営業の時は、必ずこちらもインド人ベテラン営業マンと同行します。
営業に行った翌日には、
インド人同士、もう携帯でやりとりする仲になっており、彼らの入り込み方には驚かされます。

帰任者・新任者には必ず挨拶にいく

担当が変われば、方針も変わる。
今までご無沙汰していた企業に、新しい担当者が赴任したことをキャッチすると、話上手な上司と一緒に、挨拶へ営業に行きます。
インドの不安、わかります〜。大変だと思いますけど、できることはなんでもお手伝いします〜。
など。
新任者の不安な心情に、漬け込む…ではなく、同調するスタイルに徹しました!



企業規模、職種、役職により、もちろん事情は異なります。
しかし、ハードな環境下だからこそ、横同士の繋がりは重要で、
人の心に入り込んでいく人間力が問われます。


私はこのような泥臭い環境で5年過ごしたことで、
帰任して暫くは、ドライすぎる日本の環境に違和感を覚えました。
営業ではアイスブレイクなし、プライベートな話題には一切踏み込まない、淡々と進めていくやり方に、少し寂しさを感じました。

世の中どんどんDX化が進み、効率が重視される現代。
若手社員はどうやって人間関係を磨いていくのか?
そもそも、人との繋がりを求めるやり方はもはや古いのか?

インド経験者はそう、感じます。

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