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「来世ララバイ」という作品を作っています。
2023年らしい作品なのではないかと思っていて、
自分の所属団体ではないところで脚本・演出を担当しています。
こんなことはなかなかないのだけど、
主催者である三宅亜矢ちゃんが、Twitterで「この年代の女性の俳優は「役割」としてのお母さん役が多くて、そもそも需要が少ない。役割ではなく、等身大で演じられる役があればいい」のようなことを言っていて、そうなのか、じゃあ書けばいいのではないかなと思っていたら、シンプルに「脚本は誰もが書ける訳ではない」ということをまた別の誰かが言っていたのを聞いて、じゃあ、と思い「書こうか?」と言ったのがはじまりでした。

人の顔を見るとその人間の来世の姿が見えるようになった主人公(閉店が決まったデパートの家具売り場で働いている)がいて、周りの人たちがいるのだけど、当然周りの人たちの顔を見たらその人たちの来世が見えてしまうんです。来世は火山灰によって人口が激減し、特に男性はとても少なくなってしまう。

そんな中で、この人たちは必死に生きてるのです。
今を生きる私たちもみんなもちろん必死に生きている訳だと思ってるのだけど、
私自身は「みんなお前ほど苦労してない」「なんでそんな大変なことばっかり起こるんだ」とよく言われます。
大変なことが起こっていてもみんな周りの人たちに言わないからなのではないか?と思ったりもするのだけど。
職場で「大変なことが起こっても友達に言えない」という人がいて、そういう人もいるんだなと気づかされたりするんですけど、ナチュラルに「申し訳ないけど人に言わなきゃ死ぬかもしれない」くらいなことが私の中で起きていたりする。

人のことわかったつもりでいても、微塵もわかっちゃいないんだなということを日々噛み締めて作品を作っていて。殆どの方がはじめて私の演出作に出演してくれるので、そもそもが何も知らないところからはじまり、とんでもない化学変化が起こったりするし、こういう所を気にするのか、とか、毎日が発見です。
それといつも共に作品を作っている人たちが普段と違う環境でメキメキ頭角を現しているところを見れて、もし私が倒れても何とかなるだろうな、くらいには思っているのだけど、どうかな。。控えめに言っても支えてくれてありがとうしかないです。

もともと余裕を持って作るという概念が自分になく、自分がしていた仕事量を周囲に振ることで周囲が辛くなるのではないか、とか、同じ熱量を求めることでかえって精神的に余裕が無くなり周りを傷つけることになりはしないか、とか、葛藤はあって、2023年の目標は自分を大切にすることで、でもそもそも自分を大切にするということが関わっている周りの人間を大切にするということで、とても長い精神的な腕を持って大体の人間たちをハグして回りたいのだけれど、という風に、何だかぐるぐるして、落ち着かないのだけど、こんな人間が、そんな人間たちが、精神的腕を生やすために作品を作っています。

あとこれは大体伝わっていると思うんですが、素晴らしい人間、素晴らしい俳優が揃ってます。是非劇場に足をお運びください。(宣伝。)


『来世ララバイ』 脚本・演出 新井田琴江(劇団怪獣無法地帯)
日時:2023年5月12日(金)、13日(土) 計3ステージ
会場:ターミナルプラザことにパトス
チケット:前売一般3,000円/学生1,500円
https://quartet-online.net/ticket/quyuri

【出演】
三宅亜矢
長麻美(エンプロ)
最上怜香(yhs)
小林由香
石鉢もも子(ウェイビジョン)
畠山真波(演劇ユニット螢火桜月)
相馬日奈(弦巻楽団)
足達泰雅(劇団怪獣無法地帯)
後藤カツキ(トランク機械シアター)
【映像出演】  小助川小助(yhs) びす子


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