【初めての一人ディズニーレポ】30歳男性ひとり、13年ぶりの東京ディズニーランドへ…
※本記事はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
※本記事は2020年9月頃に投稿した、初めての一人ディズニー体験談の記事のリメイク版です。当時の写真やメモを見返しながら当時を思い出しつつ書きますので、事実と異なる箇所もあると思います。というか完全に虚言の箇所もあります。全編フィクションだという感覚で読んでいただけると幸いです。
こんにちは。まきこと申します。
先日、ディズニーランドに行ってきました。一人で。
しかも13年ぶりのディズニーランドです。
その時の経験がとてもすばらしいものでしたので、皆様にも共有したく、記事を書く事としました。よろしくお願いします。
30歳男性、ひとり、13年ぶりのディズニーランドへ…
不安と期待の朝
9月某日、朝9時前、私は東京ディズニーランドの入り口で呆然としていました。
前日に急に思い立ち、ディズニーランドのチケットを購入したのは良いものの、不安な気持ちと、「あまりにも懐かしすぎる」という気持ちにやられてしまって、しばらく動けずにいたのです。
上記の通り、初めての一人ディズニーに対しては、いくつか不安がありました。
・一人で行って楽しめるか?
・周りの目が気になったりしないか?
・一日券買ったけど時間が余らないか?
結果として、上記の不安は全部杞憂だった事が分かるわけですが。
そんな不安と戦いつつ立ちすくんでいると、横から同い年くらいの男性に話しかけられました。
「何をしているんですか?」
私はまさか話しかけれらるなんて思ってなかったので、返答できずに戸惑っていると、彼はそんな私に構わず先を続けました。
「子供の頃に体験した”罪悪感”の記憶って今でも心のどこかに残っていませんか。私は残っています。あれは私が小学3年生の頃です。当時、仲良くしていた友人がご両親の仕事の都合で引っ越すことになったんです。今思えば、あれは転勤なんかではなく、夜逃げに近いものでしたが、その事はこの話には関係ありません」
彼は首にかけていたサングラスをいじりながら、さらに続けました。
「僕は母親にこう言ったんです。”友人が引っ越してしまうから、何かプレゼントをしてあげたい” と。母親は快諾してくれました。私は母親と二人でゲームショップに行って、その頃の流行りだった『ポケモンカードGB』を買いました。けど、いざゲームソフトを手にしてみると、自分が『ポケモンカードGB』をやりたくなってしまって、友人にはプレゼントせず、親に隠れて自分のものにしてしまったんですよ」
「結局、友人へのプレゼントをくすねたことは親にはバレませんでしたが、
その頃から私は少しだけ母親に対してどこか後ろめたい気持ちを持ちながら生活しています。今もね」
彼はそれだけ言うと私の前から去り、一人でディズニーランドのゲートをくぐっていきました。
私は、自分以外の「一人ディズニー」客がいたことに安堵感を覚えましたので、ゲートをくぐることにしました。
入場
入場して目に飛び込んできた風景、音楽、ざわめき、匂い、すべてが私の様々な記憶を呼び起こしました。
13年前に体験した最高の一日、
そのもう一年前に体験した最高の一日、
さらにその一年前に体験した最高の一日、
私は興奮しました。ついに来たのだ、と。
ただ、この時点ではやはり「1人で来ている」という事実が心の枷となっていて、興奮の中にも緊張がまだ残っていました。
私は、アトラクションに入る勇気が出ず、15分ほどダラダラと散歩をしました。
「記憶の中よりも道が狭いなー」
「中に入るとスッカスカに空いてるな」
そんなことを考えていたと思います。
歩いている最中、ピノキオの写真を撮りました。
とくに彼に対しても、この像に対しても思い入れなどなかったのですが、
ただ歩いているだけで過ぎていく時間が惜しかったのです。
そのまましばらく歩いていると、ラジカセが打ち捨てられていました。
近づいてみると、小さな音で何やらぼそぼそ言っている音が聞こえましたが、私にはなんと言っているのかはわかりませんでした。
「いや、散歩も楽しいけどとにかくアトラクションに乗ろう!」
私は意を決し、アトラクションの方へ向かいました…。
私が「最高…!」になるまで
私が初手に選んだアトラクションはスターツアーズでした。ずいぶんと前にリニューアルしてから一回も行ったことがなかったからです。あと、昔より今の方がスターウォーズが好きだからです。
「え!?本物のC-3POとR2-D2じゃん!!」
私は自分でも意外なほど興奮してしまいました。
待ち時間中、そもそも人が少ない上にソーシャルディスタンスを守らないといけないため、列が止まる事がほぼ無く、待ち時間の写真撮影はめちゃめちゃにブレます。
…そしてドキドキしながらスターツアーズに着席、3Dメガネを片手にガイドさんの言う事に従います。
そして始まりました。
開始からいきなりのダース・ベイダーが登場し、
その後も不自然なほど勇敢なC-3POに連れられてAT-ATの足の下をくぐったり、レイア姫に助けを求められたり、ジャンゴフェットに襲われたりして、一つ一つの演出に興奮がMAX、あまりの感動に私は少し涙ぐんでしまいました。
「最高の所に来てしまった…!」
私はもう、興奮を抑えきれませんでした。マスクの下でずーっとニヤニヤしていました。
一回スターツアーズに乗った後はもう「最高!」が頭を占拠してしまって、私が一人で来てることとか、周りの目とか、めちゃめちゃどうでも良くなってしまいました。
そして、一つ気づいたのです。
「これだけ空いていても、アトラクション一つ乗るのに30分〜40分くらいはかかるのか…!」
この日の開演時間は9〜21時。
余ると思っていた時間でしたが、思ってたよりも足りない、という事に気付いてしまったのです。
「こうしちゃいられない!どんどんいろんなアトラクションに乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ乗るぞ乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ!乗る乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ乗るぞ乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ乗るぞ乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ乗るぞ乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ!乗るぞ乗るぞ乗るぞ!乗るぞ!」
私はそのテンションの高さと勢いのまま、ピーターパンの列に突っ込んで行きました…。
印象的だった出来事
事細かにその後の動向を書いても冗長になるだけなので、印象的だった出来事をいくつか紹介していきましょう。
お昼ご飯
お昼には「パン・ギャラクティック・ピザ・ポート」のピザを食べました。
「家族に連れられてディズニーに行く時、お昼ご飯は大体ここだったな」
そんな思いでピザ屋に足を運びました。
熱々トロトロのピザを眺めていた私の中に一つアイデアが生まれました。
「これ、手を使わずに食べたらどうなるんだろう…?」
私はその気持ちを抑えられませんでした。
手を使わずに食べているうちに、一つの記憶を思い出しました。
あれは中学生の頃に友人たちとディズニーランドに行った時のことです。
同じくこの「パン・ギャラクティック・ピザ・ポート」でみんなでご飯を食べていたのです。
その時、友人のSがこんな話をしていました。
「子供の頃に体験した”罪悪感”の記憶って今でも心のどこかに残っていませんか。私は残っています。あれは私が幼稚園児の頃です。当時仲が良かった1歳年上の男の子がいたんです」
彼は耳からミッキーのカチューシャを外し、それをいじりながら続けました。
「随分昔のことなので、詳しいことは覚えてないのですが、ある日、私たちは"ハサミをどちらが先に使うのか"ということで喧嘩になりました。言い合いになり、その後すぐに取り合いになりました。取り合いには私が勝利しましたが、なんだか腹の虫が治らず、私は彼の頬をハサミでパチンと切りつけたのです」
「彼の頬から激しく出血しました。私はすぐに母を呼びました。彼そのまま病院に行きました。彼は車の中で(正確には病院で、かもしれませんが)『ハサミを取り合って引っ張り合いをしてたら勢い余って自分を突き刺してしまった』と説明したそうです」
「彼がどういうつもりで真実と違う事を証言したのか、今では真意はわかりません。理由はなんであれ、結果として私は罪を償うことができなくなりました。なぜなら、真実を語れる人間は私だけなのに、私はそれを誰に言う事もなかったからです。その時の罪悪感、いや罪は、今でも無くなっていません」
Sは、話をしながらピザを食べ終え、コーラを啜っていました。
SNSでちょくちょく見かけていた「リトルグリーンまん」も食べました。
想像通りの味なのに、他に似てる味がない、独特な食べ物だな、と思いました。
いや、業務スーパーに似た味のやつありますよね。アレ、何でしたっけね。
スティッチ・エンカウンター
もう13年も来ていないと、アトラクションの入れ替わりが起きていました。
私は、とりあえず乗った事ないアトラクションは全部行ってみようと思い、内容も知らないままスティッチ・エンカウンターに並びました。
中に入ると小ぢんまりした空間にイルカショー見る時みたいな椅子が並んでいました、前知識が全くない私は意味もわからず端の席に座りました。
そうこうしてるうちにスティッチが登場、いろいろと話を聞いているうちに気づきました。
「あ?これもしかして客イジリのやつ…?」
それに気付いた私は、いつあの化け物に絡まれるかヒヤヒヤしながら、隅の席でなるべく息を殺してジッとしていました。
結局最後までいじられる事なく終わったのでほっとしましたが、今回、1番ドキドキした体験かもしれません。
そして夜へ~スターツアーズループ~
アトラクションを次々と楽しんでいると、あっという間に日が暮れていました。本当にあっという間でした。
ところで私は中高生の頃、毎年、同級生の仲良しグループでディズニーランドに行っていました。
その時1番盛り上がったのは「閉園前1時間くらい、同じアトラクションをループしまくる」と言う行為でした。
私は「それを1人でやろう」と思いました。
「スターツアーズ、たくさん分岐があるらしいから、何回も乗ってなるべくたくさん見よう」
そう思い、閉園1.5時間前くらいからスターツアーズループが始まりました。
・スターツアーズ2回目、1回目と全く同じルートでした(こんだけ種類あってそんな事あるんですね?)
・3回目
(そういえば、昔、今よりも身体が軽かったころ、終電を逃した時に友人の宅に泊まったことがあったんです。
彼の本棚には見た事も聞いた事もない小説や漫画がたくさん置いてあったんです。
こんな言い方失礼ですが、彼は典型的なサブカル野郎だったんですね。
彼は得意げな顔で、どの本がどういう本なのか説明してくれたんですよ)
・4回目(何回乗ってもC-3POは私を暖かく出迎えてくれる)
(私はそんな彼の得意げな顔を見て思ったんです。「これ、本のカバーだけそのままにして中身を全部「こち亀」にすげ替えても、しばらくバレないんじゃないかなあ」そう思った私は彼の本棚を写真に撮り、それをもとに、本棚にある本の数だけ、こち亀を買ったんです。ブックオフで)
・5回目
(彼が寝ている間に中身をすげ替えてやろう、そう思ってチャンスを伺っていたのですが、彼の家に泊まるチャンスがないまま、彼は恋人と同棲を始めてしまい、そのまま彼の家に行くことはもうなかったんですよね。うちにはまだその時買ったこち亀が残っています)
6回目
(もし私がすげ替えに成功していたら、彼はどんな顔をしたでしょう?もう、その顔を見る機会はやってこないでしょう。私はもう彼の連絡先さえ知らないのですから)
とにかく私は、スターウォーズにたくさん乗ったのでした。
夢みたいな1日が終わる
夢みたいだった1日も、終わりを迎えてしまいました。
「帰りたくないけど、みんな出口に向かってる。帰らないとな…」
マジで帰りたくなさすぎて出口ゲートから出てからもずーっとここにいました。電車に乗った途端、この日が終わってしまうのが嫌で嫌でしかたなかったんです。
「帰りたくないけど、仕方ない、帰ろう」
「さようなら、そしてありがとう、ディズニーランド…」
感想、まとめ
いかかでしたか?
レポートは以上になります。
以下は「1人ディズニーやってみてどうだった?」っていうところの感想とまとめをしていきます。
1人ディズニー、良かった事
・待ち時間が苦痛にならない
→待ち時間に、友人と会話とかしりとりとかしなくて良い。全く気を使わない。YouTubeで好きな動画とかみてたらあっという間。この気楽さは1人ならでは。
→あっという間ではあるけど、オススメはしません。待ち列に並んでるときは周りの風景や音に目を向けてみましょう。細やかなところまで行き届いたディズニーの世界を堪能できます。
・休憩のタイミングが自由
私は週末にチャリンコに10時間以上乗ったりするくらい体力ある方なので、休憩なしでずーっと歩き続けていました。休憩なしで歩き続けても誰からも文句を言われないのは良かったです。
この日は37,000歩くらい歩いて、休憩と言えるものも昼飯の30分くらいしかしてなかったのですが、こんだけ動いても周りに気を使わなくて良いのはよかったです。
「1人だからこその良さ」について感じたのはこんな感じです。
1人ディズニー、よくなかった事
・絶叫系の乗り物なんかでは奇声を発したり手をあげてはしゃいだりはできない
これは私がチキンなだけかもしれないですが、さすがに1人では「キャー!!!」って言いながら手をバンザイには出来ませんでした。楽しいのは楽しいのですが、もどかしさが残りますね。
1人ディズニーのデメリットとして感じたのは上記の一つくらいです。
本当はそうじゃないかもしれない。自分が気づいていないだけで。
全体の感想
今更言うまでもない事ですが、ディズニーランドは最高の場所でした。想像以上に最高の場所でした。
最高の空間の中では上記のメリット、デメリットなんていうのは本当に些細な事でしかありませんでした。
アトラクションの待ち時間なんかでもちょっと目線を上げて見渡してみるだけで、夢と魔法の世界が広がっていて、たくさんの人の笑顔を見ることができます。
本当に最高の空間がそこにはありました。
それに関しては1人だろうが、複数人だろうが、関係ないのだなと思いました。
今回の記事は以上です。
1人ディズニー、おじさんでも、10年以上ぶりでもものすごく楽しめます。迷っている方、かなりオススメです!