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カウンセリングを生活に馴染ませていくために #cotreeの物語


こんにちは!cotreeインターンの中村です。

cotreeは現在まで、メンバー・カウンセラー・ユーザー・アンバサダーなど多くの人が想いを重ねながら、サービスを作ってきました。もちろん全て順風満帆に進んだわけではありませんが、それも含めてcotreeの歴史です。

どんな人が、どんな想いでサービスを作ってきたのかを記すために、cotreeの歴史を振り返る企画を始めます。題して、cotreeの物語。

第1弾は、カウンセリングを生活に馴染ませていくために、cotreeがやってきたことと、その背景にあるメンバーの想いを振り返りました。話を聞いたのは、COOのひらやまさんと、CTOのちばさん。この1年半、cotreeのサービス作りの中心を担ってきたお二人です。

何も言わないのは優しさではない
—トップ・LPのリニューアル—

——今回は「カウンセリングを生活に馴染むものにするために」というテーマで、これまでcotreeがやってきたことを振り返りたいと思います。

個人的に、その起点となったのは2018年10月のトップページとLPページ(編注:ユーザーさんが最初に訪問するページ。ここでは、書く・話すカウンセリングそれぞれのサービス説明ページを指す)のリニューアルだったなと感じているのですが、これはどんな経緯で行ったんですか?

ひらやま:確かこれ、値上げのタイミングと同時に行ったんですよね。なかむらさんは前のトップの画像を知ってます?イラストで真ん中に木が書いてあって木が成長するみたいな人がのびのびしてるみたいなビジュアルで。

ちば:ピクトグラムがあったやつ。

——あ〜、うっすら覚えてます。

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ひらやま:優しそうな雰囲気は伝わるけど、サービスの内容が少しわかりにくいページだったんですよね。それをもう少し、「カウンセリングをやっている会社です」とか、「書くカウンセリングと話すカウンセリングがあるんです」みたいな、今ぼくらがやっていることをちゃんと伝えるページにしたいと思ったのがきっかけだったかな。

ユーザー目線を持ち始めたというか、ユーザーさんにどう伝えたら伝わりやすくなるか、というのを考え始めたのがこの時期でした。

——この施策がいろいろなことのスタートだったんですね。

ちば:そうですね。 LPで言うとテキストが多くて読みにくかったり、何がいいのかが伝わりにくかったりしていたので。あの頃から本当にマーケティングをし始めたなあと。

——トップとLPのリニューアル、やってみての感触はどうでした?

ひらやま:サイトに来てくれる人や会員登録する人も増えたし、少なくともこのページを見るとざっくりどんなプランか分かるようにはなったから、改修してすごいよかったなと思う。

ちば前のトップページは、「何も言わないから優しいデザインだよね」ってずっと言われ続けていて。ちゃんとこちらから意思表示をした方がいいよね、ってなったことがトップページに反映されたなと。

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ユーザーさんの生の声を聞く
—ユーザー会・ユーザーヒアリング—

ひらやま:あとは、この時すでに良い使い方をしているユーザーさんが沢山いたんですけど、それを他のユーザーさんに伝えたり、ぼくらから提案したりすることは、まだできていなかったんですよね。

でも、「こういう使い方をしていて、いい感じなんです」みたいな声は、他の人にも伝えることで全体的に良い体験を届けられるのでは、と思ってユーザーさんに使い方について聞くことを始めました。

——この頃からユーザー会やヒアリングを通じて、実際にユーザーさんと話す機会を作り始めたんですよね。cotreeはユーザーさんの生の声を大事にする文化があると思うんですけど、それってなんでなんですか?

ちば:ぼくは、前職が企業の顧客体験の設計を支援する仕事だったので、ずっとユーザー視点でサービスを作るのを大事にしていたのが理由としてはあるかな。

ひらやま:ぼくの場合、ユーザーさんの声を聞くのは元から好きっていうのもあるし。トップのリニューアルとかって結構規模がでかい変更だから、正直怖くて、やっぱり直接聞いたほうがいいなって思ってた。

あとは、カウンセリングを一回で辞めてしまう人がすごく多かったから、もっと続けやすいサービスを作っていきたくて、その意思を固めるためのヒアリングだったなと思っています。

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ユーザーさんを信頼して、意思を伝える
—パック購入—

——今出た「カウンセリングを続けやすくする」という話は、このあと(2018年12月)リリースした、カウンセリングをまとめ買いすると割引になる「パック購入」の施策に繋がっているなと思うんですけど。カウンセリングは続けた方がいい、みたいなことって、この頃から認識していたんですか?

ちば:そうだね。文献とかを読んでエビデンスを見つけたのもあるし、ユーザー会をやってるとそういう声が聞こえてくるので。

ひらやま:3回ぐらいやって初めて「自分に合った使い方がわかりました」みたいな人が何人もいたりね。でも、サイトのどこにもそれが表現されていなかった。

こういう時、ビジネスとしては「こういうのがいいよ」っていう我々の意志を言うべきなので、それを始めたのがパック購入だったかな。

ちば:そもそもカウンセリングやったことない人って、最初の段階でどう使えばいいかなんてわからないじゃないですか。だから、こんな風に使った方がいいんですよって言って購入するタイミングで選択肢を出すのは納得感があった。

リニューアル前のトップもそうだけど、何も言わないのが優しいんじゃなくて、長く続けた方がいいと信じているなら、それは言っていいと思った。

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——何も言わない方がユーザーさんが自分で選べていい、みたいなところから、意思を提案していくところに進むのって、すごく勇気が必要なのかなと思うんですが、そこはどうでした?

ひらやま:Webサービスだから出してダメだったら戻そう、くらいの心づもりではあったかな。

ちば「ユーザーをユーザーとして信頼しよう」というマインドになったのはある。消費者は自分で商品を選ぶのが当たり前だけど、そうじゃない部分もあって。カウンセラーを選べなかったりね。相手の自己決定権を信頼するのって結構難しいんですけど。

cotreeはwebサービスだから、ユーザーさんの消費者力みたいなものに信頼を置いていいのかなと思ってます。

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迷わせないけど、選んでもらう
—メンテナンスプラン—

ひらやま:ただ続けるのが大事とはいえ、いっぱい買ってもらい続けるのって邪悪だと思うんですよね。週1回のメッセージができる「メンテナンスプラン」を出したのは、それが背景かな。

毎月パートナー・プログラムを買っているのに、毎日使ってない人が結構いることに気づいて。この人たちめちゃくちゃコスパ悪いなって。

週に1回しか使っていないなら、単価を安くして長く使ってもらった方が、cotreeとしても嬉しいし、ユーザーさんにもフィットしてるよねという話から生まれたプランだったかな。

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ちば:それって、選択肢の提供と積極的自由(編注:自己の意志を実現しうる、能力のある状態のこと。対して消極的自由は、他者の強制的干渉が不在の状態を指す。)の拡大だと思っていて。

提案されないことの方が自由だと言われがちだけど、実はちゃんと提案したほうが自由っていうのはありますよね。クライアントの選択肢を広げていく、みたいな。

ひらやま:そうそう。例えばメッセージの回数も「週1回から10回まで好きに選んでいいよ」って言われても難しいから、絞りながら選択肢を提示することが結構大事だと思っている。迷わせないけど選んでもらう、みたいな。

——メンテナンスプランを週1回にするまでって、どんな議論があったんですか?

ひらやま:週2なのか週4なのかみたいなのを、全パターン検討しましたね。
今のプランとのバランス、価格帯、臨床的な効果、続けやすさなどをカウンセラーさんと検討しながら決めました。

その中で、週1のプランをいきなりやっても効果が実感しにくい、という懸念があったので、毎日のプランの後に初めて使えるみたいな枠組みにしました。

生活と馴染ませるために、カウンセリングで行われていることを正しく伝えたい。

ちば:ぼくは生活とカウンセリングが馴染むべきだなとずっと思っていて。
カウンセリングって日常と切り離された特殊な場と思われがちなんですけど、クライアントからすると、日々の生活の中で日記のように使ったり、カウンセリングの間にあった出来事を話したりとか、生活に溶け込んで使われているじゃないですか。

だから、生活の中でカウンセリングをうまく使いこなすためには、カウンセリングをする頻度の調節がすごく大事だと話していたんですよね。それがメンテナンスプランではうまく形になったかな。

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——実際にユーザーさんからも、「1日1回のプランで集中的に相談して、少し問題が整理されてからメンテナンスプランで中長期的に考えられたのが良かった」という声もありましたもんね。

ひらやまさんは、カウンセリングが生活に馴染んだ方がいいなと感じていますか?

ひらやま:そうですね、カウンセリングを申し込む体験はもっとカジュアルでいいと思うので。Amazonで何かを買うときと同じように、個数や期間を選ぶのは普通にしたいなと感じます。

——そんな風に思ったきっかけってどんなことだったんですか?

ひらやま:うーん……なんかカウンセリングって行きづらくないですか?(笑)行ってみたら普通に喋れるし、大したことないんだけど、あまり良くない情報が入ってきたりするから。

ぼくも体調崩した時、心療内科とか対面のカウンセリングに行ったことあるけど、初めて行く時とかめちゃめちゃ怖かったし。

実は全然怖くないよとか、話してみたら意外と喋れるよみたいな、カウンセリングで行われていることをそのまま正しく伝えたいという思いはあるかな。

ちば:誤解はされているよね。

ひらやま:中で行われていることが見えづらいからね。見えるようにしたいなって。

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——なるほど。ちばさんはどんなきっかけで、カウンセリングと生活は馴染むべきだって考えているんですか?

ちば:ぼくは家族に精神疾患を持っている人がいたり、学生時代に自助会とかをやっていたりしたのもあって、身の回りにメンタルヘルスの問題を抱えている人が多かったんですね。

それで、そういう環境の中で過ごしていくうちに、「メンタルヘルスの問題って生活から切り離されて理解されがちなんだけど、そんなことはない」と思うようになって。

例えば、今ぼくはうつ病の友達と一緒に読書会をやってるんだけど。「あの人は調子悪い日は来れるかどうか五分五分だから、来れない可能性も踏まえておく」みたいな、友達とか周りの人の関わりってそういうものでいいと思うんですよね。

カウンセリングも日常を生きる上で必要な資源だと思うので、その認識が広まったら良いなとは思っています。

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生活とカウンセリングがサイクルになる
—なかむらから一言—

話を聞きながら思い出したのは、昨年の10月頃にカウンセリングを受けていた時のこと。当時、人間関係や過去の苦しかった経験に悩んでいたぼくは、cotreeの話すカウンセリングの3回パックを利用しました。

その時がまさに、生活とカウンセリングが馴染んでいる状態だったなと。動けないほど苦しい状態ではなかったものの、少し気持ちが不安定で、いつもより敏感になっている感覚で、大学にもcotreeのインターンにも行きながらカウンセリングを利用しました。

カウンセリングを受けることが日々のリズムの一部になり、カウンセリングでの気づきが生活に生かされ、生活の中で起こったことをカウンセリングで取り扱う。そんないいサイクルが回っていたように思います。

カウンセリングには、1回利用しただけで劇的に状態が改善するような力はありません。だからこそ、生活に溶け込ませて少しずつ回復し続けることが必要なんだと感じています。


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