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「好き」からはじまる人生の土台と自分を信じる気持ちの形成を考えてみた

「♪どんな色が好き?」

「あか!」

「♪あかい色が好き」

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かわいいやりとりをしながら歌います。

1番好きな色が1番に減っていくね。色んな色があるね。クレヨンって楽しいな。

歌の世界と自分の気持ちを重ねて歌うと楽しいですね。

「好き」「嫌い」という言葉。私たちは毎日使っています。発達的にみるとこの スキ/キライにはどんな秘密がかくされてる?そんなお話。

1.スキ/キライの根っこ

私達がスキ.キライと感じるその根っこには何があるのでしょうか?それは赤ちゃんの泣き声、笑い声、そのものにヒントがあります。

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「快」の時には笑い「不快」の時には泣く。

これが赤ちゃんの生き様です。「好き」の感情の根っこはここにあると感じています。

つまり、人間のスキ、キライ、という感情の根っこは、極めて本能的で、人間が「生きる」ということと直結していることがわかります。

赤ん坊時代に快不快をしっかり感じる事。コレが根をはります。たくさん笑ってたくさん泣きましょう。

ホスピタリズムという言葉があります。長い期間施設や病院など特殊な環境で育った赤ちゃんは、泣くことを諦めてしまいます。快不快の感覚が鈍感になり、自分に必要なもの、自分の欲するものが何であるかが分かりにくくなります。「お腹が空いたら泣く」「おむつが濡れたら泣く」この感覚が育つことが、これから過ごす人生をより豊かにする為に必要不可欠なのです。

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大人は先回りせず、赤ちゃんからの発信を待ち、そのサインに細やかに和やかに答えてあげることが大切になります。「泣かせない」のではなく「泣いた時にどう答えるか」このやり取りの質が大切。

2.スキ/キライ という言葉の概念

スキ/キライという言葉、発達の側面からみてみましょう。3歳頃から、この「好き嫌い」の概念が言葉として確立されてくると言われています。人の「好み」がハッキリと個性を表してくるのがこの頃。そしてその好みは、言葉として「好き」だと表現できるようになってきます。

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「好き」という感覚、つまりその「概念」は形のないものです。じつにつかみどころのない感覚的な言葉です。3歳にもなると、こういったつかみどころのない言葉も、体得できるようになってくるのです。

3.好きなものを信じることは、人生の土台つくり

この時期に、自分で見つけたスキを充足させること。例えばブロックを組み立てるのが大好きなら、その世界を満たされるまで、心から満足するまで徹底的に遊び尽くします。そして大好きなお母さんとその世界を共感できた時「自分のスキを貫いていいんだ」「自分のスキを大切にしていいんだ」という気持ちで満たされます。


自分の好き=自分らしさ=自分自身

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生まれて初めて自分で選んだ「好き」が大切にされる。この世界は安心な場所だと信じる事ができます。

「大切にされること。尊重される幸せ」

「自分で良いんだ」

「自分の好きを信じて良いんだ」

という自分を信じるチカラにつながるとわたしは信じています。

自分を信じるチカラが強いと自分の選択に自信がもてます。誰かの選択に頼らなくても自分を信じていきるチカラ。

    自 信 

逆はどうでしょうか。例えば、「好きな遊び」を見つけたA君。するとお母さんに「そんな事はやめてこちらにしなさい」と変えられました。お母さんは僕の好きを否定しました。だけど子供はお母さんが大好きです。お母さんが選んだ物で遊ぶ方がお母さんが喜ぶなら「僕の選択はお母さんに委ねるよ」「僕=お母さん」になって行きます。信じているのは自分の選択ではなく、お母さん軸。自分の選択に自信のない状態が続きますね。

受験、就職、お母さん軸で生きてると考えると…。

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子どもの興味は、時に大人にとっては「厄介」で「困った」で「めんどう」なものかもしれません。どうかココで少しだけ忍耐をもち、信じて見守ってみてください。こども達が自分でみつけた好きを全力で肯定して応援してみてください。

4.好きが仕事につながりやすい?私が出会った障害のある方々の場合

お仕事の練習をする「就労支援施設」という場所があります。障害を持つ人が、社会に出る前に安心して仕事ができるようにサポートする場所です。

そこで出会ったお一人、Fさんは、陶芸の粘土で人形を作られていました。話を聞くと、小さい頃から粘土が好きだったそうです。その「好き」が高じて作品となり、経済を生みだす仕事になりました。

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障害のある方は一つの事を極めて行く人が多いです。類稀なる才能を持たれる方も多く、何より「好き」なことが仕事になる可能性がとても高いのだと感じました。

就労を支援するコーディネーターの方が「個性」を大切に「好き」を尊重してナビゲートしてくれる事で、Fさんは自分の人生の選択に誇りが持てたことでしょう。

5.自分であるために「好き」と生きる

3歳で出会う「好き」という概念。

ただ遊ぶこと。無心であそぶ。夢中になる。

大好きな事をひたすらに追求する体験それが

「遊び」

この事が、のちに「自分」を作り上げる土台になるのです。

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私は本を読むのが大好きでした。母は毎週のように図書館に連れて行ってくれました。幼児コーナーの本は全て読みきったそうです。そして100冊の本のセットを購入してくれました。本に関わることで「ストップ」をかけられた事はありませんでした。私は「文学」を学び「児童文学」の研究を選択しました。そこでこどもの「発達」に出会い、今に至ります。あの日の好きが、こうして繋がっていまが出来上がる。人生のつながりっておもしろいです。

わたくし、ことはなは

こどもたちの心とことばの世界が

「大好き」です。  

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あなたの「好き」は何ですか?

あなたの大切な人の「好き」を知っていますか?




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