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「でしょう」っていつ、どんな場面で使うの!?

「でしょう」っていつ、どんな場面で使うの!?

初級の教科書に出てくる「でしょう」って、日常生活で使う? 「でしょう」は「と思います」 で置き換え可能なんじゃないの??場面が天気予報くらいしか思いつかないんだけど、、、なんて声をよく聞きます。

その通りですね。私もそう思います。

ならば、どうして初級で「でしょう」が出てくるのでしょうね。「でしょう」はどんな場面で出てくるのでしょう。だれが使うのでしょう。それを考えると自ずと私たちがすすむべき道が見えてきます。


初級で出てくる推量の「でしょう」

推量の「でしょう」ははっきり言い切ることを控え、断定を保留するような状況で使われます。

定番の例文は「明日は晴れるでしょう」「薬を飲んで、1日寝たら良くなるでしょう」ですね。

「でしょう」はデータや根拠に基づく高い確率の予想を客観的に述べるときに使う文型で、天気予報士、ニュース解説者、医者、研究者などの専門家に多く使われる表現です。そう考えると、私たちの日常生活では使用頻度が低そうですね。

また、初級では身近なことを話せるようになるために知っておきたい文型から紹介したいのに、「でしょう」は自分のことには使えません。目上の人や初対面の人に対しても使えません。使用範囲も狭いです。

そして、「あなたは来年結婚するでしょう」のように言った日には、「え、予言者!?」みたいなことになってしまいます。使い方を間違えると危険ですね〜。制約も多そうです。

使用頻度も低く、使用範囲も狭く、使用制限もある。このような文型は初級の段階では「推量」の「でしょう」は教える必要がなく、「と思います」で十分事足りると言えるでしょう。


「でしょう(⤴)」「でしょうか」「でしょうね」

ここまでは「推量」の意味で、かつ、言い切る場合の「でしょう」をみてきましたが、「でしょう」には「でしょう(⤴)」「でしょうか」「でしょうね」などもあり、それぞれ機能が異なります。日本語学習者が使えそうなものもありそうです。

これらの使い方についてはコトハジメのブログ記事をご覧ください。


推量の「でしょう」は授業でどう扱う?

でも、推量の「でしょう」って教科書に載っているし、カリキュラムにも入っているし、、、うーん、困りましたね。

普通形/short formを習い、その形をつかった文型で、まあまあよく使われる表現ということで白羽の矢が立ってしまった「でしょう」。文型シラバスで「体系」を重視する日本語学的発想でテキストに入れられてしまった感、否めません・・・。

「でしょう」はニュースなどで聞いて分かればいい表現です。どうしてもこの推量の「でしょう」を教えなければいけないときは、さらりと流すでいいのではないでしょうか。とりあえず、定番のお天気キャスターになって、天気予報をしてみる。あとは、、、あえて「あなたが占い師だったら」、もしくは「医者だったら」、「サッカーの解説者だったら」みたいにしたら、ロールプレイを楽しむことができるかもしれません・・・。(あー、やっぱり私はサラッと流しちゃうなあ。メリハリ大事!!)

テキストを見て感じた違和感や疑問をスルーせず、どうしてそう感じたかを自分なりに考えるって大切なことですね。ちゃんと考えることで、この文型をどう扱うかが見えてきます。


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