例文トレ#16 本日のお題「〜あげく」
今月のMrs.Hidariの例文トレーニングのお題は「あげく」です。
「あげくには」「あげくの果てに」など、「あげく」が入っていれば何でもOK、後件もプラス/マイナスどちらの印象でもOK、日本語ネイティブとして思い浮かぶ例文&場面などで講師の皆さんに投稿をお願いしてみました。
まずは皆さんもMrs.Hidariの考察を読む前に、いくつか例文を挙げて使用場面などをぜひ考えてみてください。
「あげく」を使うとしっくりくるケース
「あげく」「結果」「末に」など、似たような機能の文法について、N2対策本などでは横並びで扱われることが多いと思うんですが、これって教える方にとってはなかなかの恐怖・・・。
接続のルールや後件の制限など、目に見える違いがあればまだいいのですが、そうじゃないとやっかい極まりなく…。細かいニュアンスなどの違いや使う場面の適切さは、やはりいい例文を提出するのが一番です。
今回もまたみなさまのすばらしい例文で、解決の糸口が見えてきました~(「あげく」の説明には私が一番困ってた・・・汗)。以下、気づいたことを以下まとめてみたいと思います。
① 肩すくめ系🤷🏻♀️
まず、みなさんの例文を並べてみて気づいたのですが、「あげく」のニュアンスって、マイナスイメージな事柄、あるいは手間暇かかってしたことが、実を結ぶことなく、残念、またはあきれる結果に帰着する、これに尽きると思いました。文法書などには、「あげく」の後件は「悪い」結末と書いてあるものもありますが、「悪い」というより「呆れ」とか「期待はずれ」(肩をすくめるあのアクション…日本人はあまりしないけど)の結末、「おいおい、結局それかよっ」っていうのがしっくりくるなと思います。
<例文>
慣れないパン作りに挑戦しましたが、オーブンで火傷したあげく、パンはそんなに美味しくありませんでした。
② 選択が必要な場面
「肩すくめ系」のエピソードということがわかったところで、次に気づいたのが、使用頻度の高い使用場面。それは、買い物などをはじめとする何らかの「選択」が必要な場面。いろいろ悩んだり、迷ったりする場面で使われるようですね。
<例文>
デパートで散々迷ったあげく、何も買わずに帰って来てしまった。
③ 受け身と親和性が高い
そして最後は「あげく」と親和性の高い機能、それは「受身形(あるいは受身的意味のある語彙や場面)」。
<例文>
さんざん待たされたあげく「他の部署におかけ直しください」と、にこやかに言われました。(ヘルプデスク)
というわけで、「あげく」を導入する際、以上3つのポイント(「肩すくめ」「選択場面」「受身機能」)を念頭においてレッスンで例文を出すと、うまくいくんじゃないかなあと思います。もっとたくさん例文をご覧になりたい方、ぜひコトハジメの記事をどうぞ!
コトハジメ 4月のワークショップのお知らせ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?