見出し画像

「かわりに」 と 「にかわって」の使い分け


<例文>
・本を読む(かわりに・のにかわって)、オーディオブックを聞き流す。
・あっ、買い忘れた。砂糖(のかわりに・にかわって)はちみつを使おう。

むむっ、「にかわって」は変ですね。「かわりに」しか使えませんね。これが、「最近は砂糖にかわって、はちみつを使う人が多いようだ」なら◎なんですけどね。どちらも「かわる」という言葉が入っていますから、きっと何かがかわるんでしょう。でも、何がどうかわるんでしょうね。


かわりに① とりあえず代用系

  • 今日は朝から忙しいので、朝食のかわりにエナジーゼリーでチャージ!

⇒本当は朝食をちゃんととりたいけど、エナジーゼリーを食べる。結果、ゼリーでも必要な栄養がとれている。

  • 急な雨で傘がない! 傘のかわりに雑誌を頭の上にかざしてしのぎます。

⇒本当は傘をさしたいけど、雑誌を頭上に。結果、雑誌でもなんとか雨を防げる。

まずは、シンプルに代用でしょうか。本来使うものが使えない・使いたくないので、とりあえず(不十分だけど、応急処置的に、今回に限って)別の物を使って同等の結果を得ようとするときに「かわりに」が使われます。

かわりに② give and take系

  • 私と結婚するかわりに、家事はあなたが全部やってね。

⇒男性は憧れの女性と結婚できるなら、今後一生続く家事は大変だけど苦ではない。女性は大嫌いな家事をしなくていいなら、たいして好きでもない男性のプロポーズを受け今後一生彼と暮らすのも苦では…、いや、苦か…? 

  • 日本語のレポートチェックしてもらえない? そのかわり昼ご飯おごるから。

⇒友人に日本語をチェックしてもらうために、昼ご飯程度の出費は仕方がない。


こちらは、利益を得る(与える)ために、同程度の不利益を受ける(要求する)ということですね。”give and take”、またはバーターってやつですね。お互いが”win win”になるための取引としても使えますね。


にかわって① 同等レベルに置き換え系)

・今日は海外視察中の社長にかわって常務が挨拶を行った。

⇒本来は社長が挨拶すべきだが、不在なので常務が同等の行為をした。

・ピッチャー、佐々木にかわりまして、益田

⇒佐々木投手に完投させたいところだが、佐々木投手の負担を考えるとこれ以上の投球はさせたくない、これまでと同様の仕事を益田投手が引き継ぐ。これは責任重大な局面ですね〜


これらの例文は「かわりに」にも置き換えられますが、「かわりに」のときに漂っていた「不十分ながら」という雰囲気がなく、むしろ遜色ない雰囲気を感じます。

交代しても同等の内容が求められる時には「かわりに」より「にかわって」の方がよさそうですね。ちなみに、先生の代講だと「かわりに」「にかわって」どちらもとれるような。なんだかな・・・。

にかわって② 新旧交代系

・内燃機関にかわって電気モーターがこれからの世界のスタンダートになりそうだ。

⇒ガソリンエンジンなどの時代は終わり。今後は電気自動車などが主流になる。

・どつき漫才にかわってシュールなコントが受け入れられるようになってきた。

⇒どついたり叩いたりしてとる話題は、今は受け入れられない。シュールなコントの方がウケる。

「前件の時代はもう終わった、今は後件だぜ!」というときに使いますね。紙の本から電子書籍、TVからyoutube、キャッシュから電子マネーなど、いろいろな例文ができそうですね。


>>>つづきはコトハジメのブログをご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?