見出し画像

転職の意思決定を「最高の選択肢」にするため、会社も社会も変えていく

心理学者のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱されたキャリア理論「計画的偶発性理論」によると、ビジネスパーソンとして成功した人の、キャリアにおけるターニングポイントの8割が「本人の予想しない偶然の出来事によるもの」だったそうだ。

「入社するつもりがなかった」cotoboxに転職した白倉峻樹の選択も、ひょっとすると、彼の人生におけるターニングポイントになっているのかもしれない。

新卒でメーカーに就職して経理を経験し、ベンチャー企業に転職してバックオフィス全般を任される。7年間の激動の日々を過ごし、新たな挑戦の一歩を踏み出した白倉は、「最後まで転職先として考えていなかった」cotoboxメンバーになった。

計画外の選択肢で奮闘する彼は、いま何を思いながら、どんな行動をしているのか。「成功するまで、やめない。だから、成功すると思う」と語る白倉に、これまでのキャリアを振り返ってもらおう。

想定外の選択肢が、最良の転職に

—— 「内定を獲得した企業の中で、cotoboxの優先順位は高くなかった」とお聞きしています。

転職活動で4社から内定をいただいたのですが、どこの会社も魅力的だったんです。ただ、逆を言えば、「絶対にここに就職したい」という決め手もないというのが本音でした。

こんなことを言うのはなんですが、cotoboxは特に、決め手がなかった。というのも、知財領域にものすごい関心があるわけではありませんでしたし、面接の段階では強いオファーをもらえていたわけではなかったんです。

—— では、どうしてcotoboxで働く意思決定をしたのでしょうか。

まさに転職先の意思決定をしようとしているタイミングで、代表の五味から「もう一度だけ、話しましょう」と連絡をもらったんです。そのときに、熱意あるオファーをいただいて。

話を聞くか迷いましたが、とりあえず会ってみることにしました。「ぜひ対面で」という勢いに押されたんですね。

すると、自社のデータを赤裸々に見せながら、「いまはまだ、描いている世界の実現にはほど遠いかもしれない。でも、いずれ必ず実現する。そのためには、白倉さんの力が必要です」と言ってくれたんです。

このとき、「一緒に働く人を大切にしたい」という職業観が、強く揺さぶられました。彼らとなら、仕事を通じて社会に価値を与えられるだろうと思ったんです。

向上するための選択肢に、ベンチャー転職

—— 「一緒に働く人を大切にしたい」「仕事を通じて社会に価値を与えたい」という職業観は、もともと白倉さんが持っていたものなのでしょうか。

働く過程を通じて、次第に養われたものです。

学生の頃は、「自分が手がけた仕事が、形になって社会に出る仕事がしたい」と思ってメーカーに就職しました。振り返ってみると漠然としていますが、これといった実績がない人生を送っていたので、目に見える成果が欲しかったのだと思います。

メーカーは、その思いを実現できる場所でした。とはいえ、あまりいい思い出がないんです。

というのも、「人に恵まれている」とは言い難い職場でした。入社初日に、直属の上長から「お前の面倒を見る気はないから」と言われてしまうほどで。

「自分のことは、自分でやれ」というメッセージだったのかもしれませんが、希望を持って社会人になった当時の僕にとっては、やはり辛いものがありました。

石の上にも三年……という気持ちで歯を食いしばりましたが、労働環境はブラックでしたし、仕事には面白みを感じられません。最後の1年は「早く転職したい」という気持ちで働いていました。

—— 「一緒に働く人を大切にしたい」という職業観は、新卒入社した会社で得たものなんですね。

おっしゃる通りです。転職をする際に考えていたのは、尊敬できる人と働くことと、年功序列の組織で働いていたので、年次を問わずに活躍するチャンスがあるということ。それらを満たしている会社で、最も魅力的に映ったのがネクステージという会社でした。

前職であるネクステージは、実は選考に落ちてしまった経験があります。代表面接まで進むことができたのですが、準備不足で、あまり自分のことを上手く話せなかったのが原因です。

ただ、代表は私にチャンスをくれました。「白倉さんが考える幸せについて、論文を書いてきてください」という課題を出してくれたんです。その内容を踏まえて、もう一度採用可否を判断してくれるとのことでした。

そのときに考えた「私にとっての幸せ」は、簡潔に言えば「向上すること」です。

何かを得たとしても、それが恒常化してしまうと、人間は慣れてしまう生き物だと私は考えています。つまり、ありがたみを失ってしまう、ということです。

そうだとすれば、常に向上し続ければ、人間は幸せでいられるのではないかと考えました。これを仕事に置き換えるのであれば、新しい事業を立ち上げるチャンスを探し続け、売上をつくり続け、顧客に価値を与え続けるということになります。

その考えをぶつけたところ、最終的には内定をいただくことができました。私の考え方は、ネクステージの思想に通底するものがあったんです。

成長したいま、新しい景色が見たい

—— 前職では、具体的にどのような仕事をしていたのでしょうか。

入社からの7年間で、本当にいろんなことを経験させてもらいました。バックグラウンドがあった経理から仕事を始め、労務回り、経営管理……とバックオフィス全般を担当させてもらっています。

成長し続けていた会社なので、慢性的に人材不足なんです。すぐにポジションが空くので、どんどんアサインしてもらい、職域を染み出しながら働くことができました。

業務経験以外でいえば、全社員が参加する合宿で価値観を磨き上げたのが印象に残っています。

合宿の内容は、80歳までのライフプランを描き、人生の中で何を実現して死んでいくのかを考えるというものです。この時間があったおかけで、それまでぼんやりとあった職業観を明確にすることができましたし、目の前の仕事により一層の熱が入るようになりました。

向上し続けることへの思いも強くなり、前職での仕事は、自分で掲げた人生の目的を達成するためにあったとも思います。実務レベルはもちろん、精神的にも成長させてもらいました。

—— 意味のある時間を過ごされたんですね。そうした恵まれた環境から、転職を考えた理由について教えてください。

社会に与える価値の大きさを、求めたくなったんです。前職のことは今も大好きで、ずっと感謝の気持ちを持っています。ただ、まだ世の中にないサービスを生み出したいという気持ちが強くなってしまい、スタイルが合わなくなってしまったんです。

事業や組織は未成熟でもいいから、まだ誰も見たことのない景色が見てみたい。これが、当時の僕の思いです。そのタイミングで、スタートアップへの転職を考え始めました。

—— 選択肢のひとつが、cotoboxだったんですね。

転職活動をしている最中は、まさかcotoboxで働いているとは想像もしていませんでしたけどね(笑)。

ただ、実際に転職をしてみて、まったく後悔はしていません。仕事は楽しいですし、メンバーに恵まれ、充実した毎日を過ごせていますから。偶然の意思決定でしたが、当時の自分には感謝しています。

—— 現在は具体的に、どのような業務を担当されているのでしょうか。

担当している業務はバックオフィス全般で、一言で表現するなら「会社の立て直し」です。

スタートアップのあるあるですが、事業を拡大することに重きが置かれているので、まだまだ業務フローが整理しきれていないんです。ここをきれいにして、誰もが迷いなく自分の仕事に取り組むことができ、なおかつスタートアップならではのフレキシブルに動ける体制を整えようとしています。

ここまでは自分の土地勘があるところですが、背伸びをしながら挑戦している取り組みもあります。資金調達のサポートです。

cotoboxは会社が急成長フェーズにあり、これから先、資金調達を視野に入れています。エクイティもしくはデッドなど、数ある選択肢の中で、最も自社にとってベストな意思決定をするために支援していくつもりです。

資金調達に直接的に関わることは、まだ僕のキャリアでは経験がありません。ここで成果を出すことができれば、会社にとっても、投資家にとっても、そして自分にとってもいい影響をもたらすことができます。調達した資金を使って事業を伸ばせれば、社会にも好影響を与えられるでしょう。

それが実現できれば、前職で過ごした7年間以上に、有意義だったと胸を張れる時間になるはず。cotoboxでのキャリアは始まったばかりですが、もうずっとワクワクしているんです。

つくる、拓く、成長する

—— これからcotoboxの一員として、どのような世界をつくっていきたいと考えていますか?

まずは、人がやるべき仕事に、人が集中できる世界をつくりたいと思っています。現代は、かつて人の手で行われていた作業が、機械によって自動化されていく時代です。帳簿を書き写していた作業はなくなりつつありますし、ハンコを押すために出社しなくてもいい社会になりつつあります。

ただ、商標の世界は、まだまだレガシーです。AIがあればできることを、人の手で行っていて、なおかつAIを導入するよりもコストがかかってしまっています。社会の流れに逆行していて、解決すべきです。

この課題をcotoboxが解決できれば、人はもっと、クリエイティブな仕事に時間を割くことができるようになります。商標の世界から、めんどくさいをなくすのが、私たちがやるべき最初のことです。

また、そうやって商標が身近な存在になっていけば、日本のビジネスはもっと強くなっていくと思います。

昨年末、無印良品が、中国の企業に取得商標を登録され、裁判で訴えを起こすも敗訴されたニュースが話題になりました。これは、先に商標権を押さえてさえいれば防げた事態です。

たかが商標、という認識を持っている方がいるかもしれませんが、商標をないがしろにしていると、積み上げてきたブランドが一瞬にして崩れ去ってしまうこともあります。それって、納得がいきませんよね。

だから僕たちが、商標登録のプロセスを簡単にして、その重要性を広めていかなければいけないと強い責任を感じています。商標の世界を広げ、日本のビジネスを強くして、自社も成長していく。このサイクルをつくっていけたら、ビジネスをする誰もが幸せになれるはずです。

—— 想像している以上にマーケットが大きく、未来がある事業なんですね。最後に、これからcotoboxのメンバーになる、未来の仲間たちに向けてメッセージをお願いします。

cotoboxはいま、会社を「つくり」ながら、未来を「切り拓いている」フェーズにあります。「つくること」と「切り拓くこと」を同時にできるのは、急成長企業ならではの醍醐味です。

個人や企業が自社製品を世界に放つプラットフォームであるAmazonさんと協業して、ブランドを育てていくために不可欠な商標権のセミナーを開催したり、新しいプロダクト開発への準備を進めていたり、事業は日々進歩しています。

また、事業が成長していくスピードに会社が取り残されないよう、新しいメンバーを迎え入れながら、組織の強化も行っています。

cotoboxで過ごす毎日はとてもスリリングで、漫然とすぎていく日々は一日たりともありません。

変化していくことを厭わず、ラーニングとアンラーニングを繰り返していけるのなら、このスリリングな毎日を楽しみ尽くすことができるはず。私たちと一緒に、世界を変えるプロダクトをつくっていきましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?