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あいあむ あ がーる

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レディと少女の狭間で揺れる わたしたちは「おんなのこ」
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#掌編小説

ショートショート97 「別れ路を進む」

 三月三日、今年も家族で車に乗って家から四十分ほどの神社にやってきた。  雛祭りを着物を…

ショートショート93 「River Girl, I will be...」

 青々とした樹木が茂る山に囲まれた場所。  山々を隔てる境界線のように、澄んだ川がサラサ…

ショートショート89 「イイオンナ」

 とある平日の黄昏時、いきつけと言うほど足しげく通っているわけではないが、仕事が早く片付…

ショートショート80 「おとなふりいだむ」

 小さい頃、大人はいいなぁって思ってた。  スキなお菓子を食べられるし、夜遅くまで起きて…

ショートショート73 「猫に逢える喫茶店」

「喫茶七丁目」  立地をそのまま店名として掲げた少し変わった名前の喫茶店には、奇妙な噂話…

ショートショート41 「神様の引き算」

緩やかな弧を描く木造りの宇治橋を渡り、二つ目の大鳥居をくぐる。 瞬間、私の周りから音が消…

ショートショート34 「たまごなでしこ」

「女の子はね、たまごみたいでいるのがいいのよ。」 事あるごとに、お母さんにそう言われて育ってきた。 どういう意味? と聞いても明確な答えはなく、答えの代わりとばかりに、我が家の食卓はたまご料理が並ぶことが多かった。 目玉焼き、卵焼き、オムレツ、オムライス。 かつ綴じ、味玉、親子丼。 洋の東西を問わず…主食・おかず・おやつ、何にでも姿を変え、どれもが美味しい。お母さんのたまご料理が、大好きだった。 小学生の頃は、誰とでも仲良くなれて、相手の良さを引き出せるような、そ