189. 間欠性外斜視の成人患者における手術成功の予測因子としての術後早期の角度

Early post-operative angle as a predictor of surgical success in adult patients with intermittent exotropia

Narayan A, Dosanjh S, Dominic J, Jain S. Strabismus. 2023 Jul 13:1-7. doi: 10.1080/09273972.2023.2234406. Epub ahead of print. PMID: 37443421.


目的:間欠性外斜視とは、特定の時間や視距離で開散を起こす斜視の病態であり、両眼の外直筋後転術または片眼の内直筋前転と外直筋後転術の併用で外科的に治療される。本研究の主な目的は、前後転術を受けた成人の外斜視において、術後の初期偏位と手術成績との関係を評価することである。
方法:単一施設で2010年3月から2022年2月までの間に、間欠性外斜視に対して片眼前後転術を受け、少なくとも3か月の追跡期間があった成人患者を対象に、後ろ向きカルテレビューを行った。術後2週間の運動アライメントに基づき、外斜偏位、10Δ以内の内斜偏位、10Δを超える内斜偏位に分類された。手術の成功は、最終フォローアップ時に、遠見・近現在で外斜視が10Δ以内、内斜視が5Δ以内の運動アライメントと定義した。
結果:93名の患者が登録され、55%が女性、平均年齢は37歳であった。術後2週目において、26人の患者に外斜偏位が残存し(A群)、53人の患者が10Δ以内の内斜偏位を示し(B群)、14人の患者が10Δ以上の内斜偏位を示した(C群)。術前因子および人口統計学的因子に群間で有意差はなかった。最終経過観察では、57例に手術の成功が認められた:A群12例、B群41例、C群4例であった(P < 0.01)。
結論:術後2週間の時点で10Δ以内の過矯正は、10Δを超える外斜偏位または内斜偏位と比較して、より良好な手術成績を示した。

※コメント
成人の間欠性外斜視が対象というのがkeyだと思います。最終的な観察期間がまばらであるのがこの手の報告の問題点(解釈の煩雑さが浮き彫りになる点)ですが、成人では戻りがあまり起きないという解釈に大きなブレを示さない報告だと思います。

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