217. 小児の近視抑制のための反復低レベル赤色光療法:ランダム化比較試験のメタ分析

Repeated Low-Level Red Light Therapy for the Control of Myopia in Children: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials

Wang F, Peng W, Jiang Z. Eye Contact Lens. 2023 Aug 8. doi: 10.1097/ICL.0000000000001020. Epub ahead of print. PMID: 37565498.


背景:反復低レベル赤色光(Repeated low-level red light:RLRL)療法は小児の近視に有効であることが示唆されている。しかし、ランダム化比較試験(randomized controlled trials:RCT)によるエビデンスはまだ限られている。我々は、近視の小児における眼軸長(axial length:AL)と等価球面屈折(spherical equivalent refraction:SER)の変化に対するRLRLの有効性を系統的に評価するために、RCTのメタ解析を行った。

方法:PubMed、Embase、Cochrane Library、Wanfang、China National Knowledge Infrastructure などの電子データベースを用いて、開始から 2022 年 9 月 15 日までの関連する RCT を検索した。ランダム効果モデルを用いて、潜在的な異質性の影響を組み込んだ上で結果をプールした。対照治療と追跡期間に応じてサブグループ解析を行った。

結果:6~16歳の近視の小児1,031人が参加した合計7件のRCTがメタ解析に含まれた。RLRLを用いない対照治療と比較して、RLRLを用いた治療はALを有意に減少させ(平均差[MD]:-0.25mm、95%信頼区間[CI]:-0.32~-0.17、P<0.001、I2=13%)、調節麻痺下SERを有意に増加させた(MD:0.60D、95%CI:0.44~0.76、P<0.001、I2=20%)。さらにサブグループ解析を行ったところ、単焦点レンズ装用とオルソケラトロジーや低濃度アトロピン点眼などの積極的治療を受けている児を比較した研究や、治療期間が6か月と12か月の研究で一貫した結果が得られた。

結論:メタアナリシスの結果、RLRL治療は6~16歳の小児の近視進行を遅らせるのに有効であることが示唆された。

※コメント
少しずつエビデンスが構築されている段階です。RLRL療法の有効性が表立ってきていますが、本邦ではなかなか使用機会が無さそうです。

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